ベイクルーズグループは自社ブランドだけでなく、海外のブランドも多く取り扱うアパレル企業です。事業はファッションに留まらず、飲食店やインテリアなど幅広く行っています。
本記事では、ベイクルーズグループの基本的な企業情報や事業内容、強みや最近の動向などを解説します。
ベイクルーズグループの企業情報・事業内容の概要
ベイクルーズグループは、オリジナルの衣料品や雑貨などを販売するセレクトショップを展開している会社で、複数のブランドを保有しています。まずは基本的な企業情報や事業内容について紹介します。
ベイクルーズグループの企業情報
ベイクルーズグループの基本的な企業情報をまとめると、次のとおりです。
社名 | 株式会社ベイクルーズ |
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本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷一丁目23番21 渋谷キャスト3~10F |
設立年月日 | 1977年7月22日 |
代表者名 | 代表取締役会長 窪田祐 取締役CEO 杉村茂 |
株式公開 | 非上場 |
資本金 | 3,000万 |
おもなグループ会社 | 株式会社LADUREE JAPON 株式会社WILLWORKS 株式会社ル・プチメック 台灣貝肯士股份有限公司 Foodies USA, |
2021年9月1日現在、ベイクルーズグループは431店舗を展開しており、衣・食・住・美容健康に関する分野で多くのブランドを展開しています。
「IENA(イエナ)」「JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)」「EDIFICE(エディフィス)」などの人気ブランドを持ち、それぞれのコンセプトを軸に事業展開をしています。
ベイクルーズグループのおもな事業内容
ベイクルーズグループは、衣料品の企画・製造・販売を行っている会社です。レディース・メンズともに多くのブランドを保有しており、幅広い年齢層に向けたファッションを提供しています。
一方で、ファッションの枠に留まらず、カフェなどの飲食事業や家具・インテリア事業、フィットネス事業を行うなど、ライフスタイル全般に関する事業も展開しているのが特徴です。
衣・食・住・美容健康のブランドを多数運営しており、それぞれの事業が絡み合うことで相乗効果を発揮するビジネスモデルを確立しています。
ベイクルーズグループの沿革
ベイクルーズグループが創業から現在に至るまで、どのような流れをたどってきたかを見ていきましょう。
年代 | 沿革 |
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1977年 | 東京都渋谷区代々木で株式会社ベイクルーズ設立 |
1984年 | レディースブランド「Dear SHERYL」を下北沢にオープン |
1986年 | Dear SHERYLを「Spick&Span」ブランドに転換 メンズブランド「CLIC CLAC」1号店を渋谷にオープン |
2000年 | 家具事業初となるインテリアショップ「HIROB GALLERY」1号店を渋谷にオープン |
2003年 | 時計専門店「HIROB」1号店を渋谷にオープン |
2004年 | 洋服サイズ直し及びリフォームの専門店の「B Reform Works Studio」1号店を渋谷にオープン |
2007年 | 複合ブランドビル「渋谷BC SALON」を渋谷駅前にオープン 自社サイトでEC事業を開始、公式通販「スタイルクルーズ」をオープン |
2016年 | しゃぶしゃぶ「山笑ふ」1号店を表参道にオープン 公式通販サイト「スタイルクルーズ」を「ベイクルーズストア」としてリニューアルオープン |
2020年 | 「咖喱屋ボングー」1号店オープン 「おむすび ごっつ食べなはれ」1号店オープン 「親子丼 ごっつ食べなはれ」1号店オープン 「RITUEL CAFÉ」1号店オープン |
ベイクルーズグループは、レディースブランドからメンズブランドまで幅広い商品を取り扱っています。また沿革からも分かるように、家具や時計、飲食などの事業にも進出しており、ファッションの枠を超えた事業展開を進めている会社です。
おもなブランドを紹介
現在では多くの事業を展開しているベイクルーズグループですが、ファッションに軸を置いています。展開するブランドは40を超えており、ターゲットやコンセプトもさまざまですが、それぞれのブランドで独自の世界観を演出しており、時代性に左右されないブランディングに力を入れている点が特徴です。
なかでも「IENA」「JOURNAL STANDARD」「EDIFICE」などの主力ブランドは、競合他社に負けない強みを持っています。
「IENA」は自然体で美しい、自分らしいライフスタイルを大切にする女性に向けたコンセプトを打ち出しています。フレンチエッセンスを取り入れた上質で洗練されたアイテムは、時代を超えて愛されています。
