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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス(AD)

AIが提案する施策で効率的に購買促進とCX向上 SAPの次世代型MAをNTTコム オンラインが語る

 SAPから、リソースの少ない組織でも導入しやすいMA(マーケティングオートメーション)ツール「SAP Emarsys Customer Engagement」の日本語版が、2022年12月にリリースされた。顧客接点の多様化が進む今の時代、他社と差をつけるには効率的なデータ活用は欠かせない。これまで多くの企業のマーケティング活動を支援してきたNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社の黛勇氏、竹内昭彦氏に、現場の課題と同MAツールの特長について話を聞いた。

リソース不足の現場 MAツールを使いこなせないケースも

 近年、企業と顧客の関係性は大きく変わりつつある。アプリを使った顧客とのコミュニケーションなど、オンラインを介したサービス提供が増加。ユーザー登録・購入後のサポートのように、顧客と長期的・継続的に関係を構築することも当たり前になってきている。

 こうした状況下でエンゲージメントや顧客満足度の向上を実現するには、データの活用による顧客1人ひとりに合わせたコミュニケーションの最適化や、パーソナライズ化された施策の実行が求められる。すでに変化を実感しているEC、マーケティング担当者も多いのではないだろうか。しかし、リソース不足などさまざまな要因から、新たなツール活用や施策への着手、それらを踏まえた効果検証の確立にまで手が回っていないケースも決して少なくはない。

マーケティング部門の課題
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「オンライン上でさまざまなサービスが提供できる今、カスタマージャーニーの理解は必要不可欠です。今目の前にいる顧客は、オンボーディング、または利用促進からロイヤルティ醸成に至る過程の、どの位置にいて、どんな心理状態なのか。ビジネスゴールをどこに見据え、それを達成するための道筋をどう描くべきなのか。組織全体でこうした思考をしながらマーケティング活動に取り組んでいる企業は、現状ごくわずかです。

 その背景には、組織体制の課題があげられます。近年はCMO(Chief Marketing Officer:最高マーケティング責任者)など、顧客体験を一元的に把握・管理するポジションや、それに準ずる部署を設置する企業も増え始めていますが、日本企業全体から見ればまだ少数派です。顧客はときと場合に応じて自由にチャネルをまたいでいるにもかかわらず、企業の担当者や施策がそれに適応できていません。結果として顧客体験が分断されているのが実情と言えるでしょう。

 また、マーケティングツールやソリューションが進化している一方、それを使いこなせる人材やリソースが不足しているのも課題です。たとえばMAツールを導入する際、ダイナミックな分析やパーソナライズを実現するにはMAツールと社内システムを連携させる必要がありますが、それには社内の情報システム部門(情シス)の協力が不可欠です。また、顧客データの分析や抽出をより詳細に行おうとした際には、データサイエンティストの支援も必要です。データ収集・活用の粒度が高くなればなるほど、いち担当者だけでは実現が難しくなり、スムーズなマーケティング活動、データ活用へのハードルが高くなっている状況と言えます」(黛氏)

黛氏
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 デジタルマーケティング部 BtoCマーケティング担当 担当部長 黛勇氏

ゴール設定から施策の実行まで SAP Emarsys Customer Engagementができること

 多くの企業が抱える、リソース不足やツール導入への課題。解決に向けて、「まずはビジネスゴールの設定と社内での共通認識の醸成が最優先」だと黛氏は言う。

「ビジネスゴールを定めた上でそれに直結した分析と施策設計を行い、実行に移すことが重要です。分断した組織が個別に施策を進めて成果が出たとしても、最終的に目指す方向性が異なっていては部分最適化にとどまります」(黛氏)

 とは言え、ビジネスゴールの設定は容易ではない。また、施策の実行も知見がなければ無駄な時間と手間を要してしまう。こうした課題を持つ企業に向け、AIを用いて自動的に目指す先や具体的な施策を提案するのが、SAPが提供する「SAP Emarsys Customer Engagement」だ。

