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【ハイブリッド開催】ECzine Day 2025 Winter

2025年2月4日(火)13:00~18:45

次なる顧客体験へ 大手企業の目線

30超のブランドECサイト統合とShopify移行、決断の背景には何がある?TSIのEC新構想に迫る

 2024年8月27日に、アパレルブランド「NANO universe(ナノ・ユニバース)」のオンラインストアを刷新した株式会社TSIホールディングス。今回のリニューアルを皮切りに、同社が展開する30超のブランドは、オンラインストアの基盤をShopifyに移行する予定だという。ビジネス構造そのものの変革の序章ともいえる本プロジェクトには、どんな狙いがあるのだろうか。DX推進を担当する株式会社TSI プラットフォーム本部 デジタルプラットフォーム部長の岸武洋氏に、プロジェクトの現在地について話を聞いた。

NANO universeのShopify化は第1章 TSIが見据える改革の道筋とは

 「NANO universe」「NATURAL BEAUTY BASIC」「MARGARET HOWELL」など、計30超のブランドを抱える株式会社TSIホールディングス。同社は、傘下のブランドがそれぞれオンラインストアを運営するスタイルで、市場拡大を進めてきた。

 特にNANO universeは、国産のカートシステムを10年以上用いて、オムニチャネルやOMO、コンテンツ強化などの取り組みを積極的に行ってきたブランドだ。同社のEC化率上昇、DXをけん引してきたブランドともいえるだろう。そんな代表格のブランドをShopify移行した理由について、岸氏に聞いたところ、次のような答えが返ってきた。

「長年にわたって同じカートシステムを使い、市場の変化に対応しながら機能追加・保守を続けてきましたが、この10年のEC市場を取り巻く環境変化は特に大きく、運用・保守負担の増加が課題となっていました

 しかし、基幹システムとの連携など移行にかかる工数を考えると、カート移行を容易に決断できないのも正直なところでした。Shopifyの利便性は前々から耳にしていましたが、カートと基幹連携の問題をうまく解決できないかと考えていた矢先に、Stack社が提供する大手小売企業向け基幹システム『SQ』に出会い、2023年11月頃からPoCを開始することになったのです。これならコスト効率と運用負担どちらも改善できると思い、プロジェクトが一気に前進しました」

株式会社TSI プラットフォーム本部 デジタルプラットフォーム部長 岸武洋氏
株式会社TSI プラットフォーム本部 デジタルプラットフォーム部長 岸武洋氏

 2011年に株式会社東京スタイル、株式会社サンエー・インターナショナルの2社による統合以降、複数の企業を吸収合併して生まれた現・TSIホールディングスでは、合併以降も旧企業体ごとの個別の運用が残っており、それも経営課題の一つとなっていた。そこで、同社は2024年4月に中期経営計画「TSI Innovation Program 2027(PDF)」を発表。経営基盤の見直し/強化や収益構造改革に向けたアクションとして、「デジタルを活用した経営基盤の整備」「EC統合/システム刷新」といった項目を掲げている。

NANO universeのECリニューアルは、いわばこの第1章です。この後、2025年春に向けて大部分の公式ブランドオンラインストアを『mix.tokyo』に統合し、モール化する計画を進めています。こちらが改革の本丸と言えます」

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この記事の著者

田中なお(タナカ ナオ)

 物流ライター。青山女子短期大学を卒業後、物流会社に14年間勤務。その後、2022年にフリーライターとして独立。企業オウンドメディアや物流ニュースメディアで発信活動をし、わかりやすく「おもしろい物流」を伝えている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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