ペイパルは、「ペイパル 中小企業によるEコマース活用実態調査」の結果を発表。日本全国のECを行っている中小企業における意思決定者(n=310名)を対象に、2021年9月~10月にかけてオンラインで実施したもの。
変化した消費者行動と中小企業の対応
今回調査した中小企業の78%は、パンデミックが日本の消費者の行動に変化をもたらしたと考察。日本の消費者の多くがECにおける行動が変化し(38%)、さまざまな決済方法を利用することに前向きになった(27%)と回答している。
ECの利用で変化がみられたと回答した企業(77%)のうち、その詳細を聞いたところ、既存の自社のEC利用者による支出が「減少した(26%)」が「増加した(15%)」り、リピート購入については「増加した(21%)」が「減少した(12%)」を上回っている。
また、オンラインで買い物をする人の年齢層が変化したと回答した(31%)企業によると、シニア世代によるオンラインショッピング利用が増加(19%)していることがわかった。
越境EC対応企業、4割がコロナ禍に導入
日本の中小企業がECの販売チャネルとして現在利用しているのは、1位(41%)がECモール(Amazon、楽天、Yahooなど)、2位(36%)が自社のECサイト、3位(26%)が自社のプラットフォーム(公式アプリなどECサイト以外のチャネル)となった。ソーシャルメディアを利用したECは18%と、海外と比較して日本ではそれほど普及していない。
今回の調査では、対象者はすでに越境ECに取り組んでいる(28%)か、または計画している(16%)と回答。すでに導入している中小企業のうち、4割近く(39%)がコロナ禍に導入した。 一方で、中小企業の半数以上(55%)は、今後1年間において越境ECを計画していないこともわかった。これらの企業はコストの高さ(35%)や人手不足(27%)などを懸念してのこと。
今後12カ月に予定しているデジタル化「顧客データの管理(77%)」
今後のビジネスにおける優先事項やデジタル化への取り組みについて尋ねたところ、優先順位が高かったのは、「社内データのより効果的な活用方法の取得(26%)」、「IT/技術システムのセキュリティを確保(21%)」、「新しいデジタル技術を導入することによる顧客体験の改善(20%)」となった。
現在取り組んでいる、もしくは今後12カ月に予定しているデジタル化への対応については、「顧客データの管理(77%)」、「オンラインでの商談・営業(77%)」、「情報セキュリティ(74%)」が最も多い回答に。また、デジタル化をサポートするための最も重要な要素として「技術的な知識や専門性を求めている」(63%)こともわかった。