チャットボットにより、詳細な解約理由を掘り下げ
こうした新しい取り組みに加え、細かなシナリオ改善がさまざまな効果をもたらしている。たとえば、エリカ健康道場の解約ページへのアクセス数が、2020年10月の導入時と2021年2月を比較して6%増加。解約ページへのアクセス数が増加というとネガティブな印象を持たれがちだが、大元の流入数が増えていること、解約ページに設置したチャットボットと接触することで顧客の声を拾いやすくなることを評価すべきだとSmash・鍋島さんは言う。
また、チャットボットの回答率は、2021年2月時点で50.52%と過半数に。エリカ健康道場の顧客は、チャットボットに一度でも回答を行うと、会話遷移が深くなる傾向にあるのも特徴だ。
即解約ではなく一旦休止のように、企業側は実はさまざまな選択肢を用意しているが、顧客には伝わっていないことが多い。しかしながら、何が伝わっていないかを顧客に聞いても、答えは返ってこないものだ。だからこそ、チャットボットという会話をしやすくデータを取得しやすい手段により、顧客とコミュニケーションしながら、齟齬が生まれている部分を探っていく方法が有効なのだ。今回の新たな取り組みとなった休止の案内についても、すでに用意していた選択肢のひとつだったが解約しようとする顧客の脳裏には浮かびづらく、また、エリカ健康道場側も提案する機会にそれほど恵まれなかったのを掘り起こしたことで、成果につながったわけだ。
もちろん、そのようにして新たに見つかった顧客とのコミュニケーションシナリオは、チャットボットだけではなく、その他の顧客接点にも共有される。これまであまり行われていなかった「休止の案内」や「飲むだけでなく料理にも利用できる」というシナリオが加われば、それに合わせた新たな対応も迫られる。
「『余っている』という解約理由について、それがもっとも多いだろうと感じてはいたものの、なぜ余っているのかという細かいところまでは考えが至っていませんでした。Smashによって細かい理由まで把握できたため、コールセンター側の対応もやりやすくなりました」(エリカ健康道場・友田さん)
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