システムインテグレーション(SI)事業やサービス&サポート事業を展開する株式会社大塚商会は、独立系のマルチITベンダーです。ソフトウェアからハードウェア、インフラ環境までワンストップで提供できる点が強みであり、低コストで業
システムインテグレーション(SI)事業やサービス&サポート事業を展開する株式会社大塚商会は、独立系のマルチITベンダーです。ソフトウェアからハードウェア、インフラ環境までワンストップで提供できる点が強みであり、低コストで業務改善をサポートするサービスを展開しています。
本記事では、大塚商会の基本情報や事業の特徴、強み、最近の動向などを解説します。
大塚商会の企業情報・事業内容の概要
株式会社大塚商会では、システムインテグレーション事業とサービス&サポート事業を事業の柱としています。 ここでは、大塚商会の企業情報や事業内容を紹介します。
大塚商会の企業情報
株式会社大塚商会がどのような企業なのか、まずは基本的な企業情報から見ていきましょう。
社名 | 株式会社大塚商会 |
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本社所在地 | 〒102-8573 東京都千代田区飯田橋2-18-4 |
設立年月日 | 1961年7月17日 |
代表者名 | 代表取締役社長 大塚裕司 |
資本金 | 103億7,485万円 |
おもなグループ会社 | 株式会社OSK 株式会社アルファテクノ 株式会社アルファネット 株式会社ネットワールド など |
株式会社大塚商会はBtoBビジネスを中心とし、全国の企業にサービスを提供しています。2021年売上高は7,667億円です。
大塚商会の事業内容
株式会社大塚商会は、システムインテグレーション事業やサービス&サポート事業を中心に事業展開を行っています。
システムインテグレーション事業においては、コンピューターや複合機、通信機器、ソフトウェアの販売や設置、システムの企画や開発など、企業のDX推進支援を行っています。
サービス&サポート事業では、企業の総務や人事、経理、情報システムなどへのITサポートで効率化を図る「たよれーる」、オフィス用品の通販サービス「たのめーる」といった、業務改善につながるサービスも展開しています。また、子会社と連携してオフィス機器の修理サポートや教育支援などを展開しており、ユーザーの課題解決につながるサービスを行っています。
大塚商会の沿革
株式会社大塚商会の創業から現在までをまとめると、次のとおりです。
年代 | 沿革 |
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1961年7月 | 東京・秋葉原で複写機事業を創業 |
1961年12月 | 株式会社として発足 |
1968年 | リコーとの取引開始 |
1978年 | コピー機・オフィスコンピューター・ファクシミリの3種を取り扱う「COF戦略」スタート |
1981年 | 自社開発のPC用表計算ソフト「PC-PAL」発売 |
1982年 | OAセンター、OAショップ、PCスクール開設 |
1987年 | ネットワーク事業進出 |
1990年 | 「トータルαサービス」(現 たよれーる保守サービス)開始 |
1999年 | オフィスサプライ通販事業「たのめーる」開始 |
2000年 | 東証一部上場 |
2006年 | サービス&サポート事業を「たのめーる」と「たよれーる」の2大ブランドに集約 |
2020年 | DX推進委員会を設置し社内体制を強化 |
2021年 | 経済産業省指針にもとづく「DX認定事業者」の認定取得 |
大塚商会は1961年に創業し、OAの専門商社からワンストップソリューションを実現するソリューションプロバイダに成長しています。
創業から60年を超え、DX認定取得事業者として国内企業のDX推進支援を行うなど、既存事業にとらわれず、新たな挑戦を続けている企業です。
大塚商会の強みや特徴
株式会社大塚商会は、システムインテグレーション事業においては多くの導入実績があります。また、サービス&サポート事業においては、「たよれーる」「たのめーる」などのサービスを展開しています。 ここでは、大塚商会が強みとしていることやサービスの特徴について見ていきましょう。
大塚商会の強み①:独立系マルチITベンダーという強み
株式会社大塚商会は独立系のマルチITベンダーであるため、課題解決を1社で完結させられることを強みとしています。ソフトウェアやハードウェアだけでなく、インフラ環境の整備に至るまで総合的なサービスを提供している点が特徴です。
システムを有効活用するには、アプリケーションとそれを利用するインフラ環境を整えることが重要です。ITサービスの種類が増え、取捨選択が難しい状況だからこそ、企業の課題を踏まえたうえで適切な提案ができる大塚商会が選ばれているといえるでしょう。
独立系マルチITベンダーであることにより、特定のメーカーに偏ることなく顧客に合ったサービスを提供できる点も強みのひとつです。業務効率化やコスト削減といった「守りのIT投資」だけでなく、ビジネスモデルの変革や新たな製品やサービスを開発するための「攻めのIT投資」を望む企業のサポートまで行っている企業といえます。
大塚商会の強み②:取引実績が豊富
