“ある数字の変化”から迫られた方向性の見直しと明らかになった課題
製菓・製パン用資材および関連器具・雑貨類の販売を行う「cotta」は、2006年にECサイトを開設。お菓子・パン作りを楽しむ人々向けに、小ロット・短納期・低価格で商品を提供すると同時に多彩なコンテンツ発信を行うことで、事業を拡大してきた。
その過程の中で、同社は小ロット・短納期・低価格の強みをそのまま生かした法人特化型ECサイト「コッタビジネス」を2019年6月にオープン。コロナ禍との重なりもあり、オープンから4年のYoY(前年同期比)は120~130%の推移で成長し続けてきたという。
そんな中、なぜ2024年の10月にサイトリニューアルを実施したのだろうか。斉藤氏に聞いたところ、市況の変化が見えてきた。
「サイトオープン後の4年ほどは、成長のスピードについていくのに必死で、売上向上の理由やコッタビジネスの強み・弱みを分析する時間がなかなか取れなかったのも実情です。2023年の年末に、新規顧客獲得数やアクティブ率、売上伸長率低下の兆しが見えて『ここで自分たちの強みや今後の方向性を見直さなければ』と一念発起し、お客様へのインタビューやアンケートを実施しました。そこから見えたのが、スモールビジネスを立ち上げるお客様の減少と、コッタビジネスにおけるスモールビジネスのお客様比率の高さです」
コロナ禍で増えたイエナカ需要や、気軽にネットショップをオープンできる仕組みが整うなどの環境変化によって進んだ、スモールビジネスの立ち上げ。こうした動きが一段落したことで、コッタビジネスは方針転換を迫られることとなる。
「市場に存在する開拓可能な顧客母数や購入単価に加え、個人向けのcottaと差別化する意味でも、強みを生かしながらより事業規模の大きな層の顧客開拓を進める必要があると考えたのです」