ライブコマースを成功に導く4つのポイントとは
では、実際にライブコマースを行う場合、どのような点に気をつけて企画すれば良いのか。福井氏からは、ライブコマースを企画する上で重要となる4つのポイントが紹介された。
1.ライブコマースの“役割”をはっきりさせる
ライブコマースには多様な効果が期待できる一方、目的に合わせてその役割に優先順位をつける必要がある。図にあるような役割のうち、今回のライブコマースでは何を期待するのかはっきりさせることで、視聴者を引き込む企画となる。
2.ライブコマースの“強み”を認識する
ライブコマースの強みには「配信者と視聴者の一体感」「インタラクティブな対話」「予定調和でない生配信」の3つがある。これを理解することで、ライブならではの熱狂や視聴者とのコミュニケーションが生まれる。裏を返せば、この強みが活かせない場合はライブコマースにこだわる必要はない。
3.ライブコマース“後の展開”を構想しておく
「1回きりのライブコンテンツをどう作るか」だけで考えると、ライブコマースのポテンシャルを十分に引き出せない。ECサイトや店頭といった既存販路とのシナジーや複数回で完結するシリーズ展開など、ライブコマースを起点にした、後の展開を構想しておく。すると、機能的なだけでなく、視聴者にも楽しんでもらえる企画になっていく。
4.ライブコマースの“構成要素”から考える
ライブコマースの構成要素は、「キャスト」「企画」「インセンティブ」。キャストはライブコマースとの相性を踏まえて選ぶ。インセンティブはライブ配信でしか得られないメリットを考える。そしてキャストとインセンティブの相乗効果を、企画で生み出していく。
中でもキャストは特に重要な要素だという。インフルエンサーや著名人がキャストとして参加するライブコマースの視聴者は、そのキャストのファンが中心になる。ファンが高揚感を得られるコンテンツにするためにも、キャスト起点で企画しなければならない。
澤田氏はこれらを実装するにあたっての注意点をこう補足する。
「キャストはSNSアカウントのフォロワー数に加えて、ライブ配信の経験や事前告知に協力してくれるかも考慮して選びます。生活者がキャストに抱いているイメージも把握しておきたいところです。
また、インセンティブもライブコマースの成功を左右します。わざわざライブ配信を視聴し商品を購入してもらうには、オリジナルグッズや配信者自身が選んだ商品を紹介するなど、その場だからこそ得られるメリットが必要です」