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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

僕がコンバージョンしてなんぼのマーケティングで成果を出せる理由

CX向上に欠かせないのはストーリー構築 企業・ブランドがアプリでできる「店舗体験の拡張」とは

 TSUTAYA、コスメのエクスボーテ、スキンケアのプロアクティブ、アパレルのDoCLASSE、洋服の青山など、異なるジャンルでデジタルマーケティングを推進してきたアクティブ合同会社CEOの藤原尚也さん。それぞれの企業で藤原さんが成果をあげることができた理由とは。どう戦略をたて、実行に移してきたのか。本連載では、デジタル、店舗、テレビCMなどに精通する藤原さんにその秘訣を伺います。今回のケーススタディは、「顧客体験(CX)」と「アプリ」です。

CX向上の鍵は事前のストーリー作り やりきることが支持獲得に

――藤原さんが考える「良い顧客体験(CX)」とはどのようなものでしょうか?

CX向上を考えるにあたってまず大事なポイントは、「買う前の期待」と「買った後のギャップ」をどれだけ少なくできるか。これは、きちんと事前にストーリーを作っておくことがキーとなります。TVCMなど、マス向けのアプローチを絡めたプロモーションの際には、とくにこれが重要です。

TVCMは、15秒もしくは30秒の短い時間で期待感を醸成します。それを見て店頭に行った際に、ひとめ見て「TVCMで見たあの商品だ」とわかるような売場作り(VMD)ができているでしょうか。お客さんは、TVCMで見た商品を完全に記憶しているわけではありません。どこに商品があるのか見つけられず、店員に聞かなくてはいけない状況は、大変面倒ですよね。そこでTVCMを見たときのお客さんの感動や期待感を下げてしまうのは、とてももったいないことです。

これは、自社ECサイト上でも同じことが言えます。TVCMで見て検索して自社ECサイトにたどり着いた瞬間に、欲しいと思った商品がどれかすぐにわからない。わからなくても欲しいという気持ちがあるうちはお客さん自身が妥協して探してくれますが、そうならないようにCXを設計していく必要があります。

上記のような感動や喜びから生まれる体験以外にもうひとつ、CXを考える際に必要なものがあります。それは、理屈から売れる体験です。買うときの裏づけとして、たとえば「これだけの機能性があるのにこの安さ」といった価値を提供する。こうしたふたつの体験をしっかりと売場やECサイト上で伝えることができているか。CX向上を考える際に、まずこの2点ができているかを考えてみてください。

その上で、購入した後、実際に商品を使ってもらうときの体験提供について考えていくと良いでしょう。実際に商品が「買いたい」と思った通りの期待を得られるものなのか、もしくはそれ以上なのか。この3つのステップで、お客さんの感情が期待よりも上回ることができるか。これが大きなポイントです。商品が良いだけでなく、商品に出会う入口の部分からきちんとステップ分けしてストーリを組み立て、考えていくことが重要です。コスメなどは、とくにこれが顕著と言えますね。

――3つのステップを通して期待を裏切らないために、企業・ブランドはさまざまな施策を行っていく必要があると思います。具体的にどのようなことをしたら良いかを教えてください。

とくに大事なことは、施策を単発で終わらせないようにすることです。リピート買い促進についての悩みを抱える企業・ブランドの方も多いと思いますが、継続的に「このブランドっていいよね」という気持ちを持たせるためには、データドリブンのマーケティングは必要不可欠です。それが実現できるバックエンドの設計や、お客さんとのコミュニケーションツールの導入にきちんと取り組み、お客さんにとってストレスのない体験を、購入前~購入時~購入後と通しで提供できるか。そうした環境作りをしっかりと行う必要があります。

インターネットが普及した今の時代、お客さんとの接点はさまざまあり、企業・ブランドにとってすべてを網羅することはものすごく大変な状況になっています。しかし、お客さんは自分の好きなタイミングで好きな手段を使って情報を仕入れようとしますから、こちらの都合は関係ありません。そんな状況だからこそ、きちんと組織内も連携して、キーとなるクリエイティブやメッセージを統一していく。面倒でかつ時間がかかることではありますが、それをやりきることがお客さんの期待を裏切らないこと、支持を獲得することにつながると思います。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

ECに関する情報を、さまざまな切り口からお届けできればと思います。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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