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外部パートナーに任せるべき業務の見極め方
今の時代、どの企業にとっても、優秀な人材を採用し全業務を内製化するのは現実的ではありません。EC事業でも同様です。各分野で専門性が求められる一方で、労働人口は減少の一途をたどっています。中途でも新卒でも、採用一辺倒では世の中の変化に対応できないでしょう。
私は、EC事業に2度携わり、現在は業務委託契約でプロ人材と企業をつなげるサービスを提供しています。どんな外部パートナーを選定するかは極めて重要です。1本の記事に容易にまとめられるものではありませんが、次のような要点が挙げられます。
- 外部パートナーに任せるべき業務を見極める
- 自社に適した外部パートナーを見つける
- 依頼後のマネジメント
これまで正社員採用のみに注力してきたため、業務のどの部分を外部パートナーに任せれば良いかわからない。そんな人も多いのではないでしょうか。そもそも、正社員でなければ対応できない業務は「定型化できない業務×毎日出社が必須な業務」に限られます。
フル出社しなくても対応可能な業務には「経営戦略」「マーケティング戦略」「事業開発」などがあります。EC事業で考えると、これまでの売上や顧客データの分析、CRM対策、コンテンツ制作に関する戦略の検討が該当するでしょう。施策を考え、実行する段階になると業務の定型化が可能です。
次のマトリックスを見てみてください。
定型化が難しい業務でも、週2~3日程度の出社で対応できる場合は、専門的なスキルをもつ外部パートナーに業務委託する選択肢もあります。
当然、「自社の得意・苦手な領域は何か」「競争優位性において何が最も重要か」も把握しておかなければなりません。たとえば、私が2000年にEC事業を立ち上げた際、取締役にライター経験者がいたため、ECサイトに掲載するコンテンツの企画や制作などは内製化できました。仕入れは私が商社マン時代に培ったノウハウを生かし、対応していました。その一方で、まだあまり知見がなかった「ECサイトで商品をどう売るのか」といった販促活動は、一部業務をアウトソースしていました。
また、私が2004年から2007年まで取締役を務めた土屋鞄製造所では、さらなるブランディング強化のために、外部パートナーへ商品デザインとともに若手社員へのマーケティング関連業務のトレーニングを依頼していました。