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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

ECホットトピックス(AD)

物流を制するものがAmazon・楽天市場での競争を制する コスト削減とCX向上を両立する方法とは

 多くのEC事業者にとって、重要な販路であるAmazonと楽天市場。競合ひしめく両モールで、顧客に見つけてもらうための鍵を握るのが“物流”だ。どうすれば他社と差別化できるのか。大手家電メーカーの物流担当、Amazonのアカウントマネージャーを経験した株式会社ACROSS 代表取締役 寺岡宏治氏が、EC事業者が乗り越えるべきハードルと物流が果たす“モノを運ぶ”以外の役割について語った。

セラーとモール、両方の立場を経験して見えた課題

 寺岡氏は、Amazonでアカウントマネージャーを担当していた時期に、様々なセラーの悩みを聞いてきた。その中で、EC事業者に共通する二つの課題に気づいたという。

 一つ目が、バックヤードの整備不足だ。たとえば、EC運営に欠かせない受注管理や在庫確認、商品の入出庫といった業務。これらは、売上が伸びたり、販売チャネルが増えたりするほど煩雑になる。

「私がAmazon時代に担当していた自転車用アクセサリーのセラーは、社長自ら出荷作業を行わなければならないほど、リソースがひっ迫していました。同社は立ち上げから約3年で数億円の売上規模に急成長したため、人員を増やす間もなく業務に追われていたのです。このように、バックヤード業務に手を取られ、本来なら特に注力すべき商品企画や仕入れ、マーケティングに十分なリソースを割けないケースは少なくありません」

株式会社ACROSS 代表取締役 寺岡宏治氏
株式会社ACROSS 代表取締役 寺岡宏治氏

 もう一つの課題が、物流トレンドへの対応の難しさだ。Amazon以前には、大手家電メーカーで16年間にわたって物流・サプライチェーン領域に携わっていた寺岡氏。「次々に新たな技術が登場し、今まで効率的だったやり方が明日も効率的とは限らないと実感した」と語る。

「取扱商品の大きさや重さ、生産地、出荷数量、販売チャネルの数、BtoB販売の有無など、各EC事業者の商品特徴や事業内容は千差万別です。変化が激しい中で、複雑な条件に合わせて物流体制を構築するのは容易ではありません。自社にベストな方法を見つけるには、専門家に任せるのが確実だといえます」

 多くのEC事業者が課題を抱える物流は、EC売上の成長を大きく左右する要素の一つだ。たとえばAmazonでは、出荷や配送の品質が良いと認めたセラーの商品に「Amazon プライムマーク」を表示している。顧客は、仮に同じカテゴリーの商品で迷った場合、物流の質が良いと視覚的にわかるほうを選ぶだろう。

「私がこれまで複数のセラーをサポートしてきた経験を踏まえると、AmazonではAmazon プライムマークを表示している商品が、優先的に検索上位に表示される仕組みだと考えられます。実際、Amazon プライムマークが付与された後、売上が数倍に増加したケースがありました。

 ただし、現在、自社出荷によるAmazon プライムマークの新規取得は難しい状況にあります。Amazonが提供しているフルフィルメントサービス『FBA(フルフィルメント by Amazon)』を活用するのが、1番の近道でしょう」

滞留在庫の発生を防ぐ「前方倉庫」「後方倉庫」の使い分け

 FBAを通じて得られるメリットは、Amazon プライムマークの取得によるSEO効果だけではない。受注後の自動出荷や購入者へのカスタマーサービス、返品対応など、バックヤード業務の支援を受けられる点は、特にリソースが不足するEC事業者にとって魅力的に映るだろう。

 なお、楽天市場も物流業務を委託できる仕組み「RSL(楽天スーパーロジスティクス)」を提供しているが、いずれも利便性を提供する一方で、活用には様々なハードルが存在するのも事実だ。

「FBAやRSLの専用倉庫は保管料が比較的高いため、注文が入らず在庫が滞留すると、コストがかさみEC事業者の大きな負担となります。長期にわたって在庫が滞留している場合や、出荷数に対して在庫が多すぎる、もしくは少なすぎる場合には、追加料金が発生するケースもあります。1度入庫した商品は流通加工やセット売りができない、委託先のモール内でしか商品販売ができず、在庫一元化が難しいといった制約が存在するのも課題だといえます」

 そのため、海外からフルコンテナで商品を仕入れている場合は、直接FBAの専用倉庫へ送ることはできず、中間倉庫でコンテナから商品を1度降ろして、トラックでFBAに入庫するための積替作業が発生する。同作業を回避するには、混載貨物として小分けで輸入しなければならない。

「FBAとRSLの活用はメリットもありますが、全在庫を無計画に入庫すると物流コストがふくれ上がります。EC事業者にとって、コストメリットが得られるかどうかの判断が難しいのです」

 では、どうすればAmazonや楽天市場で成果につながる物流体制が構築できるのか。寺岡氏は「倉庫の戦略的な使い分けが欠かせない」と強調する。

「倉庫は、全国のお客様の近くに位置し、すぐに商品を届けられる『前方倉庫』と、在庫を保管し状況に応じて加工する『後方倉庫』の大きく2種類に分けられます。FBAやRSLの専用倉庫は前方倉庫と捉えられるでしょう。売上成長と前方倉庫のコスト削減を両立するには、後方倉庫を上手に活用する必要があります。在庫は基本的に後方倉庫に入庫し、売れ行きを見ながら、滞留在庫と欠品どちらも発生しない最小限の数を前方倉庫へ配送する。こうした仕組みを作れば、最小限の負担で済みます」