「同ツールは、データ・テクノロジー時代の新たなマーケティング施策実行モデルとして、『ビジネス効果へ直結した施策の実行』『ベストプラクティスの活用による運用工数最小化』『AIを活用したパーソナライゼーション』の3つを提供しています。

 『ビジネス効果へ直結した施策の実行』については、売上向上やアクティブ顧客増加といったKGIの選択から始まり、ストラテジックダッシュボードでその推移を可視化できます。KGI達成のためのKPIも同様にグラフとして可視化され、自動で複数のストラテジー(戦略)が提案されます。そのため、どこをどう改善すべきか直感的にわかる点が強みです」(黛氏)

ダッシュボード
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「『ベストプラクティスの活用による運用工数最小化』においては、各KPIを改善するための具体的な打ち手として、70種を超えるタクティクス(施策、MAシナリオ)が用意されています。提案されたタクティクスを選択するだけで、たとえば『かご落ちしたユーザーに対してメールを送る』というシナリオが自動生成され、スムーズに実行に移すことが可能となります。

 『AIを活用したパーソナライゼーション』は、配信チャネルや配信時間、メッセージ、クリエイティブなど、『もっとも顧客の反応を高めることができるアプローチ方法』をAIが提案してくれる仕組みです。属性、行動データに加えて商品データ、EC・店舗売上データを連携することで実現できます」(黛氏)

AI
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「もちろんAIの判断をそのまま反映するだけでなく、対象者の絞り込み条件や配信チャネルの選択、クリエイティブなどは、柔軟にカスタマイズ可能です。つまり、最終的な調整と判断を人間が行うことで効率的に高度なOne to One施策が実行できるのです。

 しかし、こうしたベストプラクティスをゼロから組み立てるのは膨大な時間と手間がかかるため、非常に困難と考える方も多いでしょう。SAP Emarsys Customer Engagementを用いれば、企業の課題に合ったシナリオが自動提案されます。そのため、リソースや経験値が不足している場合も、まずはAIの提案通りにやってみて、結果を見ながら徐々に改善するという使いかたが可能です。こうして自社独自の知見を蓄積することを、当社もお勧めしています」(竹内氏)

 従来のMAツールで同様の施策を実行する場合、ターゲットやアクションを起こすタイミング、配信チャネルといった複雑な要素を組み合わせたシナリオをいちから設定する必要がある。細かなターゲット抽出にはSQLを用いるなど、煩雑な作業を要することもある。SAP Emarsys Customer Engagementは、AIがこうした工程を担うため、戦略から実行・検証までの時間短縮、作業の簡略化を実現する。

ECでより活きるMA ECプラットフォームとの連携で導入直後からの分析も可能に

 黛氏と竹内氏は、SAP Emarsys Customer Engagementが、とくに自社ECを運営する企業と相性が良いツールだと話す。

「ECの場合、顧客育成のみならず、商品を閲覧したその瞬間にスムーズに購入へと導く施策も必要です。SAP Emarsys Customer Engagementのリアルタイム性やパーソナライゼーションが、とくに活きる分野と言えるでしょう。また、実店舗とECの双方をすでに運営している、もしくはこれからオムニチャネル、OMOを推進したいと考える小売・流通企業、本格的にD2C事業に着手したい企業にもお勧めです。オンラインとオフラインのデータを統合し横断活用することで、さらなる相乗効果を得ることができます」(黛氏)

 SAP Emarsys Customer Engagementのもうひとつの特徴は、スモールスタートな組織でも導入できる柔軟性の高いプランを備えている点にある。One to Oneのアプローチを実現するMAツールは、リソース面だけでなく金銭的にも負担が生じやすい。それにより、導入をためらう企業も少なからず存在するのではないだろうか。SAP Emarsys Customer Engagementはこうした懸念を払拭すべく、最初は必要最低限でスタートしながら成長とともに必要なオプションを追加できるようになっており、企業の長期的な事業成長に寄り添う。

「同ツールは、すでにShopifyなど複数のECプラットフォームとの容易なAPI連携に対応しています。該当するECカートを利用している場合、連携作業そのものは即日で完了し、すぐに分析、施策検討に着手できます。

