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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス

目指すはライフスタイルに合わせた買い物提案 LINEショッピングが描くOMOの理想図とは

 コミュニケーションアプリ「LINE」の総合ショッピングサービス「LINEショッピング」が、このところ進化を遂げている。従来はLINEアプリ内からのスマートフォン利用が基本であったが、PCサイトを2月にリリース。また、3月10日にはオフラインでもLINEポイントがもらえる「SHOPPING GO」との連携も開始し、オンライン・オフライン双方に向けた買い物の利便性強化を行っていると言う。OMOがより進むこれからの時代、LINEはプラットフォーマーとしてどのような価値提供を考えているのだろうか。O2Oカンパニー ショッピングサービス室の大枝さん、森山さん、高柴さんに話を聞いた。

LINEショッピング PCサイトリリースで分かった購買傾向の差

(写真左から)LINE株式会社 O2Oカンパニー ショッピングサービス室 室長 大枝千鶴さん
LINEショッピングチーム マネージャー 森山海太さん
OMO企画チーム シニアサービスプランナー 高柴慶人さん

――本日は、LINEショッピングとSHOPPING GOの進化について聞かせてください。まず、LINEのショッピングサービスにおいて、現在どのような機能拡張を行っているか教えていただけますか?

森山 LINEショッピングは、これまで主にLINEポイントをフックにユーザーを集めていたのですが、それを少しずつ変えていこうというのが直近のテーマです。商品を活用したプロモーションに力を入れるのと同時に、パーソナライズにも取り組んでいます。

もともとLINEショッピングは、LINE公式アカウントを活用して、PUSH型で人を集められるところに強みがありました。しかし、公式アカウントのフォロワーがどんどん増えていくなかで、広告主からお預かりした広告バナーをただ配信するのではなく、ユーザー利用行動に基づいて最適化して表示したり、LINEショッピングで実際に利用したショップや直近見た商品に近い情報を出したりする必要があるのではないかと考え、現在その部分を強化しています。

――LINEショッピングのPCサイトが2月12日にリリースされましたが、なぜ今PCサイトをリリースしようと考えたのでしょうか。

高柴 LINEショッピングは、今までLINEのアプリ内からしかアクセスができないようになっていました。それでも流通額は伸び続けていたのですが、「商品を探す」という文脈で言うと、スマートフォンでは画面が小さく、どうしても比較しづらい部分があります。ユーザー体験として、「PCで見ることができる」「比較ができる」「探しやすい」といったところを強化したいと考え、ローンチしました。

あともうひとつ、LINEショッピングは従来女性ユーザーが多かったのですが、PCユーザーには男性が多いので、男性に向けたアプローチもできると良いなと考えていました。

―――LINEショッピングのもともとの男女比はどれくらいだったのでしょうか?

大枝 男性が3割、女性が7割ですね。

高柴 PCサイトは圧倒的に男性が多く、スマートフォンとは、男女比が逆になっています。

――では、ほぼ狙い通りの結果と言えますね。

高柴 想定していた以上に男性の利用者が多かったですね。LINEショッピングはアパレル企業の出店が多いため、女性のユーザーが多くなりがちではあるのですが、PCとスマートフォンでここまでユーザー傾向が違うのだなと改めて感じました。利用者数としてはまだ多くはないため、検索エンジンで検索をして商品を見に来るPCのユーザー行動を踏まえ、LINEショッピングを知らない方をうまくLINEショッピングに誘導し、使っていただくための施策もこれから積極的に行っていく予定です。

大枝 現在、先行投資と考えてコンテンツの拡充に取り組んでいます。従来は「LINEショッピングを使おう」と正面から入ってくるユーザーしか捕まえられませんでしたが、今後は探しものをしている人や記事を読んだ人に、自然にLINEショッピングにたどり着いてもらえるようにしたいと思っています。

森山 これまでの売上は、基本的にはLINEの内部から集客してきた結果ですから、LINEの外からユーザーを集め、より売上を伸ばしていけたらと期待しています。

タイトル

――LINEショッピングのPCサイトとスマートフォンのユーザー傾向に違いはありますか?

大枝 LINEショッピングをスマートフォンで利用するユーザーは、「◯◯のお店で買おう」と目的を持って来られることが多く、各ショップページへの流入が主でした。それがPCだと商品の比較検討をたくさんするためか、商品ページのビューが多い点はかなり特徴的ですね。これも私たちの仮説通りではあるのですが。

森山 商品訴求を強くしていきたいというのはPCサイトの狙いのひとつでもありました。ここで得られた知見をスマートフォン版のUI改善に活かすこともできるかなと考えています。

――今後、どのような点をブラッシュアップしていきたいと考えていますか?

森山 2月からGMOメイクショップとの提携を始めました。提携ショップが増えることで、今までのLINEショッピングにはなかったユニークな商材を扱う店舗も増え、バリエーションがさらに広がっていますね。

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この記事の著者

ECzine編集部 木原 静香(キハラシズカ)

立教大学現代心理学部映像身体学科卒業後、広告制作会社、不動産情報サイトのコンテンツ編集、人材企業のオウンドメディア編集を経験し、2019年に翔泳社に入社。コマースビジネスに携わる方向けのウェブメディア「ECzine」の編集・企画・運営に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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