 コストを削減した分、顧客に還元できるメリットもある。質の高い物流によって、迅速かつ安価に商品を提供できるため、顧客満足度の向上にもつながるだろう。結果的に、顧客の購買意欲が高まり、自社の売上成長に寄与する。

 こうした好循環を実現すべく、ACROSSは2024年6月に新サービス「サンゴー便」の提供を開始した。寺岡氏は、同サービスの特徴を次のように説明する。

「サンゴー便では、当社が奈良県と神奈川県に保有する合計1万坪の倉庫を後方倉庫と位置付け、FBAやRSLの専用倉庫に商品を配送できます。140サイズであれば1箱350円という低価格で輸送できるため、サンゴー便と名付けました。当社の倉庫はフルコンテナ入庫に対応しているため、港からFBAの専用倉庫へ商品を運ぶための中間倉庫としても活用可能です」

 地場の運送会社とのネットワークにより、業界最安値水準を実現したサンゴー便は、EC事業者にとって配送コスト削減と戦略的な倉庫の使い分け双方をかなえる有効な手段だといえるだろう。

「保管料がFBAとRSLの3分の1程度である当社の倉庫に在庫を保管しておき、FBAやRSLの専用倉庫には注文が入りそうな数量のみを都度サンゴー便で配送することで、コストが削減できます。FBAやRSLの倉庫にある在庫が少なくなったら、再びサンゴー便を活用して低価格で入庫可能です。売れ行きを見ながら、こまめに在庫を補充できます。また、FBAやRSLの倉庫への配送だけではなく、場合に応じて、自社から直接お客様へ届けるBtoC配送や小売店などへ納品するBtoB配送にも活用可能となっています。Amazonや楽天市場以外のEC販路、オフライン販路にも柔軟に対応できる点も魅力の一つです」

コスト削減した上で顧客に付加価値を提供する仕組みも

 ACROSSは、柔軟な流通加工などに対応できるフルフィルメントサービス「ロジメイト」も提供している。サンゴー便とロジメイトを組み合わせることで、顧客ニーズの高い商品を素早く届けられる仕組みが作れるという。

「たとえば、元々は10個セットで販売していた商品を、実際の売れ行きを見ながら単品や2個セットに加工し直し、サンゴー便でFBAやRSLの専用倉庫に配送するといった対応が可能です。FBAやRSLの専用倉庫では流通加工ができないため、10個セットと単品をそれぞれ入庫した後に後者のみが売れてしまうと、単品は欠品扱いに、10個セットは滞留在庫となります。素早く単品を用意して、再びFBAやRSLの専用倉庫に入庫しなければ在庫切れとなり、顧客満足度を下げかねません。サンゴー便とロジメイトを活用すれば、こうしたマイナスを回避できます」

 加えて、ACROSSではギフト梱包などにも対応している。「安いだけでなく、付加価値の高い商品配送もできる物流体制が特徴」と寺岡氏は補足した。

出荷を止めない 東西の戦略的な在庫配置のメリット

 顧客にスムーズに商品を届けるには、BCP(事業継続計画)対策も欠かせない。そこで重要となるのが、戦略的に後方倉庫拠点を配置することだ。一つの拠点のみに在庫を集中させると、地震や大型の台風といった自然災害が起きた際、完全に出荷が停止する可能性がある。ACROSSのように東西2拠点に後方倉庫を確保し、あえて在庫を分散させておけば、片方でトラブルが発生しても、出荷機能は停止しない

「一例ですが、私が以前勤めていた大手家電メーカーは、千葉県と兵庫県にそれぞれ大規模な物流拠点を保有していました。この運用が東日本大震災発生時に役立ったのです。

 震災直後、千葉拠点の稼働が不可能となった際に、同社は関東と東北を含むすべての出荷を一時的に兵庫拠点で対応することができました。結果として、出荷に大きな影響が出ずに済むだけでなく、千葉拠点の機能も最短で復旧できたのです」

ACROSSの倉庫

 このほかにも、東西に後方倉庫を確保すれば、「自社の近くに在庫を確保しておく」「顧客が多く在住しているエリアで、すぐに発送できる体制を整える」「生産工場からの配送コストを抑える」など、あらゆる条件を踏まえた在庫配置が実現できる。

「関東と関西は最大の消費地です。その間にある中部地方を含めると、日本のEC利用者の約8割が在住しているといわれます。当社は、多くのお客様に商品を届けられる利便性と安全性の観点から、奈良県と神奈川県に倉庫を設置しました。RSLの指定納品倉庫を関西か関東か選べるなど、EC事業者にとっては様々な希望をかなえられる体制です」

 今や、eコマースは消費者の生活の一部となりつつある。トラブルの有無にかかわらず、顧客へ確実に商品を届けられる体制作りは必須といえよう。寺岡氏は「物流を通じてEC事業者を支援し、結果的に消費者の幸福度を上げたい」と語る。

「それぞれのEC事業者に適したサプライチェーンは異なります。当社は、物流のプロフェッショナルとして、もの作りとロジスティクスをトータルコーディネイトし、EC事業者とともに未来を創造していきたいです」

自社に合った物流体制の構築をサンゴー便がサポート

FBAを活用したいのに、コストや在庫管理の手間などが心配で一歩踏み出せない。そんな悩みをサンゴー便で解決しませんか。会社所在地や予算をもとに、ACROSSが最適なプランをご提案します。ぜひ、サンゴー便特設ページからお問い合わせください。

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提供:株式会社ACROSS

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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