ペルソナ、カスタマージャーニーを設計せよ
これまでいくつか、具体的な施策を見てきたが、要は「顧客と向き合うこと」が重要だと高崎さんは言う。よく言われることであるが、実行はなかなか難しい。
たとえば、顧客のペルソナを設計していないEC事業者が多いそうだ。以前と比べ、ペルソナを絞り込むことが難しくなってはいるが、以下の手順で、3つほどのボリュームゾーンを作っていきたい。
- 想定顧客をいくつかのグループに分ける
- その中で複数の人が最もボリュームゾーンだと思ったグループでペルソナ作成開始
- 顧客に関する情報収集(インタビュー、ネットリサーチ、顧客調査、各種データ)
- 調査結果をまとめ、パーソナリティや行動パターンを抽出し、ペルソナを完成させる
- 他のグループでもペルソナを作成する
ペルソナをきちんと設定すれば、コミュニケーションの工数も減り、コンテンツも作りやすくなると言う。
同様に、カスタマージャーニーマップも描けていないところも多いそうだ。こちらは、スマホやタブレットなどで接触が変化し続ける「2」、クチコミなどを踏まえて検討時間が長くなった「3」に特に重きを置いて、やはり設計したいところ。
- ペルソナを元に、顧客が求める結果を明らかにする
- ⾃社と顧客の接触ポイントを洗い出す
- 顧客の購買までの期間、⼼理、行動を洗い出す
- 上記に関する情報収集(インタビュー、ネットリサーチ、顧客調査、各種データ)
- カスタマージャーニーマップを作成する
ペルソナ、カスタマージャーニーマップともに重要なのが、「感覚や想像ではなく、ドキュメント化して定量化すること」。そして定期的に見直しをかけ、会社の財産として残していこうと訴えた。
これからの時代に大事なこと
「時代がモノからコトに変わった」と高崎さん。「リアルでできることはネットでもできる」をモットーに、本にブックカバーをかけて発送する本屋さんや、価格競争に巻き込まれがちなモール内でもコンテンツで差別化をして、比較されずに売れている花屋さんもある。
デジタルの施策に加えて、アナログの施策も行うこと。そうした取り組みが「またこのショップで買いたい」、「この人から買いたい」という世界を醸成し、お客様と長く付き合える関係を築いていけるのではないかと述べ、講演を締めくくった。