ショッピング広告の活用は当たり前に Googleが自動化を支援
検索結果の上部に、画像つきで表示されるショッピング広告。商品データベースをフィード化し、頻度高く更新するためにはテクノロジーの知識が必要になるため、先進企業のものと思われがちだったが、2016年に一般化し、2017年以降は「当たり前の施策になる」と岡田さんは言う。
日本でも以前から、ショッピング広告への出稿のニーズは高く、広告掲載面の不足が懸念されていた。それに対しGoogleは画像検索への表示や、他メディアとのパートナー提携により、ショッピング広告の掲載面を拡大していった。いまや、広告商品として出稿をためらうような課題は、解決されている。
ショッピング広告に表示される画像の中には、バナーのように「送料無料」といったコピーが入ったものを見かけることもある。進んでいる企業は、ショッピング広告用にクリエイティブも最適化しているわけだ。
「以前は、数ある施策のうちのひとつという認識でしたが、いまやショッピング広告は、EC事業者にとってメインとなる施策です」
ネックとなるテクノロジー面では、Googleによる自動化の支援が進むだろうと岡田さんは予測する。
「動的リマーケティングは、商品ページごとに個別のパラメータを設定する必要があるため、対応できていない企業が多かったのですが、今後はそうしたタグ設定を行わなくても、Googleがマーチャントセンター(商品データフィードを格納する場所)から画像を自動的に引っ張ってきて、擬似的な動的リマーケティングを行ってくれるようになると思います。商品データフィードを整備することで、採れる施策の幅が自動的に広がっていくようになると思います」
アメリカのサイバーマンデー等、年末セールの広告出稿状況を見ると※、大手ECの過半数が、テキスト広告よりもショッピング広告に注力している傾向がわかると言う。
「これからは日本のEC事業者も、ショッピング広告に予算をシフトしていくでしょう。これまでメインだった施策は、なくなりはしないでしょうが、優先順位が変わってきます」
実際、多くの人が検索する「ビッグワード」で検索してみると、検索結果にショッピング広告は表示されるものの、テキスト広告は表示されないといったことも起きている。
「割にあわないから、出稿を見合わせるようになっていくわけです。これからビッグワードでの出稿は、多くがショッピング広告に置き換わっていくのではないでしょうか。EC事業者にとっては、『キーワードをたくさん入れる』といった作業が減り、商品ページを充実させるといった他の仕事に時間を割けるようになります」
※原典:From Black Friday to Cyber Week: Winter Holiday 2016 Ad Trends
解説:2016冬のバーゲンシーズンはショッピング広告がテキスト広告を逆転。予算シフトはほぼ完了か。