「JOURNAL STANDARD」は、国内外からセレクトされたベーシックなアイテムと旬のブランドをミックスさせた独自のラインナップが特徴で、カテゴリにとらわれない商品や情報を発信しています。
「EDIFICE」は、「上品」「現代的」「清潔感」「快適」をコンセプトに商品展開を行うブランドです。洗練されたシンプルなデザインの商品が多いため、年齢を問わずコーディネートのバリエーションを楽しめます。
ベイクルーズグループの強みや特徴
ベイクルーズグループは多くのファッションブランドを持つ一方で、飲食やインテリアなどの領域でも事業を展開している会社です。競合他社と比べて、どのような特徴があるのかを解説します。
40を超える多彩なブランド
先に述べたように、ベイクルーズグループは多くのファッションブランドを展開しており、ターゲット層に合わせたブランディングを行っています。自社ブランドだけでなく、海外からの輸入品も取り扱っているため、競合他社では見かけないアイテムも多い点は強みといえるでしょう。
WEBサイトにはチャットサポートが設けられており、商品情報や店舗情報、返品・キャンセル方法などを随時質問可能です。ブランドを豊富に用意しつつ、顧客が自分に合ったブランドを見つけやすい環境も整えています。
オムニチャネルの強化
自社通販サイト「ベイクルーズストア」を運営しているほか、外部のECモールとして、ZOZOTOWN、MAGASEEK、iLUMINE、マルイウェブチャネルに出店しています。とくに自社ECに力を入れており、エンジニアやデザイナーなどを積極的に雇用し内製化を進めてきました。2019年度にはEC売上高に占める自社ECの割合が72%となっています。
ECと店舗での差をなくすため、在庫の一元化や価格の統一化、会員情報やポイントプログラムの統合を行ってきました。これによりECと店舗の両方で買い物をするクロスユースが増加しています。
また、ブログを見て店舗を訪れるユーザーが多いことから、それぞれのブランドサイトで発信していたブログを自社EC内に統合し、さらなる店舗送客を狙っています。
自社ブランドの飲食店を展開
ベイクルーズグループでは、アメリカンスタイルのハンバーガーショップ「J.S. BURGERS CAFE」やバリエーションが豊富なパンケーキショップである「J.S. PANCAKE CAFE」といった自社店舗を運営しています。また、海外で人気のロブスターロール専門店なども日本で展開しています。
カレーやコーヒー、デリ、ブーランジェリーなど商品ジャンルは幅広く、厳選された食材や旬ごとのメニューを提供するなど、店舗運営にもこだわりが感じられる点が特徴です。
ファッションの延長としてのインテリアを提案
ファッション事業に強みを持つベイグループでは、「JOURNAL STANDARD FURNITURE(ジャーナルスタンダード ファニチャー)」やアメリカのヴィンテージ家具を専門に扱う「ACME Furniture(アクメファニチャー)」などのショップを運営しています。
また、住空間だけでなく、オフィスやカフェ、ホテルなどの商業空間においても自己表現やファッションの一環としてのインテリアを提案しています。
ベイクルーズグループの最近の動き
ベイクルーズグループでは、消費者のライフスタイルに合わせたさまざまな取り組みが行われています。同社の最近の動きを見ていきましょう。
ドラマに出てくる服が買える!インタラクティブ動画配信企画
2021年1月26日、ベイクルーズグループは日本テレビの実験的恋愛バラエティ「夢みたいな恋したい女たち」への衣装提供を行いました。ドラマ内に出てくる出演キャスト全員がベイクルーズグループのアイテムを着用するという企画です。
インターネット限定配信においては、スタイリストによる解説だけでなく、そのままECサイト「ベイクルーズストア」でアイテムを購入することもでき、ステイホームでも楽しめる新たなショッピング体験として注目されました。
アウトレット商品の販売を開始
2021年6月9日、ベイクルーズグループでは「IENA」「Spick and Span(スピックアンドスパン)」「JOURNAL STANDARD」など、人気ブランドのアウトレット商品を最大80%オフの特別価格での販売を開始しました。
アウトレットとはいえ商品は新品で、購入金額にかかわらず1点からでも全国送料無料で配達可能です。また、ベイクルーズストアと実店舗の両方で使える共通ポイントも貯まり、お得にショッピングを楽しめる仕組みが用意されています。
ベイクルーズストアで音楽ライブ配信コンテンツがスタート
2021年5月31日、コロナ禍という状況を踏まえ、ベイクルーズストアで無料参加型音楽ライブ配信コンテンツをスタートすることを発表しました。2021年6月から音楽にスポットを当てたオンライン番組をJOURNAL STANDARDによるサポートで不定期で開催しています。
目を通しておきたいベイクルーズグループのトピックス
2024年2月29日:ベイクルーズ、虎ノ門に新業態「SELECT by BAYCREW’S」をオープン
