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「僕の仕事は牧羊犬」 クラシコム青木さんがマネジメント論と短編ドラマの裏側を語る

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 コメ兵の藤原さんが、一見ECとは関係ないようにも見える人たちやECど真ん中の人たちとお話しすることで、EC、そして「オムニチャネルの次」を探そうという趣旨の対談シリーズ。第3回は、「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムの代表取締役 青木耕平さんが登場です。

フィジカルで勝負をしない、青木さん流ビジネスの戦い方

クラシコム・青木耕平さん(左)/コメ兵・藤原義昭さん(右)
クラシコム・青木耕平さん(左)/コメ兵・藤原義昭さん(右)

藤原 色々なメディアで語られている通り、「北欧、暮らしの道具店」は素晴らしいお店だと思いますが、青木さんと話をしていると、もっと奥底になにか違う強さがあるからこそ多くの人に愛されているのではないかとずっと感じていました。計算されたものと計算されないもののが絶妙なバランスで共存している。それが、いつもすごいなと思っています。今回は何をやってきたかということよりも、ビジネスとしてのクラシコムや、青木さんのビジネス観についてお伺いできたらと思っています。これも以前から思っていたことなんですが、青木さんって逆張りが好きですよね。

青木 本当はあんまりよくないと思うんですけど、それはやっぱり性質としてありますね。確率論でいうと、順張りが絶対原則だっていうことも認識しているんですが、どうしてもそっちにいってしまうのはいまのところ変えられないですね。

というのも、順張りで進んでいって、競争に巻き込まれたら勝てる自信がないんですよ。サッカーでいうと、フィジカルが弱くてフィジカルコンタクトに巻き込まれたらまずいから、先を読んでコンタクトをしなくていいように動く、みたいな。僕が逆張りなのは根本的に、個としてのフィジカルの能力や頭の良さ、メンタルの強さとか、そういう、いちビジネスパーソンとして見た時の自分のフィジカルが弱いっていう意識がすごく強いからなんです。どうやったらフィジカルコンタクトが起こる前に、勝負がきまる戦い方ができるかと考えるのが、子供の頃からの癖になっていて。このままいくと、フィジカルコンタクトが起こるなというときは、かなり早い段階で察知して、「大丈夫、もうここは譲るから」ってなっちゃうんですよね。

藤原 真正面から体当たりをするんじゃなくて、なにか他に手はないかなと。

青木 だからビジネスを始めてから、本当にフィジカルコンタクトで勝ちきったなという実感は1回もないです。誰も来ないところにいって、みんながめんどくせぇなって思うようなことをやってなんとかする、というような。

だから、収支をどうあわせるかはそんなに見えていないけれど、とにかく今はいくぞ、というタイプの経営は僕にはできないです。それよりも、小さく色々なことを試していると、その中に軽くやっているのに上手くいっちゃうもの、っていうのが出てくるんです。小さく始めて上手くいったものって、もっとしっかり取り組んだらめちゃくちゃ上手くいくかもしれない。でも、上手くいかないのに一生懸命頑張って、それでようやく軌道に乗せられるようなものって、ずっと頑張り続けるなんてことは難しいから、結局その先はあまり伸びないんですよね。

創業してから一貫して気をつけているのは、初期に頑張りすぎないということ。初期に頑張ってしまうと、その仮説が正しくて上手くいったのか、ある個人の能力や頑張りで軌道に乗ったのかがわからなくなっちゃうと思うんです。

ほとんどのことは、基本的にまず上手くいきません。かと思えば、絶対こんなの意味ないじゃん、と思って始めたことが良かったりする。僕らでいうInstagramがまさにそれです。今では売上の大きな柱になっていますが、最初にやりたいって言ったスタッフに僕は、やっても仕方ないよって言ったんです。シェアできる仕組みもないし、リンクも貼れないし、友だち同士で交換するだけのシステムだから、そんなの企業が参入する意味ないよ、とか言って。でもどうしてもやりたいって言うんで、しょうがないからやらせてみたんです。それで、1年くらいたったときに、ちゃんとアナリティクスを見てみたら、すでに売上の8%を支えていた。これはやばい!って思ってスタッフに、「Instagramは今日からうちのトップページだと思って運営しよう」って急に(笑)。

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連載:コメ兵・藤原の「オムニチャネルの次の話をしよう」

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