2023年10月2日、LINEヤフーは「LINEヤフー BIZ Conference」を開催し、広告事業に関する戦略を発表した。
同年10月1日より、Zホールディングス、LINE、ヤフー、Z Entertainment、Zデータはグループ内再編に関する手続きを完了し、LINEヤフーとなった。今後、LINEとヤフーの持つユーザー基盤を活用し、広告事業のサービス内容を拡大していく。具体的な内容は次のとおり。
LTVを最大化する「Connect One」構想を発表
LINEヤフーは、「LINE公式アカウント」と同社が保有する法人向けサービスを連携し、あらゆる顧客接点をつなぐことでLTVを最大化する「Connect One」構想を発表した。
LINEとヤフーはこれまで様々な顧客接点を提供してきた。Connect One構想では、こうした顧客接点で接触したユーザーのサービス利用情報を蓄積し、集客から予約、購買、CRMまでをシームレスに実現するとのこと。
イベントのKEYNOTEに登壇した同社の上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーCEO 池端由基氏は、「LINEおよびヤフーのサービスのユーザー数は、合計で1億人以上いる」とし、このユーザー基盤をもとにLTVを最大化するソリューション構築のポイントとして、次の4つを挙げた。
- ユーザーアカウントの連携
- ビジネスアカウントの共通化
- データソリューションの統合
- 広告プラットフォームの統合
LINEヤフーは2023年10月4日より、LINEとヤフーのユーザーにおけるアカウント連携を開始する予定だ。その後、段階的に、LINEとヤフーが提供する法人向けサービスの企業アカウントの統合、LINE公式アカウントと各LINEヤフー法人プロダクトの連携を行う。PayPayとのアカウント連携は、2024年度中に開始するよう準備を進めていくとしている。
LINE公式アカウントでの顧客対応に生成AIを導入
LINEヤフーは、LINE公式アカウントのチャットに対応した返信内容生成サポート機能「AI Prompt Manager」を、2023年10月18日よりトライアルで提供開始する。なお、現時点で本機能の提供は、LINE公式アカウントを開設している一部企業が対象となっている。
問い合わせへの返信案の自動生成などを行う本機能は、応答時のキャラクターのカスタマイズも可能だ。参照元のデータとしては、自社ホームページのQ&Aなど事前登録したURLが利用できる。また、商品情報やよくある質問などをテキストで登録できる機能も搭載されている。
アドビと協業しエンタメ領域の取り組みも加速
本イベントでLINEヤフーは、エンタメ領域にも注力していく意思を示した。これまでもファンと著名人・クリエイターの関係性を深めるサービスとして、LINE公式アカウントや「LINE VOOM」を提供してきたが、今後は新たなソリューションとともに、効果的なエンゲージメントプロセスのサポートおよび著名人・クリエイターの収益化の機会提供を行っていく。
そのための取り組みとして同社は、ヤフーの持つ各メディアにLINE公式アカウントに投稿したコンテンツを掲載し、友達追加にもつなげるといったサービスの実装に向け準備を進めている。
また、同社はアドビとの協業も発表。LINEヤフーの無料の広告クリエイティブ作成ツール「LINE Creative Lab」と「Adobe Express」を連携させたクリエイティブ環境の提供、クリエイティブ発展のためのノウハウの相互共有、コミュニティの共創やコンテスト開催などを実施していく予定としている。