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季刊ECzine vol.16定点観測

分析データありきのDX推進はNG 正しい手順で成功に導こう

 EC事業者がおさえておきたい、13のテクノロジー関連トピックスの「定点観測」。プリンシプル木田さんに、分析について聞きました。 ※本記事は、2021年3月25日刊行の『季刊ECzine vol.16』に掲載したものです。

DXを成功に導く「リターンドリブンDX」とは

 2020年から2021年にかけて、さまざまな場所で見聞きする機会が増えた「デジタルトランスフォーメーション(DX)」というキーワード。デジタルツール活用やオンラインでのビジネスにも注目が集まり、DXを推進すべく新たな役割を与えられた人も少なからずいるのではないだろうか。

 しかし、「『DX推進をする』という目標ありきで進めてしまうのは、NGです」と木田さんは警鐘を鳴らす。

「DXを推進するにあたり、データ整備は非常に重要です。ところが、『データ整備』『データ蓄積』『データ統合』の順に進めようとすることは、失敗の原因にもなり得ます。まずは『自社にとってのDXとは何なのか』と定義をするところから始めることをお勧めします」

 木田さんは、DXを成功に導くために「リターンドリブンDX(ベネフィットドリブンDX)」というコンセプトを提唱する。定義としては、次の通りだ。

  1. それまでにつないでいなかったデータを使い
  2. それまでの業務を変革することで
  3. 社内外に受益者を生むこと

 つまり、DXは「データによるトランスフォーメーション」であり、いくらデータを活用したりつないだりしても、「そこに受益者がいなければDXではない」と木田さんは言う。

「持っているデータをCDP(Customer Data Platform)にまとめれば、誰かしらがうまく使ってくれるだろう。このような考えかたではうまくいきません。DX推進は、関係部署を積極的に巻き込んでいく必要があります。多くの人にかかわってもらう以上、途中で軸を大きくぶらしてはいけませんし、きちんと関連する人たちにメリットを提供しなくてはなりません」

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