2.年代によって、掲載内容の理解のスピードが異なる
下の図は、キャンペーンページのアテンションヒートマップをユーザーの年齢別に比較したものです。赤くなっている部分は、じっくり見られた、すなわち滞在時間が長かったことを示します。通常、大きな文字で情報が掲載されている部分は、じっくり見なくても、すっと意味が頭に入ってくるので、赤くなる可能性が低くなります。
上記の図のWebページのファーストビューの部分は、大きな文字で情報が掲載されており、「すっと意味が入ってくる」はずなのですが、「40代」・「50代」と「60代」・「70代」で比較すると、「60代」・「70代」の方が、ファーストビューに掲載されている内容の理解に時間がかかっていることがわかります。
エディー・バウアーというブランドは、上質な素材、丁寧な縫製が魅力であるため、価格帯はやや高めです。また、一度ファンになると、「エディー・バウアーで揃えたい」ということで、ずっと買い続ける顧客が多いため、実は、他のアパレルECサイトと比較すると、顧客の年齢層が比較的高めです。
そのような事実と、上記のヒートマップから得られる情報を合わせて考えると、「キャンペーンページは、年齢層によって、少しレイアウトや長さを変えたほうがよい」という仮説が導き出されます。こうした仮説も、「属性別メール配信」×「ヒートマップ分析」だからこそ、得られるものだと言えます。
3.一度も購入したことが無い人には、訴求ポイントを変える必要がある
下図は、あるウィメンズ向け特集ページのアテンションヒートマップを購入回数別に比較したものです。購入回数0回のユーザーと、2回~4回のユーザーでは、大きな違いがあることがわかります。ひとことで言うと、一度も購入したことがないユーザーは、特集ページをじっくり見ていないのです。
一度も購入したことのないユーザーの中には、まだエディー・バウアーの商品の魅力、たとえば、素材の良さ、縫製の丁寧さといったことがわかっていない人が含まれているはずです。そうであれば、そこから考えられるのは、「一度も購入したことがない人向けのページを作って誘導したほうがいい」という仮説です。
エディー・バウアーの場合、サイトで確認してリアル店舗で購入という顧客もいるのですが、上記の購入回数0回のユーザーのヒートマップには赤色の部分が少ないことから、商品があまり見られていないことは明らかで、「一度も購入したことがない人向けのページ」と従来のページとでA/Bテストを行ってみる価値は十分にあります。