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Contentserv×アドビ連携 PIM活用でつながり続けるエクスペリエンス主導型コマースを実現

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2020/10/26 11:00

 オムニチャネル商品情報プラットフォーム「Contentserv」とアドビのEコマースプラットフォーム「Magento Commerce」が連携。ヨーロッパを中心に両ツールの併用が多いことから、専用の連携エクステンションの開発となった。DXを進めるにあたり、PIM(商品情報管理)が重要な理由とは。Contentservとアドビのふたりに話を聞いた。

Contentserv×アドビ対談 DXにPIMが不可欠な理由

 2020年4月、ドイツ発のContentserv(コンテントサーブ)は、オムニチャネル商品情報プラットフォーム「Contentserv」とアドビのEコマースプラットフォーム「Magento Commerce」を連携するエクステンションをリリースした。Contentservによって最適化された商品情報がMagentoにリアルタイムに自動提供され、Eコマースサイトやアプリに掲載されるようになる。

 コロナ禍により、リアルビジネスを行っていた企業の多くがECに参入。目指すはリアルとデジタルが融合したOMO、そしてDXだが、そのためには商品情報がきちんと管理され、それぞれのチャネルで最適に表示されること、すなわちPIM=Product Information Managementが不可欠である。EコマースにおけるPIMの重要性について、Contentserv 菊池智功氏、アドビ 原周一郎氏に語ってもらった。

――コロナ禍をきっかけに起きている、Eコマースに関する変化をどのように見ていらっしゃいますか?

菊池(Contentserv) 大きく分けると、消費行動の変化、企業のビジネスモデルの再考、働き方の変化ですね。とくにEコマースについては、高齢年層の利用が増加するなど、性別や年代を問わず当たり前に利用するチャネルとして定着しつつあり、消費行動のデジタルシフトがこれまで以上に勢いを増しています。メーカーやブランド企業は、消費者の価値観の変化や行動変化に速やかに対応する仕組みづくりを進めています。D2Cの本格的な幕開けとも言えます。また、輸出がままならなくなり、日本向けの商品を新たに作ってEコマースで販売するなど、「日本回帰」にデジタルが活用されている様子も見受けられます。

 BtoCに限らず、ここ数年間、昨年比30%増の割合で成長を見せるBtoBのEコマース市場もさらに加速しています。そして、Eコマースサイトで売るための商品コンテンツ制作にかかわるマーケティング、Eコマース、セールスの業務は在宅のリモート環境下から行われるようになりました。ビジネスの構造が根本的にデジタルへと書き換えられている中、いずれの変化も、企業が持つ情報資産をデジタル化し、部署を超えて、時間と場所を問わずコンテンツにアクセスできるコネクテッド環境を構築しなければ対応できないものです。

原(アドビ) アドビの調査によれば、リアル店舗のみを利用していたユーザー、リアルとデジタルを併用していたユーザーのどちらもが、オンラインでの購買に移行したと回答しています。コロナが収束した後もオンラインでの購買を継続するかとの質問に対し、54%がオンラインも利用し続けると回答しています。オンラインで注文して店舗で受け取るBOPIS(Buy Online, Pick-up In Store)の利用も進んでいることから、消費者のライフスタイルにあわせた顧客体験を提供する必要があります。単にECサイトを構築し、商品を掲載するだけではなく、消費者の行動データをオン・オフ問わず取得し、それを元に顧客に最適化されたエクスペリエンスを提供する「エクスペリエンス主導型コマース」の構築が重要だと言えます。

菊池 たとえば先進的なスーパーマーケットでは、カートに電子掲示板を付け、その顧客に最適な商品情報を表示するといったエクスペリエンスを提供しています。顧客体験を最適化するためには、ユーザーの行動データだけでなく、商品情報も重要な要素ですね。

――商品情報の話が出ましたが、「Contentserv」はオムニチャネル商品情報プラットフォームであり、日本ではまだ認知が低いPIMの重要性を提唱されています。PIMについて詳しく教えていただけますか?

菊池 PIMとは、Product Information Managementの頭文字をとったもので、直訳すると商品情報管理です。商品にかかわるあらゆる情報を一元管理し、さまざまな販売チャネルに連携して利用できるようにする情報管理=コンテンツマネジメント手法です。

 自社のソリューションを例に説明すると、「Contentserv PIM」には、オンボーディング、コラボレーション、パビリケーションという3つの枠組みがあります。オンボーディングは、社内外のさまざまな部署やシステムと連携し、それらのシステムで管理されている異なる形式の商品データを取り込み、共通のデータ構造に変換する機能、枠組みのこと。コラボレーションは、部署や組織を超えて業務プロセスを効率化し、マーケティング、Eコマース、セールスのメンバーがすぐに利用できるよう、商品情報をコンテンツとしてリッチに、より洗練させていく枠組みのこと。パビリケーションは、オン・オフ問わずそれぞれの販売チャネルに最適なフォーマットに自動変換してパブリッシュ(公開)する枠組みのことです。

 日本ではPIMがまだ浸透しておらず、商品情報や画像などのデジタルアセットが、パートナーやサプライヤー、社内など組織ごとにファイルサーバーなどサイロ化されたシステムで管理され、Eコマースなどの販売チャネルにマニュアルで渡すという状況下にある企業様が非常に多いです。基幹システムにある情報と販売チャネルを結ぶツールがない場合、マニュアル作業、人為的なミス、情報展開の遅れが発生します。このようなサイロ化されたチャネルとシステムをつなぎ、「コンテンツ・ ハブ 」 として機能するのがPIMツールなのです。

 カスタマージャーニーにおける顧客接点は増加していますが、それを管理する重要性については、すでにご認識の企業様が多いかと思います。顧客が行動を起こす際に重要なきっかけとなるのがコンテンツです。つまり顧客は、コンテンツを起点に企業とつながっています。そのコンテンツにおいて、一貫性が担保されていなかったり、不足していたり、モバイル用に最適化されていなかったりする場合、顧客はそこでブランドから離脱してしまう可能性が高いと言えます。

 そして、コンテンツの元となるのが商品情報です。しかしながら、Magentoと商品データベースをつなぐ際に、Excel等で管理されているデータを修正して取り込むといった、あまり効率的とは言えない運用に立ち会うことがあります。商品情報をPIMで管理し、自動でEコマース等の販売チャネルに連携することは、Time to Marketの視点からも重要なポイントだと考えています。


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