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2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス

上場企業のGA4移行率は? 移行時の注意点と最適なタイミングをプリンシプル山田さんと考える

 2020年10月に登場した「Google アナリティクス4(以下GA4)」。まもなくリリースから半年が経過するが、現時点で未移行の企業・ブランドにとっては、他社の動向やいつ頃移行すべきかが気になるところではないだろうか。今回は、株式会社プリンシプル チーフテクノロジーマネージャーの山田さんに、GA4の現状と移行前に念頭に置くべきこと、分析データ活用のこれからについて聞いた。

早期のGA4移行でメリットを享受できるのは誰? 3つのポイントから判断を

――GA4の特徴と、リリースからおよそ半年間の動きを踏まえ、現時点で導入を進めるべきか否かを単刀直入に教えてください。

山田(プリンシプル) Googleは、GA4を「Google アナリティクスの新バージョン」という位置づけで発表していますが、私自身は、まったくの別物と思ったほうがよいと考えています。

 まず大きな特徴としては、主軸となる計測概念がセッションからイベントへと変化している点です。セッション数そのものはGA4にも指標として存在しますが、計測概念の変化にともない、すでに平均セッション時間、セッションベースのコンバージョン率や直帰率、ランディングページや離脱ページなどのディメンションは、見ることができなくなっています。とくに直帰率は、これまでウェブサイトの磨き込みをする際に役立てていた方も多いはずなので、戸惑いを感じるかもしれません。新しくなったからと慌てて移行すると、これまで見ていた数値が計測できず、評価や施策の判断が適切にできなくなってしまう恐れもあるため、注意が必要です。

 なお、GA4はリリースから約半年経った現時点で、すでに複数回アップデートを行っています。まだ開発途上の段階であるため、「規模の大きなサイトでどのように導入するのが良いか」や「どのようにGA4を活用するべきなのか」に対するベストプラクティスも定まっていない状況です。今後、半年から1年程度はGA4の機能アップデートが続くとみられているため、1年程度はこうした状況が続くでしょう。

 これらを踏まえた上で、私からは「メリットをひとつでも享受できるのであれば導入を勧めたいが、無理に今移行する必要はない。半年から1年ほどは、引き続き動向を注視しても乗り遅れることはない」とお伝えしたいです。

株式会社プリンシプル チーフテクノロジーマネージャー 山田良太さん

――導入の決め手となるメリットとは、どのようなものでしょうか?

山田 GA4の新機能や特徴を踏まえた上で、3つのメリットがあると私は考えています。

 まず、GA4では、ウェブサイトとアプリの分析をまとめて行えるようになりました。従来は、ウェブサイトの分析はGoogle アナリティクスで、アプリの分析はFirebaseで、といったように別々のツールを使用する必要があり、スムーズに比較検討するのが難しい状況でした。ウェブサイトとアプリ双方でサービス提供を行う企業・ブランドは、GA4に移行すれば既存業務の効率化を図ることができます。これがひとつめのメリットです。

 ふたつめのメリットは、BigQueryが無料版でも活用できる点にあります。これまでは有料版の「Google アナリティクス 360」の導入が必須でしたが、事業規模や予算の有無にかかわらずデータを利活用できるのは、大きな変化と言えるでしょう。ウェブのアクセスデータと自社の顧客データをBigQueryで統合しレポートを作成したい、など活用イメージを持っており、かつ技術的にもそれらを推進できる可能性がある場合は早めに移行し、データを蓄積すればするほどメリットを享受することができます。

 3つめにお伝えしたいのは、リリースして約半年と日が浅いこともあり、まだGA4の上級プレイヤーは存在しないという現状です。つまり今のうちに導入し、成果を出すことができれば、アーリーアダプターとして業界をけん引する存在になることも夢ではありません。これは、事業会社よりも広告やコンサルティングを手掛ける方にとってのメリットと言えますが、これら3つのうちいずれかに合致するようであれば、早期のGA4移行を検討する価値はあると言えます。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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