すぐ買いたい!新規ユーザーと、取引を楽しみたい古参ユーザーどちらにも使いやすい「ヤフオク!」を
――eコマース革命宣言から、反響や変化はありましたか?
「今までは5,000円以上のものを入札するのに、プレミアム会員になるというのが1つのハードルとしてあったのですが、それがなくなったことで、新規のユーザーが増えたというのが、数字に現れた大きな変化でした。慣れていらっしゃらない新規のユーザーに、トラブルなく使っていただけるような対策に力を入れましたね。
CtoCの取引は、途中でやりかたがわからなくなって、時間があいてしまって、結果的にトラブル取引になってしまうこともあります。スマホやiPadアプリのUI、UXも、新規ユーザーに向けての摩擦を極力少なくしようというのは意識してやりましたね」
――ヤフオク!さんは老舗オークションのイメージですが、新規ユーザーはフリマ感覚で使っているのでしょうか。
「もしかすると、初期のほうがフリマ色が強かったような気もするんです。売り手も買い手も時間があったときのほうが、よりCtoC取引を楽しむ余裕があったかなぁと。最近は、取引を短く終わらせたいというニーズも強くて、それを望む人にはできるだけ短時間で済ませられるように、他のECサイトではスタンダードであるワンクリック取引の世界観は目指しています。
一方で、やはりCtoCならでは感情のやり取りと言いますか、自分の売ったものが、匿名性はありつつも、誰かに渡ったというところは、わくわく感を生み出せる部分だと思うので。そこのバランスは常に、サービス作る中では議論に上がりますね。あんまりシンプルにしすぎちゃうと、ここの楽しさは削がれるけど、いいんだっけみたいな。
古くから使ってくださっているユーザーを大切にしながらも、どんどん新しいユーザーに入っていただけるようチャレンジしていく。わかりやすくも、取引を楽しめる世界観を保つという、そのバランスを取るのはなかなか苦労する部分ではありますね」