「美白」に注意 広告規制の違反は課徴金も
今回話を聞いた2社は、企業が法令を遵守してマーケティング活動を実施できるように、様々な観点からサポートしている。
REGAL COREは、薬機法や景表法などにもとづいて、広告クリエイティブのリーガルチェックを実施。法改正に対応した継続的なチェックや、課徴金のリスク回避のためのコンサルティングなども提供している。
アライドアーキテクツは、企業のマーケティングDXの支援を手掛ける。UGC活用サービス「Letro」を提供する他、動画制作ツールの提供やSNSマーケティングなどもサポート。REGAL COREと提携し、Letroにおいて薬機法や景表法の「チェック機能」の提供も始めた。
今回のテーマである薬機法の正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器などについて、販売や広告などの規制を定めたものだ。
薬機法は医薬品を取り扱う場合だけではなく、健康食品などを販売するケースでも注意が必要となる。健康食品を「医薬品と誤認させる」ような広告が、取り締まりの対象になるからだ。
広告規制の中でも「虚偽・誇大広告等の禁止」に対する違反では、対象商品の売上(違反していた期間)の4.5%に相当する額の課徴金納付命令を受ける恐れもある。
また、刑事罰も定められており、「虚偽・誇大広告等の禁止」に違反した場合は、2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科せられるケースがある。
では、違反しないために何に気をつけるべきか。田之上氏は「当社がよく注意を呼びかけているのが、『美白』などの言葉。美白と表現するには、シミ予防の承認を得た医薬部外品かつ『※メラニンの生成を抑え、シミそばかすを防ぐ』といった注釈をつける必要がある。化粧品においてうたえる表現の範囲を把握し、その範囲内で最大限の訴求をすることが重要」と説明する。
しかしながら、どのような表現であれば問題ないのかは、なかなか理解しづらい。法務など専門の部署を抱える大企業でない限りは、外部の専門家にチェックを依頼するのが安心なようだ。実際、課徴金制度導入などの変更が行われた2021年8月の法改正以降、REGAL COREへの相談も増加傾向にあるという。