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そろそろ「Amazonすげぇ」の次へ 『世界最先端のマーケティング』を読んでみた

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2018/03/05 08:00

 皆さんお待ちかねの書籍『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(日経BP社)が刊行となりました。本の帯には、「Amazonはなぜリアル店舗を展開するのか?」。ECに携わる人なら、これだけで手にとってしまうはずです。そのテーマを、オイシックスドット大地のCOCO奥谷孝司さんらが論ずるとあっては、読まないわけにいかない。編集部もさっそく読んでみましたので、読書感想文をば、したためたいと思います。

 EC専門のウェブメディアをやっていると、Amazonのニュースを扱わない週はないと言っていいと思います。Amazon Dashボタンが出た、Amazonすげぇ! Amazon Freshが始まった、Amazonすげぇ! Amazon Echoが出た、Amazonすげぇ!……を繰り返していると、仕事になるのでありがたいことです。

 しかし、当然ながらAmazonは、話題作りのためにそんなことをしているのではありません。それぞれの点を集めた先に、Amazonが見据えているもの。「オンラインを制覇したからオフラインも、なんじゃないですか?」「なにしろ、顧客至上主義ですからね」と、のらりくらりしながら……。そろそろ、本質的なところを、知見のある方に解説していただきたいなと思っていました(自分ではやらない)。

 そんな折に、オイシックスドット大地のCOCO奥谷孝司さんらが、「Amazonはなぜリアル店舗を展開するのか?」を論じた本が出ると聞いて! 例によってAmazonで購入し、さっそく読んでみました。この場を借りて、編集部目線で感想を述べてみたいと思います。

世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略

『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』

著者:奥谷孝司 ,‎ 岩井琢磨
発売日:2018/2/22
価格:1,944円(税込)
出版社: 日経BP社

目次

  1. アマゾンの脅威
  2. チャネルシフトの最前線
  3. 店舗至上主義の限界
  4. 購買体験をデザインする
  5. 無印良品のつながり
  6. つながりがマーケティングを変える

 本書は、1章「アマゾンの脅威」から6章「つながりがマーケティングを変える」までの全6章で構成されています。章タイトルをたどっていくだけで「Amazonはなぜリアル店舗を展開するのか?」の答えがじんわり見えてくるようです。

 本書のメインターゲットは、実店舗を持つ小売企業のマーケティング担当者に据えられていると読んでいいでしょう。昨今、この人たちには「オムニチャネル」という未知の課題がつきつけられていますが、自社なりの回答を導き出すための公式として出てくるのが、「チャネルシフト」です。チャネルシフトとは、オンライン企業がオフラインへ進出するなど、まさにチャネルをシフトすること。これを「購入」「選択」の二軸で四象限図にし、「チャネルシフト・マトリクス」と名付けています。

 1章と、2章「チャネルシフトの最前線」では、「チャネルシフト・マトリクス」を用い、Amazonと、他の先進企業のチャネルシフト事例を解説。読者がこのマトリクスを用い、自社のチャネルシフトを考えられるようヒントを与えています。昨年末話題になったZOZOSUITも取り上げているのが、タイムリーですね。

 オムニチャネルと言えば、ECzineを読んでくださっている方の中にも、オムニチャネルを推進する立場の方が少なからずいらっしゃいます。オムニチャネルやデジタル活用は必須と認識しながらも、自社なりの活用方法がわからず悩んでいる、という方にはこのマトリクスと事例解説が、役に立つのではないでしょうか。そのうえで、ECテクノロジーのテクニカルな部分については、ECzineがお役に立てればと考えています。

 一方で、純粋なEC担当者の方も読んでくださっています。その方たちに、課せられているのは「売上アップ」ですが、Amazonの台頭や実店舗を持つ大企業までライバルになってきている昨今、EC担当者に与えられた「武器」だけでは、大幅な売上アップは難しそうだなとも感じています。もう少し、EC担当者の方にリソースと権限を!と思ったりもします。そんな方たちにも、本書の「チャネルシフト」の考えかたは役に立ちそうです。

 「そうはいっても、Amazonすげぇし、無印良品もすげぇし、オイシックスドット大地もすげぇし、そんなふうにはできないよ」と愚痴を言いたくなる気持ちもわかります。なにせタイトルが、『世界最先端のマーケティング』とあって、意識高そうですものね。

 しかし、ECのことを必死に勉強してきたけれど、最近、どうも行き詰まりを感じる……という方は、最初少し背伸びをする感じかもしれませんが、ぜひ本書を読んでみてください。とくに後半の、「つながり」について書かれた部分は、EC事業者なら誰もが気になるLTVについても、本質的に書かれていると思います。

 実際のところ、EC/小売事業者の皆さんは、「Amazonすげぇ」では済まされない立場に置かれちゃっていますよね? でも近い将来、どんな業種業態であっても、Amazonの忍び寄る足音を聞くことになるはずです。それならば、Amazonの「世界最先端のマーケティング」といち早く、ガチで戦ってみるのは、これから先も続くビジネス人生においては、貴重な経験ではないかと思うのです。

 その戦いのお供に、本書を携えると心強いのではないかなと思いました。もちろん、編集部も例外ではありませんので、さっそくメルカリに出したりせずに、手元においておきたいと思います。

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