記事種別

必要なのは人とのつながりと体験の充実化 中国で流行するソーシャルコマースプラットフォームを徹底解剖

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

都会の女性に人気 中国最大規模のソーシャルコマースプラットフォーム「RED」

 「RED(小红书:シャオホンシュー)」は、「世界中の良いものが見つかる」をメインコンセプトとしている、中国最大規模のソーシャルコマースプラットフォームです。レビュー投稿型のSNSで、コスメ・ファッション・旅行・グルメなど、さまざまな体験が写真や動画を交えて投稿できるとともに、アプリ内で商品をそのまま購入することもできます。

 REDのリリースは、2013年6月。2019年7月にはユーザー数が3億人を突破し、MAUは1億人を超えました。ユーザーの70%を「90後」と呼ばれる90年代以降生まれのミレニアル世代・Z世代が占めており、主に都会の女性に人気のあるアプリです。

1. ソーシャル要素とECとの結びつき

 REDでは、Instagramのような投稿フィードとAmazonのようなECページがタブで切り分けられており、ユーザーが混乱せずに欲しい情報へたどりつくことができるよう、UIも工夫されています。

左はソーシャルタブ、右はECタブのイメージ図

 各投稿には、誰でも容易に商品情報を紐づけることができ、いかに認知から購入へつなげるかを重視しています。クチコミを得たアプリ内でユーザーにそのまま購入してもらう仕組み作りは、ソーシャルコマースプラットフォームにとって非常に重要であると同時に、大きな課題にもなっています。

 REDはこうした課題に対し、アプリ内で運営する自社EC「福利社(フーリーシェー)」にてブランドの真贋を保証する取り組みを行っています。中国では70%以上の消費者が日常的にECで買い物をする反面、偽物や粗悪品が紛れ込んでいることも多く、EC上では真贋を見分けることが難しいケースも多々あります。REDでは「官方自营(グァンファンズーイン:中国語で『公式直営』を指す)」というラベルをつけ、偽物だった場合は10倍の値段での返金を約束することによって、ユーザーに対して安全性や品質の高さをアピールし、安価な商品・個人出店の多い他社ECサイトと差別化を行っています。

2. ユニークな機能

 REDで注目すべきユニークな機能は、ふたつあります。ひとつめは、ソーシャルコマースの中核とも言える、商品に紐づくクチコミ機能です。REDではユーザーが投稿したクチコミの内容を解析し、自動でタグの付与を行っています。これにより、ユーザーは膨大なクチコミの中から自身が気になるテーマを容易に見つけ出すことが可能です。また、クチコミを基に商品の好評率をパーセンテージで表示し、商品の人気度や満足度をわかりやすく可視化しています。

 また、投稿に商品を紐づけるのみならず、クチコミから同一商品に関するユーザーの投稿を閲覧できる機能が備わっている点も特徴と言えます。クチコミとユーザーの投稿がスムーズに結びつくことで、商品をより多角的に眺めることが可能です。

 ふたつめのユニークな機能は、タイムセールのUIです。REDではタイムセールの専用ページを設け、セール商品を日ごとにすべて閲覧できるようにしています。同ページでとくにユニークな点は、タイムリミットと在庫数の可視化です。常にカウントダウンタイマーを表示させ、総在庫数のうち何パーセントが売れたのかをグラフ化して示すことで、セールの臨場感を演出し、購入の後押しをしています。REDのタイムセールは、高価な商品が定価の3割以下で購入できるなど、ユーザーがお得に買い物できる重要な機会となっています。毎日チェックしてもらえるような工夫を施すことで、MAUを伸ばしているのです。

3. インフルエンサー戦略

 人軸での買い物習慣がある中国では、とくに著名人やインフルエンサーの投稿が一般ユーザーの購買に直結します。REDでは、ユーザーの投稿数・フォロワー数・いいねされた数・ライブ配信本数に応じて10段階のユーザーランクをつけ、影響力の規模をわかりやすく示しています。ランクが上がれば上がるほどトップページのおすすめ欄に表示されやすくなり、それにともなってフォロワーの増加率も上昇します。

 また、企業とタイアップを行い収益を得るにはフォロワー5,000人以上、自身のライブ配信に商品を紐づけ、視聴者が配信経由で購入した際のマージンを受け取るにはフォロワー1,000人以上などと、詳細なルールが設けられています。ユーザーの投稿モチベーションを上げることで、多くのインフルエンサーの卵が育つとともに、著名人やKOLもREDを進んで利用する。そのような工夫が施されているのです。

 多くのKOLがREDを活用すれば、必然的に一般ユーザーのインプレッション数も増加するサイクルが生まれます。また、ユーザーランクの可視化は初見のユーザーでもインフルエンサーの認知度を確認できる上、インフルエンサーの信用性を判断する材料としても活用可能です。個人がメディアとなってマネタイズできる仕組みは、Z世代を中心に今後もあらゆるソーシャルアプリに根づいていくと考えられます。


  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • プッシュ通知を受け取る

バックナンバー

連載:Z世代のZOZOテク社員が語る 中国EC最新トレンド

2016年02月の人気記事ランキング

All contents copyright © 2013-2021 Shoeisha Co., Ltd. All rights reserved. ver.1.5