チェックインやイベント連動など
実店舗を持つ企業のアプリ続々
1月に大阪オフィスを開設し、事業を拡大しているヤプリ。同社が提供する、ブラウザで手軽にアプリを制作できるサービスへのニーズの高まりが感じられる。2017年10月には北日本銀行が個人の顧客に残高・取引明細照会、店舗ATM情報検索、各種情報の発信等を提供するアプリがリリース。同じく10月にはサマンサタバサジャパンリミテッドの、12月には伊藤忠商事の2019年卒業見込みの学生へ向けた就活支援ツールとしてのアプリがリリース。企業がさまざまな目的で、アプリを活用しようとしている動きが見て取れる。
「やはりご要望が多いのは、実店舗をお持ちの企業のポイントカード。紙でポイントカードをやっていなかったところでも、アプリでポイントカードを持ちたいというご要望をいただきます。ヤプリではここのところ、商業施設の導入も増えており、2018年はさらにアパレル企業のアプリのリリースが相次ぐと思います」
代表例では2017年12月にヤプリが手がけ、リリースした「SHIBUYA109公式アプリ」がある。クーポンや施設案内のほか、コーディネートやニュースなどコンテンツの閲覧も可能になっている。アパレルはそもそも、季節ごとにアイテムが入れ替わることから、コンテンツの更新がマメにできるヤプリの強みが活かされやすい。SHIBUYA109は複数ブランドを持ち、かつ、インフルエンサーが有名だ。各ブランドはもちろん、ユーザーがどのように活用し、最終的に売上につながるのか、期待が大きい。
●SHIBUYA109公式アプリの主な機能
-
SHIBUYA109館内のお知らせ
(新店舗情報、キャンペーン情報など) - 施設案内(ショップ検索/フロアガイド)
- ショップスタッフやコーディネートの紹介企画
- 館内ブランド最新情報やクーポン配信
-
SHIBUYA109公式ニュースサイト
「109ニュース シブヤ編集部」の閲覧 - 館内配布カタログ、タブロイド紙の閲覧
「位置情報(GPS)を使ったチェックイン機能を開発中です。無印良品様のアプリが一躍有名になったのは、このチェックイン機能によるところも大きいと思いますが、実店舗をお持ちの企業さんから同様の取り組みをしたいというご要望をいただくことが多いです。来店計測にもなりますし、顧客エンゲージメント向上に役立つと考えています」
少し変わったところでは、大きなイベントにあわせたショールーミング用の機能の開発にも携わった。
「バーコードやQRコードを読み取れる機能を使い、イベント限定商品をECサイトで購入していただく取り組みや、試着だけを店頭で行い実際の購入はECサイトで行う活用例などが出ています。通常と異なる販売方法のため、新しい顧客体験を提供できるのではないでしょうか」