ベイクルーズは虎ノ門ヒルズ ステーションタワー内に店舗面積約2,800平方メートル(約800坪)となる「SELECT by BAYCREW’S(セレクト バイ ベイクルーズ)」をオープンした。
2023年12月8日:ベイクルーズ、A4ランク以上の黒毛和牛が堪能できる新業態の焼肉屋「やきにく山笑ふ」を表参道にオープン
ベイクルーズは、心地の良い空間を演出し“くつろぎ”とともに、厳選した上質な肉を提供する「やきにく山笑ふ」の1号店を、表参道にオープンした。
2023年7月26日:ベイクルーズ、「お洒落な人の美味しいお取り寄せ」がコンセプトのフード専門オンラインストアオープン
ベイクルーズは、フード専門のオンラインショップ「BAYCREW’S FOOD MARCHE(ベイクルーズ フード マルシェ)」をオープンした。
2023年4月6日:ベイクルーズ、公式通販サイトにAR技術を導入 スマートフォン上で家具の設置イメージが確認可能に
ベイクルーズが運営する「JOURNAL STANDARD FURNITURE」が、公式通販サイト「BAYCREW’S STORE」および「JOURNAL STANDARD FURNITURE」の各店舗にて、新サービス「JOURNAL STANDARD FURNITURE AR」を開始。同サービスは、スマートフォンのカメラで写している空間にJOURNAL STANDARD FURNITUREの3D画像を重ねて表示し、家具設置イメージを仮想的に確認できるもの。
2022年9月10日:ふるさとチョイス、ベイクルーズとよしもとセールスプロモーションと連携、人気のお礼の品を使った「ふるさとチョイス弁当」の販売決定
トラストバンクは、同社とベイクルーズ、よしもとセールスプロモーションの3社が企画、開発した「ふるさとチョイス弁当」を9月20日に販売することを発表した。
2022年7月28日:アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」と「ベイクルーズグループ」連携第2弾「JOURNAL STANDARD」が新商品の製品プロデュースを行う取り組みを開始 ~プロジェクト終了後はベイクルーズでの一般販売を通じて実行者の事業拡大を支援~
アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」を運営するマクアケは、ベイクルーズが運営する「JOURNAL STANDARD」と連携し、サポートを希望する事業者を対象に、「JOURNAL STANDARD」プロデュースのもと、新商品開発を行う機会を提供する。
2022年7月20日:ファッション通販サイト「ベイクルーズストア」の人気コンテンツ、「骨格診断×パーソナルカラー診断」がリニューアルして再登場!
ベイクルーズが運営するファッション通販サイト「BAYCREW'S STORE|ベイクルーズストア」では、2019年リリース以降好評だった骨格診断×パーソナルカラー診断コンテンツをリニューアルした。
2022年3月30日:株式会社ベイクルーズが運営する公式通販サイト『BAYCREW'S STORE(ベイクルーズストア)』にて、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の機能が追加で実装されました
EC商品検索・レビュー・OMOソリューションを開発販売するZETAは、ベイクルーズが運営する公式通販サイト『BAYCREW'S STORE』にて、EC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」の機能が追加で実装されたことを発表した。
2021年9月3日:「楽天ポイントカード」、ベイクルーズの対象店舗で利用可能に
2021年9月6日より、ベイクルーズの各店舗において楽天グループの楽天ペイメントの共通ポイントサービス「楽天ポイントカード」の提供を開始する。
2020年7月9日:ベイクルーズグループの株式会社FLAVORWORKSの運営する『Roasted COFFEE LABORATORY』は7月9日20:00からオリジナルブレンドの作りかたをライブコマース配信します。
JOURNAL STANDARDやEDIFICEを運営するベイクルーズのグループ会社、FLAVORWORKSが運営するコーヒーショップRoasted COFFEE LABORATORYは、公式オンラインストアにて初のライブコマース配信を7月9日20:00に行うことを発表した。
まとめ
ベイクルーズグループは自社ブランドだけでなく、海外ブランドも積極的に取り入れ、ユーザーに幅広い選択肢を提供しているファッション企業です。また、事業領域はファッションだけに留まらず、食や住まいといった分野にも展開しています。
自社ECサイトに力を入れており、ECと店舗との垣根をなくすことでクロスユースの売上を伸ばしてきました。EC強化やDX推進に取り組みたい企業にとって、参考になる点は多いでしょう。