株式会社大塚商会には120万社以上の取引実績があり、さまざまな業種や業務の課題解決に役立つノウハウを提供しています。また、全都道府県に280のサポート拠点を持っているため、迅速な訪問対応が可能な点も特徴です。
単にシステムを販売するだけでなく、検討段階での提案から設置や設定、運用支援やアフターサポートに至るまで、ワンストップサポートの体制を整えています。さらに、経済産業省が定めたDX(デジタルトランスフォーメーション)認定制度にもとづき、DX認定事業者として認定を取得している点も強みといえるでしょう。
基幹系システムと情報系システムのデータベースを統合する「DX統合パッケージ」を中心とした総合的なデジタルソリューションの提案によって、国内企業のDX推進を積極的に支援しています。
通販サービス「たのめーる」の特徴
「たのめーる」は、1999年にオフィスサプライ事業部として始めた通販サービスです。オフィス用品から生活用品、介護用品や環境対応商品など200万点以上のアイテムを豊富に取り扱っています。また、税込200円以上の注文で送料無料のため少額からでも注文しやすい点や、大量のまとめ買い時には割引サービスを利用できる点などが特徴です。
Webからの注文の場合、通常の2倍のポイントが付与される仕組みなので、繰り返し利用するユーザーにとってお得なサービスだといえます。さらに、平日午前11時までの注文であれば最短で当日午後に届くとあって、多くの企業や組織に利用されています。
メーカー商品の販売のほかにも、オリジナルブランド「TANOSEE(タノシー)」では、顧客ニーズを踏まえた商品開発を行っています。低価格の「スタンダード」、環境にやさしい「エコロジー」、高品質の「プレミアム」という3つのカテゴリに分類した商品を取り扱っており、専門業種のニーズにも対応した品揃えです。
ほかにも「たのめーるオフィスデザインサービス」では、コストパフォーマンスに優れた快適なオフィス空間の提案を行っています。加えて「たのめーるオーダーメニューサービス」では、印鑑や名刺の作成、封筒やノベルティグッズへの名入れなど、多彩なメニューを提供しています。
大塚商会の最近の動き
株式会社大塚商会では、既存事業を充実させる取り組みだけでなく、新たな分野にも挑戦しています。最近の動向について、3つほど紹介します。
「たのめーるプラス」を大幅に一新
2021年1月12日に、利用者や対象物のマスタ登録や承認ルート設定が可能なクラウド型の調達・購買業務支援サービス「たのめーるプラス」について、サイトのデザインや表示サイズをリニューアルしました。これによって、視認性や操作性が向上し、利便性・セキュリティ性も高まっています。
新たに「グローバルIP認証オプション」を設けており、社内やテレワーク環境におけるセキュリティ性の向上につなげています。また、部署ごとの発注管理が可能な「MAたのめーる」やグループ企業内の一括購買が可能な「調達たのめーる」などのサービスとも連携を強化し、顧客が購入する商品の標準化やコスト削減にも貢献しているのです。
教育機関向けのオンラインストア「EDUSeed」を開設
2021年10月25日、教育機関向けのオンラインストア「EDUSeed(エデュシード)」を開始することを発表しました。国のGIGAスクール構想によって、小中学校では端末の整備や教室のネットワーク化が進む一方、多くの高等学校においては未整備となっていたことが背景となりました。
EDUSeedではオンラインストアを通じて、保護者がWebから端末を購入できます。教育機関と連携しているため、機種選びで迷うことがなく、スムーズな購入が可能です。
dotDataと戦略的アライアンスの締結
2022年4月12日に、株式会社大塚商会はdotData社と戦略的アライアンスを締結したことを発表しました。この資本業務提携によって、中堅・中小企業がAIを活用して事業を高度化・効率化するためのDXを支援する取り組みを行っていくことが示されています。
クライアント企業のユーザーが本来の業務に注力しながら、ITソリューションの利用を通じて自然にAIの価値を享受できる仕組みを提供することを目指すものです。蓄積したビッグデータをAIで分析して営業力の強化を図ったり、業界・業種に応じた機能をサポートしたりする取り組みを進めています。
目を通しておきたい大塚商会のトピックス
2024年1月24日:「たよれーる生成AIチャット powered by GPT-3.5」を提供開始
大塚商会は、2018年からサービス提供している「たよれーるAIチャットボットサービス」の新シリーズとして、GPTを搭載したAIチャットボット「たよれーる生成AIチャット powered by GPT-3.5」の提供を開始。従来のAIチャットボットの機能である社内外の問い合わせへの対応だけでなく、文章コンテンツの作成や要約、翻訳などのChatGPT特有の機能が利用可能となる。
2023年7月3日:AVILENとの資本業務提携で協業体制を強化
大塚商会は、AIベンチャーのAVILENと資本業務提携を実施。これにより、中堅・中小企業向けAI人材育成とAI活用ソリューションの提供を実施するとしている。
2023年3月6日:必要な時に、必要なだけ使える「たよれーるSurfaceサブスクリプションサービス」を提供
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、SurfaceをDaaSとして提供する新サービス「たよれーるSurfaceサブスクリプションサービス」を、2023年4月1日から提供する。
