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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

「実店舗ありきのEC事業」は何でもやんなきゃダメ

これがあれば揺らがない!実店舗ありきのEC担当者が持っておくべき6つの心得

業種は違っても、共通する「ECの本質」は必ずある! そして、「実店舗ありきのEC」の事例やノウハウは意外と少ない。メガネスーパー、クレッジ(現オルケス)の実店舗が主軸にある2社にわたり、短期間でEC事業を売上2倍にしてきたノウハウを公開します。思ったほどECが伸びていない、なかなか社内を巻き込めない企業のEC担当者は必見!

トレンドに振り回されていませんか? ECの本質、6つの心得

 前回は、EC売上アップのための方程式をご紹介しましたが、これは商売全般にも使える戦略の軸だと考えています。今回はさらに、EC事業特有の、本質的な6つの心得をご紹介します。

6つの心得

  1. 「EC=小売」がスタートであり終着点
  2. 予算は自ら作れ(PLベースで)! 週次予算でPDCA!
  3. EC内製=直営店、 ECアウトソース=フランチャイズ
  4. システムリプレイスや顧客情報・ポイント統合だけで売上アップしない! リプレイスは減ると思え!
  5. 「実力で売っているサイト」と「ブランドで売れているサイト」は違う!
  6. ECの決め手は、社内ネゴ ・ 深掘り ・ 社内外のパートナーづくり!

 これらは、EC事業や今トレンドのオムニチャネルにおいて陥りやすい注意点でもあります。では、それぞれ詳しく解説していきます。

1.「EC=小売」がスタートであり終着点

 基本中の基本ですが、物販のECビジネスは小売ビジネスそのものだということを忘れてはいけません。それは、昨今のトレンドからさまざまな論調や誘惑が生まれ、EC担当者として迷走をする可能性があるからです。

 メディアコマースやオムニチャネル、コーポレート・ブランドサイトとECサイトの統合など、ECサイトを応用した取り組みは今まさに旬です。また、以前のZOZORESORTや、RunwayChannelのように、ECを起点としてメディアポータルする動きもあります。

 これらの事例を引き合いにして、経営者や大手広告代理店、ウェブマーケティング企業が、まだまだECとして確立してない段階で、「ECのメディア化」や「店舗送客のためのEC」などの話をしてくる可能性があります。例えば、「今の時代、ECサイトは必須だ」と言って、販売戦略や売上計画を立てずに、億単位でECサイト構築して、結局何も売れていないという大手メーカーの事例はいまだにあると聞きます。

 物販のECは小売なんです。小売であるがゆえに、商品もさることながら、「売る人」の力量や意識で売上が変化します。そして何より、利益を得ることが最終目的なのです。

 実店舗があり、B2Cで小売をやっている企業のECがうまくいっていないという話はよく耳にしますが、それは小売を得意している企業が、ECに関しては「小売視点」を持っていないからではないでしょうか。

2.予算は自ら作れ(PLベースで)!週次予算でPDCA!

 これも基本中の基本ですが、当事者が予算を作成すべきです。最終的に、企業の予算の整合性で調整が入るとしても、まずは当事者がつくる必要があります。また、作った月次の予算は、チャネル、ブランドごとに細分化して、少なくとも週次でPDCAを回していくことで、目標に近づいていきます。

 実店舗ありきのEC事業の場合は、予算は本体事業部門(ブランドがあればブランド事業部)が作成するケースが多いようです。もしくは、EC事業の責任者ではなく、その上のレイヤーが作成する場合もあるでしょう。

 これはつまり、当事者が予算に作成に関わっておらず、戦略性や現実味が考慮されていないということです。これでは、当事者意識も責任感すらも生まれにくい。さらに、予算を月次でしか追っていなければ、週単位でのアクションもあいまいになります。

 我々のEC部門は、月ごとのPL(損益計算書)ベースで予算を作成していますし、週次・日次での予算に細分化しPDCAを回しています。自分たちのECがどれくらいの利益を生み出しているか、利益を増やすために経費を使えているか、そういった意識が日々のアクションにつながっていくと考えています。

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この記事の著者

コマースプロデューサー 川添 隆(カワゾエ タカシ)

組織で動く企業の中で、組織・チーム・ユーザーのバランスをとりながら”組織Eコマース&デジタル推進”を泥臭く改革進める人。2社の企業再生経験があり、独自の方法論と実践を通じてEコマース事業において、1社では売上を10倍以上に、5社では2倍以上に増加させてきた。2017年より代表を務めるエバンで小売企業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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