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ECzine Day 2025 June【オンライン+スタジオ観覧型イベント】

2025年6月12日(木)10:00~17:25

ECzine Day 2025 June レポート(AD)

開封率・クリック率30%、値下げ常態化から脱却できた施策を紹介 ルックHDがMA活用で得た学びを共有

CVR3%を記録 プロパー販売率増と在庫消化もできたOne to One施策

 一つ目は「顧客別タイムセール」の実施だ。顧客の閲覧・お気に入り登録情報を基に、興味に合わせたクローズドなセールを案内。対象者を絞ることで、顧客へ特別感を提供しながら利益の確保と在庫消化を実現している。

「こうした施策を実施する背景には、コロナ禍の来店客数減や在庫過多に起因する値下げ販売の常態化がありました。コロナ禍以降もその傾向が続き、ブランドとしては値引き前提の販売スタイルから脱却してプロパー販売率を高めながらも在庫消化を行わなければならず、そこで実施したのが顧客別タイムセールです」(ルックホールディングス・西村氏)

 顧客別タイムセールでは、自社ECとEC Intelligenceを連携し、タイムセール対象商品を閲覧・お気に入り登録した顧客の情報を抽出。対象者のみにセール価格が表示される専用ページと顧客属性に合ったシナリオを作成し、EC Intelligenceを使ってターゲットを絞ったセール情報の配信を実現している。

顧客別タイムセールの仕組み
クリックすると拡大します

「この施策では、メールの開封率とクリック率が30%以上、CVR3%以上を記録しました。オープンなセール回数を減らして利益率を改善しつつ、在庫の消化も実現しています」(ルックホールディングス・西村氏)

「この高い反応率は、必要な人に必要なタイミングで情報を届ける重要性と、メールがまだまだ有効なチャネルであることの裏づけといえるでしょう。自動化できるところは自動化して運用の手間を抑えつつ、アプローチする顧客をセグメントすることで精度の高い施策を実現している点がポイントです」(シナブル・曽川氏)

株式会社シナブル 執行役員 曽川雅史氏
株式会社シナブル 執行役員 曽川雅史氏

店舗スタッフ×EC Intelligenceで接客力UP 顧客理解度向上へ

 二つ目に紹介された施策は、店舗スタッフの接客力を支援する「Customer Closet」だ。同施策は、会員IDをキーに各ブランドの自社ECと店舗の購買履歴を紐づけ、優良顧客をセグメント。購入商品を画像つきで一覧化し、店舗スタッフにHTMLメールで情報提供するものとなっている。

 同施策で注目すべきは、MAツールを使って店舗スタッフの体験向上を図っている点だ。この施策は、「『お客様の購入商品をわかりやすく把握したい』という現場の声から生まれた」と西村氏は説明する。

「Customer Closet実施以前の店舗スタッフは、品番が記載された購入履歴を見てお客様への対応をしなければならず、商品の把握やスタッフ間での情報共有に手間がかかっていました。既存顧客や来店客の対応に追われる中で、自店以外の顧客の把握にまで手が回らないという課題に対し、解決策として導き出したのがCustomer Closetです」(ルックホールディングス・西村氏)

「同施策では、顧客データから条件に合致する会員IDと購買履歴をCSV出力し、EC Intelligenceにデータと送信先アドレスをアップロード。送信時にCSV出力したデータが自動的に差し込まれるHTMLテンプレートを活用して、各店舗にメールを配信しています」(シナブル・曽川氏)

Customer Closetの仕組み
クリックすると拡大します

 こうした情報共有のフローが構築されたことで、ルックホールディングスが運営する店舗では「より深い顧客理解が可能になった」と西村氏は続ける。

「購入商品が画像で一覧化されているため、店舗スタッフはお客様が既にお持ちのアイテムとのコーディネートや、趣味嗜好を踏まえた提案を意識的に行えるようになりました。顧客満足度を高めるための、重要なインプットになっていると思います」(ルックホールディングス・西村氏)

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実践から見えるOMO推進に必須な二つの目線 次なる一歩は“未来の情報活用”

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この記事の著者

山田優子(ヤマダ ユウコ)

神奈川県出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社シナブル

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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