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ECzine Day 2024 June

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ECホットトピックス

人の創造力を活かすAI活用を考えよう 過剰在庫予防に挑むオークファンが考える「旬」を逃さない売りかた

 天候不順や新型コロナウイルス感染症の流行など、予期せぬ事態が続く昨今。ものを仕入れ、販売することで利益を得る小売企業にとって、抱えた在庫をどのようにして利益に変えていくかは課題のひとつと言えよう。在庫の現状を客観視し、適切な販売方法を見出すにはいったい何を行うべきなのだろうか。在庫管理AI「zaicoban」を提供する株式会社オークファンの田島さんに話を聞いた。

進む販売チャネルの拡充 成功の秘訣は「在庫の適正管理」

 小売のデジタル化が一挙に進んだ2020年。実店舗を事業の主軸と携える企業も自社EC、モールなどへと販売チャネルを広げ、顧客との接点を増やす動きが見られている。

 販売チャネルが増えることで課題として噴出するのが、在庫の適正管理だ。賞味期限や消費期限が定められている商品はもちろんのこと、そのほかの商品においても「旬」と呼ばれる時期は存在する。販売機会を逃した在庫の多くは廃棄の道をたどり、日本国内では年間およそ22兆円もの価値がある商品が捨てられていると言われている(財務総合研究所「法人企業統計」を基にオークファンが試算)。

 こうした在庫の課題に対し、デジタルの力を使って負の解消に挑むのが、オークファンだ。「ヤフオク!」のオークションログを基にした相場比較メディア「aucfan.com」の運営を行う中で得た発見を基に、在庫管理AI「zaicoban」を2020年4月にリリースしている。どのような経緯で同製品の開発に至ったのか、これからの小売に求められるデジタル活用の方法を同社で執行役員・ソリューション第一事業部 部長を務める田島さんに聞いた。

株式会社オークファン 執行役員・ソリューション第一事業部 部長 田島宜幸さん

GDPの4~5%が毎年廃棄に 現状を可視化し健全な企業経営をサポート

 オークファンは、2007年6月に創業。当時、過去の商品落札データを蓄積・公開していなかった「Yahoo!オークション(現在はヤフオク!)」からデータを独自に収集し、商品の仕入れや値つけの指標をリサイクル業者などへ提示するサービスを展開するところから事業をスタートさせた。そこからBtoB卸プラットフォーム、EC一括運営効率化ツール、社会貢献型ECサイトの展開など、着々と事業拡大を続けている。

 事業を広げる中で「『在庫の流動化』をメインに据え、多くの企業が抱える過剰在庫に対する悩みをデータやソリューションで解決したいと考えるようになった」と田島さんは語る。

「当社試算のデータによると、年間22兆円もの価値ある商品が企業によって廃棄されています。これは日本のGDPのおよそ4~5%に値する額です。一見すると無駄に見える在庫も、求めている人に適正な価格で販売することができれば売上を増やすことができますし、廃棄量の削減も実現できます。この両立が小売の新たな可能性につながると考え、zaicobanの開発に至りました」

 同社の強みは、なんと言ってもデータの保有量だ。デジタルとリアル、BtoBからBtoC、CtoCまで、チャネルやビジネス形態を問わず価格・流通量を把握しているが、とくにヤフオク!やメルカリなどCtoC領域の商品実売データベースの保有量には自信があると言う。

「当社の事業は、医療になぞらえると『診断』『治療』『予防』の3つの領域に分けることができます。zaicobanでは、過剰在庫を病巣ととらえた際に病がどこまで進行しているのか、どういった治療を施す必要があるのかを診断することに加え、過剰在庫が発生する前の段階で策を講じて予防できるよう、社内外のデータを活用した現状の見える化を行っています。現在販売している商品が過剰在庫に陥るリスクはどの程度のものなのか、リスクがある商品については、店舗間移動や販売チャネルの変更などで状況改善できるものなのか、多少赤字になったとしても2次流通業者などに販売すべきものなのか。視覚的に判断できるレポート画面で提示し、企業の経営をサポートしています」

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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