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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

押さえておきたい!ECトレンド図鑑

D2Cブランドが2023年を生き抜くには 差別化・ニッチ市場獲得に向けた戦略・アプローチを紹介


 「D2Cブーム」と言われてから数年の月日が経ちました。ブランド閉鎖、リニューアル、新ブランドの誕生など、入れ替わりも激しい中、後発でも成功するにはどんな工夫が必要なのでしょうか。Brandismの松元さんが、2022年の動向を振り返りながら、2023年のD2Cブランドが着目すべきトピックや着手すべきアプローチについてお伝えします。

D2Cブーム初期と異なる流れに? 2023年をどう戦い抜くか

 この数年、日本国内でも「D2C」がバズワードとなり、2022年も多くのD2Cブランドが立ち上がりました。その一方で売上を伸ばすことに苦戦し、閉鎖するブランドも少なくありませんでした。

 数こそ少なくなるものの、2023年も多くのD2Cブランドが生まれることが予想されます。流れを見ていると、ブームが始まった2020年頃とは様相が異なっているため、今回は最新版のD2Cブランド立ち上げについて、市場の状況なども踏まえながらご説明できればと思います。

コロナ特需から苦難の年となった2022年

 EC主体で販売するD2Cブランドにとって、2020年以降の新型コロナウイルス感染症の拡大は、思わぬ追い風であったと言えます。なぜなら、外出できない消費者がオンラインで商品を選び、購入する習慣が一気に普及したからです。中には、2020年から2021年にかけて前年比数倍の売上を記録したブランドもありました。

 ところが、2022年はD2C業界にとって苦難の年となりました。理由としては、消費者が外出して小売店で商品を購入する習慣が戻ってきたことが挙げられるでしょう。オンラインで商品を購入する機会が相対的に減少したことで、売上が落ち込んだブランドは多く存在します。この数年で株式上場したD2Cブランドの直近の決算をウォッチしてみると、オンラインチャネルの割合が高い企業は軒並み前年比割れ、オフラインチャネルの売上比率が高い企業の中には、継続的な成長を遂げているところもあった、という状況でした。

広告単価上昇でSNS広告運用の難易度も上昇 ノウハウ取得が課題に

 多くのD2Cブランドが活用するSNS。とくにInstagramは、さまざまなD2Cブランドが広告出稿プラットフォームとしても用いていましたが、この扱いが難しくなったのが2022年であったと言えます。なぜなら、Instagram広告の表示単価・獲得単価が上昇し、企業の利益を圧迫するケースが増えてきたからです。数万人から数十万人のフォロワーを抱えるインフルエンサーやキュレーションアカウントでもインプレッションが下がってしまい、いいねや保存数が以前よりも少なくなる事態が発生しています。これにより、Instagramを用いてビジネスを展開していた個人や企業のアフィリエイト売上も減少。2022年以前よりこうした予兆はありましたが、それが現実になった状態と言えます。

 成果向上が難しくなったとは言え、アルゴリズムの変更に対応しながら上手にInstagramを使いこなす企業も一定数は存在します。独自に生み出したノウハウを使って再度成長を試みる企業もいるほどです。こうしたノウハウをどう身につけるかも、プラットフォーム活用においては重要となっています。

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この記事の著者

株式会社Brandism 取締役 松元貴志(マツモト タカシ)

早稲田大学大学院創造理工学研究科修了後、ユニリーバ・ジャパンに入社。ヘアケアブランドのマーケティングに従事。人材系ベンチャーを経て、人材関連会社を起業。創業した株式会社メルセンヌを人材会社へ売却。その後、代表を務める株式会社メジオにてD2Cビジネスを展開。2021年に木村とBrandismを共同創業...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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