オフラインの店舗もクリエイティブに、ダイナミックに
QRコードをリダイレクトURLにすると、さらにこんな画期的なことも実現できる。店舗内の実物商品ではなくカタログに記載すれば、それを読み込むことで常に最新情報をオンラインでチェックできる。紙媒体は変更が利かない、という従来の常識も覆る。また、家電の買い回りや保険などの商材なら、店舗スタッフとの会話を経てカスタマイズしたひとつのパッケージをURLにし、それを読み込んで決済したり、メールやLINEで家族へ送って後ほど検討したりすることもできる。その使い道は、いかようにも広がっている。
「店頭にECを持ち込むサービス、とも言えますね」と山崎さん。マーケティングロジックに基づきダイナミックにリダイレクトをするというのは容易ではないが、ZETAの圧倒的な処理能力を活用し、ユーザーにとって「待たせずにスムーズに納得行く買い物をする」ことを実現している。
2018年年末から2019年にかけて、既存の「ZETA CXシリーズ」のクライアント企業の協力を得てシステムのブラッシュアップを重ね、今回のβ版リリースに漕ぎ着けた。「ZETA CLICK」単体でも導入可能だが、商品情報やサイトの各ページの登録が必要になる。とりわけ、店頭で実物を目の前にしながら、多くのユーザーがオンラインでレビューをチェックしていることを考えると、レビューエンジンである「ZETA VOICE」との相性が非常に高い。
わざわざ自力でレビューを探してもらうのではなく、これまで蓄積した自社サイト内のレビューを表示して、前述のようにそのまま決済・配送手配をするか、あるいはレジに並ぶ手間を省いて商品はすぐに持ち帰れる。まずユーザーの利便性が高く、同時にブランドとリテールの売上確保になり、ユーザーのスマートフォンを使うので端末などの過剰なコストもかからない。「ユーザー、ブランド、リテールの三者がハッピーになれる仕組みだと自負しています」と山崎さんは強調する。
店舗で活用するテクノロジーの発展は、オンラインより遅れをとっているものの、環境は刻々と進化している。今のところ、「ZETA CLICK」と同じオンデマンドリダイレクトを活用した仕組みはまだないが、たとえば店員を支援するデジタルソリューションが登場するなど、オフラインである店舗もオンラインに歩み寄りつつある。たとえばスーパーマーケットのトライアルは昨年2月、福岡市に実験的な次世代店舗をオープンした。店内のカートにタブレット端末を実装し、顧客がカートに商品を入れる際にタブレットに読み込ませることで、画面にレコメンド商品や合計金額を表示させる、というものだ。こうした実験が各企業で進むと、知見も蓄積され、互いに参考にすることでまた新しいソリューションのヒントにもなるだろう。
「ZETA CLICK」を通して、また「ZETA CXシリーズ」との連携を通して、山崎さんは「今後はオフラインの店舗もよりダイナミックに、クリエイティブになっていけると思います」と期待を話す。アイデア次第でさまざまな使いかたができる「ZETA CLICK」は、オンラインとオフラインの融合をますます加速させるだろう。
「O2Oでもオンからオフではなく、店舗からデジタルへとつなげて店舗の可能性を広げていくのは、これからの発展が待たれる部分です。ブランドもリテールも、透明性にこだわってユーザーの満足いく買い物を手助けする企業に寄与できるよう、我々もさらにソリューションを磨いていきたいと思います」
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