2023年2月7日:「Cisco Umbrella運用支援」を提供開始
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、ゼロトラストを実現するためのSASEソリューション「Cisco Umbrella運用支援」を提供開始した。システムの構築から運用・サポートまで大塚商会がワンストップで提供する。
2023年2月6日:大塚商会のDX統合パッケージにdotDataのAI機能を標準実装
大塚商会とdotData, Inc.は、大塚商会が提供する企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の基盤作りを支援するDX統合パッケージに、dotDataを利用したAI機能を標準実装した。
2023年1月26日:基幹系と情報系システムを統合した「DX統合パッケージ」に統合型クラウド会計ソフト「freee会計」を新たに追加
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、同社が提供する基幹系と情報系システムを統合した「DX統合パッケージ」にfreeeが提供する統合型クラウド会計ソフト「freee会計」を連携させたソリューション「DX統合パッケージ with freee」を提供する。
2022年11月30日:「i-FILTER@Cloud運用支援サービス」を提供開始
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、テレワークなどのセキュリティ対策が十分でない環境でも安心してインターネットアクセスを実現できる「i-FILTER@Cloud運用支援サービス」の提供を12月1日より開始する。
2022年7月25日:IoT機器活用と科学的介護のためのデータ収集・蓄積により介護DXを支援 介護業務支援プラットフォーム「FURO-SHIKI」を提供
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、介護事業者で導入されている見守りIoT機器やナースコール、記録システムなどを束ね、科学的介護の実現に向けたデータ収集・蓄積の基盤作りを支援する介護業務支援プラットフォーム「FURO-SHIKI」の提供を8月1日より開始する。
2022年5月25日:全ての企業のセキュリティ強化とコストメリットを両立するIDaaS「Otuka Gate」の提供開始
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、クラウドサービスのIDと連携しシングルサインオン(SSO)をセキュアに実現するサービス「Otsuka Gate」の提供を6月1日より開始する。
2022年2月22日:オフィスでのお買い物がもっとオトクになる「tano cardセゾン」で新たに法人向けサービスを提供
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、クレディセゾンとの提携クレジットカード「tano cardセゾン」において、2022年2月22日より、新たに法人向けサービスの提供を開始する。
2022年1月26日:「たよれーるAIチャットボットサービス」を大幅に刷新
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、2018年からサービスを提供していた「たよれーるAIチャットボットサービス」を大幅に刷新し、2022年3月1日より提供する。
2021年6月23日:【大塚商会】中小企業が補助金を積極的に活用するための経営支援サービス「補助金活用支援サービス」を開始 ~補助金の申請と活用を支援し、中小企業のお客様の成長を支援します。~
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、2021年6月21日より、専門家と連携して、中小企業が補助金を受けるために必要な申請の支援を行う「補助金活用支援サービス」を開始した。
2021年5月13日:企業のDX推進基盤として「どこでもコネクト」を強化
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、リモートアクセスサービス「たよれーる どこでもコネクト」を強化し、企業におけるDX推進の基盤となるサービスとして開発した。
2020年10月28日:「たよれーる らくらくMDM」サービスを開始
ソリューションプロバイダーの大塚商会は、パソコンやスマートデバイスの管理ができるデバイスマネジメントサービスに運用代行サービスを追加した「たよれーる らくらくMDM」を2020年11月4日より開始する。
まとめ
株式会社大塚商会は、システムインテグレーション事業やサービス&サポート事業を柱とする企業です。独立系のITベンダーである強みを活かし、特定メーカーに偏ることなく顧客のニーズに合ったサービスやサポートを提供しています。
DX認定事業者として、国内企業のDX推進を積極的にサポートしており、コストを抑えた業務改善提案を行っている点も特徴です。多くの業種で導入実績があるからこそ、さまざまなニーズに対応可能な企業だといえるでしょう。