ユニバーサルロボット(以下、UR)は、化粧品や香水、医薬部外品を製造・販売するマンダムが、試供品のボトル詰め工程にURの協働ロボットを導入したことを発表した。
マンダムの福崎工場(兵庫県福崎町)では、人手不足に対応すべく無人化ラインの構築を検討していた。専用機では汎用性に乏しく、従来型の産業用ロボットでは安全柵の設置や専門的なプログラムスキル習得など課題があり、設置環境の自由度とプログラミングの容易性から協働ロボットの導入を試みることとなった。第1弾の自動化ラインとして、小容量のボトル詰め工程が選ばれた。
URロボットが選定されたのは、数ある協働ロボットのなかでも直感的にプログラミングでき使いやすい点と、海外にも多くの製造拠点を持つ同社にとって今後の海外展開もしやすい点が評価されたとのこと。
自動化ラインの構築の結果、マンダムは外部委託していた一部のボトル製品の製造を自社の無人ラインで対応できるようになり、外注費用の削減が実現したという。
さらに自社でライン構築ができる技術力を獲得したことから、今後は多品種小ロット生産の特性を活用したライン稼働率の向上や、同じ設備の海外工場への展開を検討しているとしている。
マンダムにおけるURロボットの稼働
現在、マンダム福崎工場では試供品ボトルの中栓装着からキャップ締め、印字や検査工程への搬送、パレタイジングまでの一連の工程で計5台のURロボットが稼働している。
まず、5kg可搬のURロボット「UR5e」がフィーダから送られてくるボトルをピックし、ターンテーブルにセット。その後、ボトルに液体が注入されると、別のUR5eが中栓を装着する。ここではURロボット内蔵の力覚センサであるフォース機能を活用し、ロボットが中栓をボトルにまっすぐ挿入し、しっかりと打栓したことを確認する。次に、3kg可搬の「UR3e」がキャップの供給と締付を行う。キャップ締めでは、先端軸が無限回転するUR3eの特徴が活用されている。
その後、ターンテーブルに取り付けられたセンサがキャップの置き具合を判別し、UR5eが良品判定されたボトルを後工程に搬送。最後に、別のUR5eが重量測定後の製品をインクジェットプリンタで印字させ、検査後コンテナにパレタイジングしている。グリッパは、URロボットとシームレスに接続できるUR+製品、Robotiq社の電動グリッパとSchmalz社の真空グリッパが活用されている。