SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

最新イベントはこちら!

ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

勝つD2C 注目ブランド大研究

「日本の良い商品は海外でも売れる」手応えあり 米国、インド、中国へ越境ECを進めるHameeの挑戦


4月に東証マザーズに上場し、注目を集めたHamee。同社が運営するスマホアクセサリーECの老舗「Hameeストラップヤ」では、今、米国をメインに越境ECに取り組んでいる。そこでのノウハウを活かし、受注・在庫一元管理ツール「ネクストエンジン」でも越境EC支援を行っていく考えだ。副社長にして、グローバル事業部で事業部長を務める小俣勇次さんに越境ECの手応えなど、うかがった。

アメリカに現地法人を作り、本気で越境EC Hameeの挑戦

――副社長の小俣さん自ら、グローバル事業部の事業部長となり、アメリカに常駐していらっしゃるとのこと。「Hameeストラップヤ」の越境ECはそこから始まったのですか?

 いえ、グローバル事業部ができたのは2年ほど前ですが、越境ECには10年以上前から取り組んでいました。とはいえ、英語の自社ECサイトと、韓国と中国のショッピングモールに出店して、特別力も入れず、でも止めもせずという具合。僕がアメリカに行くことになったのは、「越境ECを本気でやるぞ」という、代表の意思表示だと思います。

 越境ECへの取り組みが早かったのは、当社の代表の血縁に、たまたま英語ができる人間がいたからです。以前は、Amazon.comに出品するためにわざわざハワイに銀行口座を作りに行くなど、越境ECのハードルがすごく高かったので、その偶然がなければ始めていなかったかもしれません。サイトの翻訳も社内で行い、注文が入ったらEMS等で個別に発送するなど、細々と続けていました。

 しかし今回は、アメリカに現地法人「Hamee US」を作り、私とエンジニア、EC運営担当者が常駐し、倉庫を構えて、Amazon.comはもちろん、カナダやヨーロッパなどでも展開しています。

Hamee株式会社 取締役副社長 グローバル事業部 事業部長 小俣勇次さん

――もちろん、英語はお得意なんですよね。

 まったくできません(笑)。現地に入ってから、英会話学校に通わせてもらったりしましたが、ちょっと勉強したくらいで、ビジネスで使えるようになるものじゃないでしょう。それでも何とかなるものです。結局のところ、商品がお客様に届き、代金を回収するためのコミュニケーションがとれればいいわけですから。日本のEC運営で蓄積した「よくあるお問い合わせ」には、あらかじめ回答テンプレートを作るなど、準備もしています。

――日本とUS、ECを運営するうえで違いはありますか?

 日本は配送含め、とにかく「細やか」ですが、海外ではもっとアバウトです。わかりやすく言えば、日本では段ボールの箱に入れて丁寧に梱包するけれど、アメリカでは配送料をできるだけ安くするために、緩衝材でくるっと巻いて送るだけで済んでしまったりする。それを玄関先にぽんと投げておくだけなので、モノはなくなりやすいですけどね。

 日本と比較してアバウトなのは、Amazon.comには、アメリカのショップだけでなく、日本や中国など、他の国からも出品しているから。配送日も違えば、カスタマーサポートもそれぞれ、荷物が届くのに時間がかかって当たり前、早く欲しければその分の料金を払ってくれます。そのあたりは、送料無料で即日配送が浸透しつつある日本よりは、ラクかもしれない。

 一方で、アメリカは返品が多いです。有名なザッポスはじめ、リアルの有名店舗でも対応しますから、そういう文化なんでしょう。開封してあっても「壊れていたから」など理由をつけて、なんとしても返品してきます(笑)。

――Amazonやebay、そして自社ECサイトを運営しているとのことですが、越境ECではどこがいちばん売れますか?

 やっぱりAmazonは集客力、売る力が強いですが、「1商品・1ページ」の競争は日本と変わらず厳しい。そこで戦うには、自社オリジナルの強い商品が必要になります。当社がそういう商品を作り続けられたら、Amazon.comでもやっていけるでしょう。最近は、スクイーズという、くにゃっとしたやわらかい素材の商品が人気ですね。理由は、よくわからないけど。

 集客は日本でのノウハウを活かして、キーワード広告を中心にやっていますが、日本の良い商品をしっかりアピールできれば、無理な宣伝をしなくても売れる、という手応えは感じています。自社ECサイトでは、モール以上のパワーが必要になりますけど、出店料は広告費のようなものですから。

 さまざまなモールに出店するのは、どこが売れるのか、このモールならどういったお客様がいて、どんな商品が売れるのかといったことをテストしているからです。そのためのコストがそれほどかからないのが、ECのいいところですよね。

Amazon.com Hamee Storefront

――越境ECでも、自社ECサイトは必要でしょうか?

 必要です。細々とながら10年以上続けてきましたから、海外でも長年、何十回と自社ECサイトから買ってくださるお客様がいるんですね。お客様も売れるモノも、サイトによって違いますから。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
物流、在庫、経理など環境も整ってきた まずは試してみては

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
勝つD2C 注目ブランド大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ワダ スミエ(ワダ スミエ)

2013年11月11日〜2023年3月31日までECzine編集部在籍。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

ECzine(イーシージン)
https://eczine.jp/article/detail/1870 2023/07/06 18:44

Special Contents

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

ECzine Day(イーシージン・デイ)とは、ECzineが主催するカンファレンス型のイベントです。変化の激しいEC業界、この日にリアルな場にお越しいただくことで、トレンドやトピックスを効率的に短時間で網羅する機会としていただければ幸いです。

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング