「越境EC」より「グローバルEC」なら、海外のECプラットフォームを見てみよう
「越境EC」は、非常に注目されているキーワードのひとつです。現在、国内ECの流通総額は右肩上りで伸びていますが、その先を見れば国内消費のパイは限られていて、さらなる成長のために海外市場を視野に入れるのは当然でしょう。
越境ECは、ECサイトを海外対応することで海外からの注文を受付、国内から発送するという、「日本に居ながら、ECで国境を越える」のが一般的です。現地法人を作ったり、そもそもグローバル展開を視野に入れている企業からすると、限られたビジネスと感じるかもしれません。むしろ「グローバルEC」と言ったほうがピンとくるのではないでしょうか。
グローバル企業は、越境ECでなくグローバルECの視点でECのプラットフォームを採用しているようです。そこで今回は、日本でも名の知られた企業が採用する、クラウド型ECプラットフォーム「デマンドウェア」を紹介したいと思います。
デマンドウェアは2004年にアメリカで始まったECプラットフォームで、現在はグローバルで約300社に提供されています。クラウドで提供されるため、常に最新版にアップデートされるのが特徴です。
グローバル企業と言うと、スクラッチ(ゼロから独自仕様)開発のイメージがありますが、よほどの開発体制がないと常に最新テクノロジーをキャッチアップするのは難しいですし、そのためにはコストもかかります。クラウド型のプラットフォームを採用し、共通パーツを使うことで、そうした部分をベンダー側に任せることができます。
さまざまなサードパーティのサービスはもちろん、社内システムやPOS、物流システムとも連携しやすいようです。
ブルックス、バーニーズ、スタバも採用!売れるノウハウを共有する、デマンドウェア
いくつか、デマンドウェアを採用しているECサイトを見ていきましょう。ブルックスブラザーズ、バーニーズニューヨーク、スターバックスといった、日本でも名の知られた企業が利用しているようです。
注目したいのは、トップページのデザインです。紹介した3サイトすべて、トップページが1カラムとなっています。 ヘッダーナビゲーション内にメニューがあり、コンテンツがその下に並ぶデザインは、パターン化されているとも言えます。
Brooks Brothers
Barneys New York
STARBUCKS
これは、デマンドウェアの「シェアサクセス」という考えかたに基づくものかもしれません。シェアサクセスとは、デマンドウェアがECプラットフォームのみを提供するのではなく、レベニューシェアで売上に対するパーセンテージをもらう代わりに、共に成長をしていくという考えかたです。
私もデマンドウェア主催のセミナーや交流会に何度か参加して思ったのが、この「シェアサクセス」の考えかたが徹底されていることです。
私もセミナーなどで、よく「ECサイトは、通常のウェブサイトと違い、売れなければ意味がない」などとお話しするのですが、デマンドウェアはデマンドウェアを採用したECサイトの成功事例を惜しみもなく提供する。そして、売れるためのノウハウ提供を行い、デマンドウェアを採用している企業全体で売上を伸ばしていこうという「シェアサクセス」の考えかたを強く感じました。