「海外商品の仕入について」のQ&A
海外商品の仕入について
Name:めぐめぐ Date:2009年09月02日 13:15
はじめまして。先日、本書を購入し色々と勉強させて頂いております。
中で是非とも参考にしたい項目があったのですが、もう少し詳しく教えていただけないでしょうか?
『商品の入手方法』の「海外の商品」という項目で、「海外に在住している、もしくは~に買ってきてもらったものを売るという手もあります」と書いてありましたが、これに関して頼んだ相手に買う以外に何か負担がかかるようなことはありますでしょうか??
本格的に問屋等で仕入れるとなるとライセンス等が必要になるようなのですが、現地のスーパーなどで買った場合は販売目的であっても特に必要はないのですか??
是非、教えてください。
宜しくお願い致します。
著者の田中です。[めぐめぐ] さん、読んでいただきありがとうございます。まず、「海外にて頼んだ相手に買う以外に何か負担がかかるようなことはありますか?」というご質問ですが、ケーズバイケースとなります。本書では言葉が足りずに説明不足だったかもしれませんが、海外から買ってきた、もしくは買って送ってもらったものに関しては、個人輸入という位置付けになります。厳密に言うと、全てのものに関税がかかることになります。個人使用のものや贈り物であっても原則は関税がかかります。(プラス消費税もかかります)
しかし、実質関税がかからない場合もありますので、ケーズバイケースなのです。総額10万円以下の場合には「少額輸入貨物の簡易税率」となり、税率が優遇される場合があります。また、課税価格が1万円以下の貨物の場合、原則免除となります。革製のバッグ、パンスト・タイツ、手袋・履物、スキー靴、ニット製衣類等は、課税価格が1万円以下であっても免除になりません。(個人的な使用の場合は免除になります)ちなみに、個人が自分で使用する目的で輸入する貨物の場合には、課税価格は「海外小売価格×0.6」となります。
なお、時計、カメラ、弦楽器・吹奏楽器、レコード・テープ・CD、肉筆の書画・版画・彫刻、化粧品、ウイスキー、乗用自動車・オートバイ、スキー用具・ゴルフ用具等は、無税です。その他、簡易税率を適用しない場合、家具、金属食器、玩具・人形・模型などが無税になる場合があります。また、機内での持ち込み荷物の場合には、免税枠がありあます。
関税は複雑なので正確な情報は、日本貿易振興機構(ジェトロ) http://www.jetro.go.jp/、税関 http://www.customs.go.jp/、等のサイトで確認してください。サイト内検索で、「個人輸入」「関税」で検索すれば必要な情報が出てくると思います。
ですので、本格的に仕入れる場合でも現地のスーパーで買った場合でも、手続きはともかく関税対象であることには変わりません。何か難しい話になってしまっていますが、簡単に考えると、「買った=仕入れた」と思ってください。例えば、現地に行って個人で商品を買った(仕入れた)場合、おそらく通常の販売価格で購入することになります。この時点では、単なる購入なので特に何かをしなければならないということはありません。その後、商品が気に入って(あるいは反応が良くて)本格的に仕入れようと思った場合、「業務として仕入れたい」との旨を販売している業者に説明し個人で買うより数多く仕入れることになります。その場合には、販売価格より安い仕入れ価格で購入(仕入れ)できるようになるはずです。その時に、販売する側は何かしらの契約を通常は求めます。その契約は、支払い方法だったり、商品の仕入れ価格(率)だったりと、取引においてトラブルにならないようにするためです。このときに商材によってはライセンス契約も必要となるかもしれません。(これは国内においても同様です)
私は法律のプロではないので、厳密には法的にどうかは定かでない部分はありますが、現地のお店(スーパーやお土産店等)で購入したものを紹介し販売するのは問題ないはずです。先ほどの、個人で買った=仕入れたという観点です。しかし、商材(医薬品、食品、特許商品)によっては販売できないものもありますので注意してください。あとは、販売自体が趣味程度ではなくなると、開業届が必要になりますが、これは輸入商材でなくても同じことです。
いろいろと心配な場合には、当初はオークションを使って販売してみるとよいのではないでしょうか。そこで反応を見て、今後出来そうであれば、一歩踏み込んで法的にも勉強して本腰を入れてみるのはどうでしょうか。
私もイタリアに行ったときに、普通のデパートに並んでいる普通のキッチン用品のデザイン性に驚きました。かっこいいし、かわいくて、見ているだけで飽きませんでした。近年、海外の商品の多くが日本に入ってきましたが、大手では紹介できない商品もまだまだたくさんあるはずです。本書で紹介させていただいたフォーマル子供服専門店のKAJINさんは、何もつてがないところから海外取引を開拓しました。いきなり海外取引というと大きな夢みたいになってしまいますが、一歩一歩近づくことはできると思います。「まずは、できることから」です。ご質問の答えになっているでしょうか。ご参考になれば幸いです。
Name:田中 正志 Date:2009年09月02日 20:46