 現状対応していないECプラットフォームをご利用の場合も、当社がデータ連携や初期構築をサポートします。一度設定すれば、リソースが潤沢でない組織でもマーケティング施策の一元管理や現場の負担軽減を実現できるため、素早く示唆を得て成果につなげたい企業の課題解決に貢献できると考えています」(竹内氏)

竹内氏
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社 デジタルマーケティング部 BtoCマーケティング担当 コンサルタント 竹内昭彦氏

 変化が激しい今の時代、いかに高速なPDCAサイクルを回せるかどうかが、企業の明暗を分けると言っても過言ではない。かつて事業会社のマーケティング部門に所属していた竹内氏は、自身の経験と絡めてSAP Emarsys Customer Engagementの魅力をこう語る。

「事業会社時代に実感したのは、スピーディーに施策を打つことの重要性です。当時は、情シスへ依頼しなければ分析したいデータの抽出ができない状況でした。データが手元に届いた頃には顧客の状況が変わっていることも多く、もどかしさを感じていました。当時の私と同じような境遇の方もまだ多くいらっしゃると思います。こうした方々に、ぜひSAP Emarsys Customer Engagementを使っていただきたいです」(竹内氏)

自走できる組織を目指して支援・伴走するNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション

 いくら高度なMAツールを導入しても、使いこなせないことには自社の課題解決、成果創出にはつながらない。同社はツールを導入するまでの支援だけでなく、将来的に自走可能なマーケティング組織への成長を見据えたサポート体制を用意している。

「SAP Emarsys Customer EngagementはAIがストラテジーやタクティクスを提案してくれますが、それでもセットしたシナリオの効果検証やカスタマージャーニー全体を見渡して足りない施策の追加、チューニングなどは人の手で行う必要があります。当社では、導入後もご担当者様へヒアリングをしながら継続的なサポートを行っています。

 企業が抱える課題や目指すゴールは本当にさまざまです。『どこにゴールを設定すべきか』といった疑問を抱く企業に向けては、カスタマージャーニーの設計やKGIおよびKPI策定、マーケティング活動のロードマップを一緒に作成する機会を設けるなど、スキル育成に向けたトレーニングを実施することもあります。経験豊富なコンサルタントがマーケティング戦略の認識をすり合わせながら、各社の顧客体験向上をお助けしています。併せて、社内システムとの連携や設定したシナリオが意図したように動いているか、突発的な不具合が起きていないかなど、エンジニアによる技術サポートを提供している点も当社の特徴です」(黛氏)

2人

「日々、さまざまな企業の課題をおうかがいしますが、『将来的には自走できるようになりたい』と考えていることがほとんどです。そのため、まずは1年と期間を決めて当社がサポートし、成功体験を積み上げながら翌年以降の体制を検討できるようにするケースが多くなっています。ある程度自走できるようになったらスポットで相談できる機会を設ける体制に移行するなど、柔軟な選択肢をご用意しています」(竹内氏)

 すでに多くの企業が導入・活用を進めているMAツール。しかし、企業と顧客のかかわりかたの変化やチャネルの多様化など、とくにオンラインとオフラインの売り場を取り巻く環境は、コロナ禍を経て大きな変貌を遂げている。こうした環境の変化から生まれた新たな課題を持つ企業に対し、黛氏は最後にこのようにアドバイスをした。

「重ねてになりますが、SAP Emarsys Customer Engagementは『これからEC展開を加速させたい』『すでにMAツールを用いて顧客へアプローチを行っているが、よりスピーディーな施策展開を実現したい』と考えている企業と非常に相性の良いツールです。興味をお持ちの方は、ぜひ一度当社にご相談いただければと思います」(黛氏)

もっとEmarsysについて詳しく知りたい方へ

Emarsysの詳細紹介資料はこちら(NTTコム オンラインのサイトへ遷移します)からダウンロードいただけます。そのほか、自社のマーケティング課題に対してのご相談なども承っておりますのでお気軽にご連絡ください。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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