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物流倉庫で押さえるべき基本の「き」 保管のフロー改善でEC化率上昇と売上増に対応すべし

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入庫した商品はすぐに在庫計上 販売機会損失は悪循環の引き金に

 検収・入庫の作業を終えた後にすぐに取りかかるべき作業は、システムへの在庫計上です。これを行わないことには、顧客に商品の存在を認識してもらえませんので、なるべく早く販売できる状態にすることが、今回のいちばんの勘どころと言えます。

 入庫エリアに商品がどんどん積まれているが、発送作業に追われ在庫計上にまで手が回らない。物量が増えると、このような課題に直面することも多々あります。しかし、忙しさにかまけて在庫計上を後回しにすることは、自ら機会損失を招いていることと同義です。

 ここで、在庫計上が遅れるとどのようなことが起きるか考えてみましょう。雑貨や定番品など、季節を通して売ることができるものであれば話は別ですが、アパレルや食品などは「商品の鮮度」が命です。水着は夏が終わるまでに売り切らなければなりませんし、食品には賞味期限が存在します。売るタイミングを逃した商品は「不良在庫」と呼ばれ、売り切るためにセールをする、もしくはやむを得ず廃棄することになってしまいます。

 在庫は「売るための資産」であると同時に、倉庫で場所を取る以上、保管費という名のコストも発生するもの。企業・ブランドの商品担当やマーケティング担当の方は、日々画面上の数字で在庫数を把握しているはずですが、倉庫に存在するだけでコストが発生している点にまで目を向けている人は、少ないように感じられます。

 私は、皆さんによく「倉庫を見に行ったほうがいいですよ」とお伝えしています。自身が担当する商品が倉庫内でどれだけのスペースを取っているのか。実際に自分の目で確認すると驚くはずです。「これだけのスペースを占拠しているのなら、売りかたを見直すなどの工夫を行おう」などと、施策を考えるきっかけにもなるはずです。

 倉庫の場合、売れ残っている商品が売れる商品の出荷の邪魔をしてしまうといったケースも多々見られます。面積や棚数には限界があるため、「売れる商品に棚数を割きたい」「売れる商品はピックアップしやすい棚に置いて、効率良く出荷作業ができるようにしたい」と考え、現場はオペレーションの工夫を施しているはずです。しかし、倉庫内で商品の配置を変えるにも、一定の余白を要します。余白がない倉庫では、パズルのようにものを動かさなくてはならず、業務改善を行うことすらままならなくなってしまいます。

 私は経験を踏まえた上で、こうした悪循環に陥らないためにも、倉庫には1~2割程度の余白を残すのが良いと考えています。保管庫はまだしも、ECの配送センターは過剰在庫に陥らないよう、物量をコントロールすることも必要です。ECの物流はスループットが大切で、入荷した商品がすぐに出ていく状態が健全です。早く在庫化することも重要ですが、速やかに出荷することにも意識を向けたいですね。


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