2.ナビゲーションの最適化
前述のように既存のコンテンツに価値を創出することに成功したら、次に考えるべきは「ナビゲーションの最適化」だ。
サイト流入後のユーザーがコンテンツにたどり着くには、「サイト内検索」がメインの手法となるが、現状多くのサイトが「探せない」「探しにくい」「提案がない」の3つの課題を抱えていると、高橋さんは言う。
サイト内検索の抱える大きな課題は「精度」と「インターフェース」の2つ。「精度」を向上させるには、「検索対象項目の適正化」「アイテム情報の整備」「類義語登録の整備」「検索アルゴリズムの複合化」などが有効。さらに、「インターフェース」の改善の観点では、以下のような最適化が有効であると説明した。
- 入力間違いを減らすために候補を表示する
- 検索結果を動的に表示する
- ナビゲーションがあり、妥当な検索結果が表示される
3.One to Oneマーケティングへの対応
ナビゲーションを最適化したら、コンテンツマーケティングにも「One to One」を取り入れていきたい。例えば、あるファッションECのサイトの例では、ユーザーごとにパーソナライズされた商品が表示され、それがリアルタイムに変わるという仕組みをとっている。
こうした取り組みにより、「使い勝手がよくなるのはもちろん、提案もできる。さらに、これ自体がリッチなコンテンツになるとも言えます」(高橋さん)。
メールマーケティングにもOne to Oneマーケティングの潮流が来ており、例えばカートに商品を入れながら離脱したユーザーに対して、タイムリーなレコメンドメールを送るといった施策が行われている。
ナビプラス社のツールを導入したECサイトでは、開封率や流入後のコンバージョンの観点で、従来のメールマーケティングの10倍近い成果が出ており、今後はさらに注目されていくであろうとのこと。
同様の考えかたで、サイトから離脱した後も行動履歴等をもとに、アプリ等でプッシュ通知を行うオムニチャネル施策を取り入れる企業も出てきており、ECサイトのOne to Oneマーケティングはさらに加速していきそうだ。
賢いコンテンツマーケティング運用は、既存リソースの有効活用
以上見てきたように、コンテンツマーケティングは早急に取り組むべきテーマではあるが、ハードルが高いと感じる事業者も少なくないだろう。
そうした声に高橋さんは、「既存のリソースを活用すること」でその壁を超えられると言う。既存のリソースとは、ユーザーの行動履歴、属性、商品アイテムといったデータ、ユーザーのレビューなどが当てはまる。
ナビプラスでは、「既存のリソース」を活用してコンテンツマーケティングにつなげていくことができるツールとして「サイト内検索エンジン」「レコメンドエンジン」「レビュー投稿エンジン」などを提供していると紹介し、講演を締めくくった。