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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

インバウンドビジネス最前線

フランスで日本そばを売るには!? 越境EC成功の秘訣をパリ在住エトワールサービスに聞く

 フランスのパリに在住し、「フランスで日本の商品を販売したい」日本企業のサポート業務を行っているエトワールサービス。その代表の小仲律子さんは、フランス人へ物を販売するためには「テストマーケティング」「ローカライズ」が重要だと語る。知っていそうで知らない国・フランスを、越境ECで攻める場合の戦略とは!?

フランスへの越境EC成功の秘訣は?エトワールサービスに聞く

━━そもそもフランス市場の基本的なところを教えていただけますか?

小仲 まずはフランスがどんな国かというお話からさせていただきます。ヨーロッパにおいては、イギリス、ドイツに次ぐ、3番目のマーケットです。スイス、ベルギーなどもフランス語圏ですから、フランス語で対応できます。人口はだいたい日本の半分で約6,500万人、平均年収は約440万円前後です。インターネット普及率は約70%以上。社会インフラのDXもまあまあ進んでいる気がします。たとえば子どもの給食費やTGV(フランスの高速鉄道)の予約も、すべてスマホ完結します。

 TGVのチケットについては、紙の切符はどこで買えるかもわからないくらいです。高齢の方もインターネットを抵抗なく使うことができます。小売業のECサイトで買い物もしています。史上空前の食品配達ブームでもあります。バナナ1本から配達できるんです。インターネット利用が増えたほか、配達してくれる外国人労働者がいるのもひとつの要因ではないでしょうか。もちろん、今回のパンデミックでロックダウンしたことも影響していると思います。

━━日本人が考える以上にフランスは国内のDXが進んでいるんですね。フランス人の越境ECについては?

小仲 もちろん、フランス人も越境ECでの買い物はします。フランス人がフランス以外の国のサイトで行った買い物のうち、47%が500g以内のものというデータもあります。服やコンピューターアクセサリーのような商品ですね。越境ECに限ったことではありませんが、74%がレビューサイトを参考にしているとのデータもあります。悪いサイトに引っかからないよう慎重になっているんでしょうね。

 越境ECだからといって英語サイトから買っているわけではなく、70%以上がフランス語表記のサイトから買っているのは重要なデータだと思います。フランス人は、フランス語に対しての信頼が強いそうです。よって、外国語サイトになるとやはり購買熱が落ちるんですね。自分たちのためにカスタマイズされたサイトを好みます。私たちがおかしな日本語サイトに対して、違和感を覚えるのと同様です。フランス語に関しては、センシティブだと言えます。

 そしてやはり、商品に対するストーリーはマストだと思います。その商品を買うと、自分の生活がどのように変わるのか、その商品は自分であればどのような使いかたができるのか、といったものです。スペックも大事ですが、高い送料を払い、海を越えてやってくる商品ですから、なにかしらのキーワードや、脳裏に残るストーリーがあれば良いですよね。そうそう、実はフランス人ってよく読むんです。図で説明するよりも、文字や話しをするほうが好きみたいです。日本人は、たとえば道案内なら地図を描くようなところを、文字で説明する。自分の考えを理論立てて説明する教育を受けているようです。

 越境ECにおいて、フランス人がどのサイトから購入しているかというと、やはりAmazonがダントツ1位です。日本におけるメルカリのような、古着サイト「Vinted」は有名です。Rakutenもありますが、利用順位としては10番前後でしょうか。

 Shopifyなどを利用した、企業の公式サイトからも購入する人も多いです。ただし公式サイトの場合は、SNS広告など有料の告知が必要になってくるため、忘れないようにしたいポイントですね。まずはAmazonで販売を始めて、そこから公式サイトに誘導していく強者もいますよ(笑)。

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この記事の著者

浦澤 修(ウラサワ オサム)

ライター・編集/株式会社オージャパン 代表取締役 浦澤修

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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