営業のノウハウをBtoB-ECサイトに詰め込みエンゲージメントへ
SAPといえば、企業の基幹となるシステムERP (Enterprise Resource Planning)がよく知られる。ECとERPをつなぐことができれば、描けるシナリオは大きくなる。一方で開発コストも大きく、全社プロジェクトとなるだろう。
「SAP Commerce Cloudは、SAP ERPとの連携を前提に作られていますが、当社のパッケージはSAP ERPをご利用でない企業様にも、BtoB-ECサイトをご利用いただけるように作っています。独自機能の請求モジュールは、請求・請求承認・決済の状況が確認でき、ERPで購買の部分を管理せずとも済みます」(大河原さん)
「100日でリリースするには、商品データの管理がキモになります。当社では、取り込み用のテンプレートを提供しており、そのフォーマットにあわせたCSV等のデータをいただければ、短期間でのECサイトリリースが可能になります。たとえば、顧客Aと顧客Bで商品名、価格が異なる場合には、そのようにテンプレートに記載いただければ、それぞれに向けたページの作成も可能になるといった具合です」(木村さん)
SAI DIGITALの支援でBtoB-ECの開発を行ったという、とある業界No.1のBtoB卸ECサイトを運営する企業の事例を紹介してもらおう。
「約3年前、当社にお問い合わせいただいた時点ではバージョンアップもできない国産ECパッケージを使用されており、年商は127億円でした。それを、SAP CommerceによるECへの刷新を経て、年商157億円まで成長されました。現在でも当社で、アプリケーション保守を行っています。 ECサイトと同時に、ERPもSAPに刷新され、業界における圧倒的No.1プラットフォーマーを目指したいというお気持ちをお持ちでした。『BtoB Quick Starter Package』では、SAP ERPをセットでご提供することも可能です」(齋藤さん)
「BtoBでは、顧客がデジタル化についてこないのではというご懸念もあるかと思いますが、そこもやはりアジャイルに進めていくことをお勧めします。ある主要な取引先のみに公開し、そこで成功したら機能を拡張、ほかの取引先にも提供していくといったやりかたもあれば、まずは社内の業務部分のみEC化し、関連会社に広げ、最後に取引先に公開するといったパターンもあります」(木村さん)
今後、ますます進むであろうBtoB企業のEC活用。競合他社も参戦してくることを考えても、思い立ったが吉日というスピード感でも早すぎるということはないだろう。BtoB-ECサイト構築を考える企業に向け、メッセージをもらった。
「ウィズコロナ時代において、お客様と非対面でどのように接触を持ち、エンゲージメントを高めていくのか。ひとつの解が、これまで営業担当者が商談で行っていたノウハウをECサイトに詰め込むことではないでしょうか。Eコマースは、サイト上での接触から、決断・購入につなげるのが得意です。お客様の買いたいチャンスを逃さないBtoB-ECサイトの構築をお勧めします。その際に、『BtoB Quick Starter Package』をぜひご活用いただければと思います」(吉永さん)