記事種別

「EC・通販事業はリピートビジネスである」 収益構造を理解するための3つの効率とは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

 今なお成長を続けるEC・通販業界。さまざまなノウハウやトピックが生み出されている反面、表面的な部分に振り回されている局面も散見されます。EC・通販事業者として、そのビジネスの「本質」が何であるのか。事業者としてユーザーにどのように価値を提供していくべきか。プランクトンR 執行役員 通販支援事業部長 川部 篤史氏が、あらゆる切り口からロジカルに解き明かしていきます。連載の初回はまず、EC・通販事業の構造の本質と、成果指標の設計・運用について述べていきます。

EC・通販事業は、つまるところリピートビジネスである

 単品通販であれ総合通販であれ、EC・通販事業の基本は、リピートビジネスです。魅力度・満足度の高い製品やサービスで顧客から高い満足度を得て、長期にわたってリピートしてもらうことで初めて収益があがります。これはあるひとつの製品だけを売り続ける「単品リピート型」のみ、というわけではありません。

 たとえば、メイクアップ品のように、ブランド内でいくつかのSKUに渡って途切れずリピートするものは「クロスセルリピート型」としてとらえられますし、他SKUのロングテール型ビジネスを展開しているショップであっても、リピートされ続けることが重要です。「ショップリピート型」についても、いずれもビジネスの骨格は共通しています。いかに顧客の納得度と満足度を高め、長期的にリピートしていただけるのかがカギとなります。

 他方、一部でダイエット系をはじめとしたコンプレックス系商材を中心にしている事業者においては、広告販促にかかる諸経費を一発で回収するモデルもありますが、リピートしない商材でのビジネスは、いつビジネスが急激に萎んでもおかしくないというリスクが付きまといます。労力をかけるのであれば、しっかりとした顧客基盤に支えられた、安定したビジネスを目指すのが王道です。

お客様との最初の接点でしっかり労力をかければ、収益は後からついてくる

 リピートが重要なEC・通販ビジネスは、スタート時点で基本的に赤字です。集客コストをかけて、それを上回る利益がその場で発生する、というケースはほぼ見かけることがありません(先ほど触れた一発回収型モデルは除きます)。

 しかし未だにこの構造が理解されずに、私自身、「なぜ売上以上の広告費をかけるのか?」と疑問を投げかけられることがあります。この認識の差は、広告費の捉え方の違いが原因のひとつです。

 広告出稿に関わる費用は、財務勘定の観点では固定費としてとらえられます。そのため、上述の疑問を抱く人は、単年度の営業利益の範囲内に収めることを第一に考えています。

 しかしこのビジネスにおいては、広告投資は集客する営業マンとしての役目を担っており、従量的な変動費と考える方が実態には即しています。最初に労力をかけて、お客様との取引を始める。そしてその後の取引継続(リピート)で収益化させる。ですから、リピート購買をいかに発生させるか、が大切になるのです。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

バックナンバー

連載:どこまでもロジカルに EC・通販事業の全貌を徹底究明

2015年04月の人気記事ランキング

All contents copyright © 2013-2018 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5