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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2017 Spring レポート(AD)

多角的な視点で「売れる商品」を見極める 先進的な日系企業が取り組むデータを活用したEC攻略法

4P分析×3C分析による戦略の組み立て方

 では具体的に、どのようなデータ活用が行われているのか。蘇氏は続いて、中国の事例とともに、実際のデータの活用方法を紹介した。同社のデータ活用の方法論は、4P分析と3C分析の掛け合わせだ。

天猫/淘宝のイヤフォン・ヘッドフォンカテゴリー規模推移(2014年~2016年)
天猫/淘宝のイヤフォン・ヘッドフォンカテゴリー規模推移(2014年~2016年)

 4Pは、マーケット/ショップ(Place)、商品(Product)、価格(Price)、広告(Promotion)、3C自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)となる。

イヤフォン・ヘッドフォンにおける主要ブランドのシェア・成長分析(2015年~2016年):1

 事例として取り上げたのは、Sonyのイヤフォン・ヘッドフォンカテゴリー。天猫と淘宝の分析から、ベンチマークする競合と比較した上で、EC戦略を練るというのが課題だ。まずはマーケット(Place)の3C分析を行う。市場規模の推移、自社および競合ブランドのシェアと成長率、天猫と淘宝のシェアと成長率を比較分析する。

イヤフォン・ヘッドフォンにおける主要ブランドのシェア・成長分析(2015年~2016年):2
イヤフォン・ヘッドフォンにおける主要ブランドのシェア・成長分析(2015年~2016年):2

 これらから導き出される結論は以下だ。

  • イヤフォン・ヘッドフォン市場は引き続き伸長しており、中でも天猫の成長が目覚ましい。
  • 競合に比べSONYの市場成長率は高く、前年度シェア4位から2位となった。
  • ただし1位ブランドとの差は大きく、とくに市場成長が見込める天猫において1位の競合ブランドよりSONYの成長率が低い点は課題。
  • 新たな脅威として、2ブランドが大きく成長しているので、今後の動向には要注目。

 続いてショップ(Place)、価格(Price)、商品(Product)、広告(Promotion)、つまり4Pに関して、3C分析を行っていく。

自社ショップ売上分析(2016年)

 ショップ(Place)の分析では、ブランド売上全体に対する自社ショップ売上の構成比が、競合ブランドに比べ低いことがわかった。

価格帯分析(2016年)
価格帯分析(2016年)

 価格(Price)の比較・分析では、500〜999元と、2000〜2999元の価格帯において、とくに競合ブランドとの差異が大きくなっていた。

商品分析(2016年)
商品分析(2016年)

 商品(Product)では、耳掛け式の商品で、とくに競合との差が大きいことがわかった。

 広告(Promotion)では、競合ブランドがモールのショッピングイベントに合わせて大幅に売上を伸ばしていることに着目し、イベント前後の対応を確認した。「我々のツールを使えば、出稿先やクリエイティブなどのすべての広告内容と、価格調整の実態を確認することができます」と蘇氏。競合ブランドの動きを見てみると、イベントに合わせた積極的な広告露出と価格変更を行い、年間売上のヤマを作っていることがわかった。

 「このような4P分析と3C分析により、どこを優先して戦略を練ればいいか、客観的なデータから判断していただけるようになります

アドウェイズのECデータサービス「Nint」

 最後に、日本で展開するNintのサービスを使った簡単なデモが行われた。

 まずはメーカー、小売向けの「Nint for Researchを使って、楽天市場のデータを見ていく。Nintのツールを使うことで、カテゴリー別の市場規模のほか、1カテゴリー内の1〜151位までの各商品の売上高や平均単価などを確認できる。また1〜100位までの人気ショップの売上高、トップ20のメーカーの売上高、売れている価格帯や顧客の年齢層・性別なども見ることができる。

 人気ショップをより詳しく調べたければ、ショップ分析を行う「Nint for Ecommerceで、ショップの全商品の価格や売上高を、1日単位や月単位などで確認できる。広告分析の画面では、たとえば楽天スーパーセールの日に、あるショップがどんな対応をしたか、広告出稿やクリエイティブの内容、価格やポイント、商品名の変更といった詳細まで確認でき、それがどう売上につながっているかを分析できる、と説明した。

 最後に蘇氏は、セミナー全体を振り返り、下記のように締めくくった。

 「先ほどもご紹介したとおり、中国のEC化率が5%を超えた段階で、多くの企業様がEC販売データに対して興味を持ち、結果を出してきました。日本のEC化率も高まってきておりますので、EC販売データに興味を持っていただけたらと思います」

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この記事の著者

松岡 亜希(マツオカ アキ)

フリーランスのライター&エディター。出版社勤務を経て独立。雑誌、書籍、Webサイト、企業広報などさまざまな分野で活動中。● http://pubapart.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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