OMOが小売のスタンダードへ Z世代の約8割が実店舗・EC双方の顧客体験を重視
小売・卸売・倉庫などを中心に、約2万社の事業者に導入されている在庫管理システム「ロジクラ」。同システムはAmazonやShopify、STORESなどのECプラットフォームのほか、ネクストエンジンやCROSS MALLなどの受注管理システムとも連携しており、とくにEC事業者の利用割合が高い。そんな同システムを提供する株式会社ロジクラは、2020年のコロナ禍で経営方針をOMO実現支援へとシフトした。同方針について同社の代表取締役を務める長浜佑樹氏はこう語る。
「コロナ禍では、これまで実店舗だけを運営していた事業者がECに出店するケースも増加しました。また、その中で顧客は、リアルとデジタルの購買チャネル、双方のメリットを理解し、ごく自然に使い分けています。これはアフターコロナの時代になっても変わることはなく、むしろ促進していくでしょう。そしてその先には、OMOが小売の販売形態における新しいスタンダードとなると考え、同販売形態の実現支援に取り組んでいます」
さらに長浜氏は、5年後、10年後にはZ世代が消費のメイン層となることを考えると、OMO実現の重要性をより強く感じると語る。Z世代はデジタルネイティブとも呼ばれており、スマートフォンなどのデジタル機器に幼少期から触れている人も多い。そのため、今後は商品やサービスに関する情報の起点をECやSNSに持ち、興味を持ったものを実店舗で確認するという購買行動がより拡大していくと考えられる。
「Criteoが発表した『Z世代の特徴と傾向』の調査結果では、Z世代の約8割はECの利便性を重視しつつも、実店舗での体験も同程度に大切にしていることがわかります。この世代に的確なアプローチを行うためには、リアルとデジタルの顧客接点を磨き上げ、どのチャネルで購買しても最適な顧客体験を提供できるよう、購買方法の選択肢を広げておく必要があるでしょう」