決済のグローバルスタンダード「PayPal」の中小事業者支援
続いて、川連さんと『中小EC企業向け2016年EC戦略白書』を共同制作したPayPalから、SMBセグメント統括兼戦略統括部長 白石貴志さんが登壇。
ユーザーが利用する際は、メールアドレスとパスワードを入力するだけのシンプルな仕組みで、決済のグローバル・スタンダードとして浸透。アクティブアカウントが1.8億、年間取扱高は30兆円に上っていることを紹介した。日本では、デジタルコンテンツや物販のECサイトはもちろん、クラウドソーシングやインバウンド観光関連で旅行会社にも導入されている。
白書でクローズアップした「カゴ落ち」について、PayPalではテクノロジーを活用したサービスで事業者を支援する。
「ひとつめは、API型決済システム『エクスプレスチェックアウト』。カート付近にある『PayPalで支払う』ボタンをクリックすると、アカウントに紐付いた配送先等の情報が自動で表示される仕組みです。入力の手間を省くことで、カゴ落ち対策になります。
もうひとつは『ワンタッチ』。同一ユーザーがあるデバイス(例:モバイル)でログインすると、別のデバイス(例:PC)で決済する際は、ログインの手間が省ける仕組みです。日本では現状、一部に限定しての公開となっていますが、1、2ヶ月ほどで本格展開していく予定です」
このように最新テクノロジーを活用したプロダクトもPayPalの魅力のひとつだが、セキュリティや導入、そしてキャッシュフローなどインフラ的な視点からも、今回、白書の対象としている中小のEC事業者にとっては注目の存在なのだ。
「まず、セキュリティについて。PayPalを利用すれば、そもそもショップさんがカード情報を持つ必要がないので安全です。加えて、18年の歴史で培った不正検知のアルゴリズムや、2,000人の監視部隊が24時間監視することによって、堅固なセキュリティ環境を維持。万一不正取引が発生した場合も、保護ポリシーの対象であればPayPalが無償で補償しています。
また、導入時には加盟店審査といったフローはなく、本人確認手続きのみ、初期費用もいただかず、広い間口を実現しています。さらに、キャッシュフローについては、月末締め○日後支払いといったサイトではなく、PayPalアカウントへの着金は即、銀行口座へも3~5営業日以内となっています。PayPal自身もスタートアップ企業ですから、中小規模の事業者さんを、こうした新たなプロダクトと仕組みで盛り立てていきたいと考えています」
中小EC企業向け2016年EC戦略白書
JECCICAとPayPalが共同で制作。2015年10月、一般ユーザー2万人、ECサイト1,000店舗を対象にインターネット調査を実施した。詳細・ダウンロードはこちら。
[目次]
●第1章 ECサイトの利用動向
●第2章 「囲い込み戦略」のほころびから見えてくる新戦略
●第3章 モバイルシフトがEC戦略にもたらす影響