「これからの10年で金融はもっと変わる」
Origami代表・康井氏が感じるこれからの金融で起きること
本カンファレンスでは、2016年よりスタートしたスマホ決済サービス「Origami Pay」のこれまでの歩みを踏まえながら、Origamiの戦略の根幹を担う「オープン」、「グローバル」、「ローカル」のキーワードを軸に、Origamiの事業進捗や金融の未来について発表が行われた。
冒頭では、同社代表取締役社長の康井義貴氏が、現在の決済を取り巻く環境について見解を述べた。
「この10年で、金融はものすごく変わったと思います。ですが、おそらくこれから10年のほうが、もっと変わっていくはずです。私がアメリカにいた頃にFacebookやGoogleが登場し、本当にこれがビジネスとして成り立つのかとよく言われていました。ただ蓋を開けてみると、この2社とも世界の名だたる企業になっている。このような変化が、これから金融の世界で起きていくのではないかと感じています。
いまはまだグローバル水準でみても、決済手数料、送金、ATMなど、金融に関わるコストがとても高い。ただ、それがインターネットのテクノロジーによって、いよいよ変わり始めているのだと思います」
内閣官房にて、アベノミクスの成長戦略の企画立案に従事した経歴をもつ同社・桑原智隆氏は、キャッシュレス化の推進について、「今年6月に政府が閣議決定をした未来投資戦略の中でも、フラッグシップ分野のひとつとして掲げられている」とし、以下のように続けた。
「この未来投資戦略の中で、『経済活動の糧が変わる』という表現が登場します。これは、とても本質をついていると思います。Origamiがやっているペイメントやキャッシュレスの促進というものは、あくまで入り口に過ぎません。事業者の皆さまが主役で、それぞれ行っている事業を我々が一緒に進めていくということに、この成長戦略の本質があるのではないかと思います」