プラストは、「直近2、3年で売上を維持、または増加している店舗経営者」「売上が減少している店舗経営者」を対象に、「【2024年版】コロナ明けにおける店舗経営」に関する調査を実施した。
同調査結果の詳細は、次のとおり。
コロナ中と比較して“売上増加”した店舗は全体の約4割
まずは売上状況を調査した。
「コロナ中とコロナが明けた現在で比較すると、1ヵ月当たりの売上はどのくらい変化があったか?」と質問したところ、売上を維持または増加した店舗経営者は「+50%以上(43.5%)」という回答がもっとも多く、次いで「変化なし(22.8%)」「+30~49%(20.1%)」「+1~29%(13.6%)」と続いた。
一方、売上が減少した店舗経営者は「-1~29%(70.0%)」という回答がもっとも多く、次いで「-30~49%(20.1%)」「-50%以上(9.9%)」と続いた。
売上が好調な店舗では、30%以上の増加を実現している店舗が2割を超えるという結果となった。
次に「コロナが明けた現在、店舗運営で注力していることは何か?(複数回答可)」と質問したところ、売上を維持または増加した店舗経営者は「リピート促進(40.1%)」という回答がもっとも多く、次いで「新規顧客の獲得(37.5%)」「従業員管理(26.4%)」だった。
一方、売上が減少した店舗経営者は「新規顧客の獲得(46.0%)」という回答がもっとも多く、次いで「リピート促進(43.3%)」「売上管理(26.9%)」だった。
売上が維持または増加した店舗では、リピート促進にもっとも力を入れていることが明らかとなった。
店舗管理や集客を効率化させる方法は、現在も“店舗アプリ”“SNS”が伸びている
「店舗管理や集客のために何か対策をおこなっているか?」と質問したところ、売上を維持または増加した店舗経営者の約8割が「はい(77.2%)」と回答。なお、売上が減少した店舗経営者の約6割が「はい(61.6%)」と回答した。
売上を維持、または増加している店舗では、売上が減少した店舗に比べて店舗管理や集客のための施策をより打ち出していることが判明。対策を講じている店舗とそうでない店舗で明暗が分かれる結果となった。
さらに、対策をおこなっていると回答した人に「店舗管理や集客のためにおこなっている対策は何か?(複数回答可)」と質問したところ、売上を維持または増加した店舗経営者は「SNS(Instagram、TikTok、LINEなど)(47.6%)」という回答が最多で、次いで「店舗アプリ(39.8%)」「HP・LP(37.1%)」と続いた。
一方、売上が減少した店舗経営者は「SNS(Instagram、TikTok、LINEなど)(48.4%)」という回答がもっとも多く、次いで「HP・LP(35.8%)」「店舗アプリ(35.1%)」と回答した。
売上が維持または増加した店舗は、SNSについで店舗アプリを活用していることが明らかとなった。SNSと店舗アプリは連動させやすく、新規顧客獲得やリピート客の増加のための情報発信も積極的におこなうといった対策を講じている様子がうかがえた。
店舗アプリやシステム導入のメリット
「アプリやシステムを利用することによる店舗や本部のメリットは何か?」と質問したところ、売上が維持または増加している店舗経営者は「顧客情報を管理することができる(24.2%)」という回答がもっとも多く、次いで「お得なクーポンなどを配信して集客することができる(19.3%)」「最新の店舗状況を発信することができる(16.6%)」と続いた。
一方、売上が減少した店舗経営者は「顧客情報を管理することができる(24.1%)」という回答がもっとも多く、次いで「最新の店舗状況を発信することができる(17.4%)」「お得なクーポンなどを配信して集客することができる(16.8%)」と続いた。
売上が維持または増加した店舗の約2割が、クーポンを配布して集客に成功していることがうかがえる。
次に、アプリやシステムを導入することのメリットとデメリットをたずねた。
アプリやシステムを導入して良かったこと
- リピートが増えた(40代/男性/東京都)
- 売上推移がわかりやすくなった(40代/男性/福岡県)
- 新規顧客が増えた(50代/男性/埼玉県)
- 売上、集客のアップ(50代/男性/大阪府)
- 生産性の向上(50代/男性/大阪府)
- 若い世代のお客様が増えた(50代/女性/神奈川県)
アプリやシステムを導入して大変だったこと
- 最初にシステムを従業員に浸透させることが大変だった。いつどこにいても情報共有ができるようになったことがよかった(30代/女性/大阪府)
- 慣れるまで、時間を要した(40代/男性/愛知県)
- サイトが重い時がたまにある(50代/男性/岡山県)
- 日々のメンテナンスが大変(60代/男性/大阪府)
- 更新が億劫(60代/女性/東京都)
- アプリ管理に時間を有する(60代/男性/埼玉県)
アプリやシステムは初期費用がかかったり、従業員に浸透させるために労力を要することがあるが、操作に慣れうまく活用できるようになれば、新規顧客の獲得やリピーター促進に効果的であることがうかがえる。また、売上推移が簡単に見える化できるなど、事務的な作業の生産性を上げている様子も見られた。
約9割の経営者が店舗アプリ導入をして良かったと回答
「アプリを導入する前と導入した後の具体的な変化は何か?」と質問したところ、売上が維持または増加した店舗経営者は「新規顧客の獲得数増加(26.8%)」という回答がもっとも多く、次いで「顧客ニーズの明確化(21.0%)」「お問い合わせの増加(19.8%)」という結果となった。
また、売上が減少した店舗経営者は「新規顧客の獲得数増加(23.7%)」という回答がもっとも多く、次いで「お問い合わせの増加(20.9%)」「顧客ニーズの明確化(19.6%)」となった。
売上が好調な店舗、不調な店舗ともに、店舗アプリによって新規顧客の獲得数増や顧客ニーズの明確化、問い合わせの増加といった結果が出ていることが示された。
さらに、集客対策で「店舗アプリ」と回答した人に「店舗アプリを導入して良かったと思うか?」と質問したところ、「とても思う(54.7%)」「やや思う(39.1%)」「あまり思わない(6.2%)」「まったく思わない(0.0%)」という回答結果に。集客対策で店舗アプリを導入している店舗経営者の9割以上が、「店舗アプリを導入して良かった」と感じていることが明らかとなった。
今後注力したいのは「SNS」と「店舗アプリ」が多数
「店舗管理や集客の対策として、今後注力したいものは何か?(複数回答可)」と質問したところ、売上が維持または増加した店舗経営者は「SNS(Instagram、TikTok、LINEなど)(38.4%)」という回答がもっとも多く、「店舗アプリ(36.2%)」「HP・LP(33.0%)」と続いた。この順番は、売上が減少した店舗経営者においても同様となっている。
最後に「アプリやシステムにどのような機能を求めるか?(上位3つまで)」と質問したところ、売上が維持または増加した店舗経営者は「クーポン(21.3%)」という回答がもっとも多く、次いで「メルマガ配信(20.0%)」「売上分析(19.6%)」と回答。
売上が減少した店舗経営者は「クーポン(28.5%)」という回答がもっとも多く、「売上分析(24.2%)」「メルマガ配信(20.9%)」と続いた。メルマガでリピーターを育てたいと考える経営者が多いことがうかがえる。
調査概要
- 調査期間:2024年1月19日~2024年1月22日
- 調査対象:①直近2、3年で売上を維持、または増加している店舗経営者 ②売上が減少している店舗経営者
- 調査人数:1,044人(①531人 ②513人)
- 調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「PRIZMA」によるインターネット調査
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