購入率を高める「送料」関連施策とは
集客や販売に悩むオンラインショップのオーナーに向け、「売れるお店」の秘訣をお伝えする当連載、第2回は売上を大きく左右する「購入率」を伸ばすコツを10個お伝えします。「売れ続けるお店」が行っていることは何なのか、改めて一緒に考えてみましょう。
1. 商品価格と送料のバランスを整える
オンラインショップの「購入率と送料の関連性」は非常に高く、送料を変更しただけで購入率が上がった事例は数え切れません。ですが、送料や物流経費は高騰し続けています。送料を下げたくても下げられないお店がほとんどですよね。
私はよく、商材的に可能であれば、メール便の出荷数を増やすようにアドバイスを行っています。耐久性に問題がなければ、パッケージから出してメール便で送れるサイズにする。お客様がご自宅用として購入されているようであれば、布製品やタオル類は圧縮して厚みを抑えるのもひとつの方法です。
どんなに素敵な商品でも、「300円の商品に、800円の送料がかかる」という状況では、買い渋るお客様が増えてしまいます。お客様目線で見たとき、商品の価格と送料設定があまりにもミスマッチになっていないか、今一度見直してみましょう。
2. 送料は全ページにわかりやすく表示する
送料は、フッターなどに明記して全ページからいつでも確認できるようにするのが基本です。「お買い物ガイド」など、購入方法を案内するページに書けばOKと認識している方も多いですが、購入検討時に送料がわからないと「探す」手間を増やしてしまいます。
連載第1回でもお伝えしましたが、オンラインショップはお客様に探させてはいけません。これは鉄則です。つまり、「この商品を購入したい」と思った際にすぐに送料などの条件が確認できるよう、各商品ページにも記載するのがベストといえます。
送料が高くなりやすいクール便や大型便は、特にわかりやすく金額を記載しましょう。商品画像の最後に、送料について説明した画像を追加するのも有効です。
3. 定期的に送料無料ラインを見直す
あなたのお店の送料無料ラインはいくらでしょうか。その金額は何を基準に決定しましたか? また、その金額は適切か、定期的に見直しをしていますか? オープン時になんとなく決めて、そのまま……というお店も多いのではないでしょうか。
送料設定の考え方は、大きく次の二つに分けられます。
①送料無料ラインを作るケース
これは、お店が決めた一定金額以上の買い物をするとお客様の送料負担がなくなる(送料無料となる)ケースです。送料はお店側が負担します。
多くのオンラインショップは、「5,000円」や「1万円」など区切りの良い金額を設定していますが、あなたのお店ではどう設定金額を決めているでしょうか? 理由を聞くと「なんとなく」というお店が多いですが、成功の秘訣は「平均客単価から導き出す」ことです。自社の実績に基づいて送料無料ラインを定めると、購入率だけでなく客単価アップも見込めます。
たとえば、あなたのお店の送料無料ラインが1万円、平均客単価が7,500円だとします。この場合、私は送料無料ラインを8,000円に下げることをお勧めしています。なぜなら、こうすることで購入率と客単価アップの双方が叶うからです。
自分に置き換えて想像してみてください。欲しい商品が7500円だったとして、「あと500円で送料無料」だったら他に欲しいものを探してみませんか? 「あと2,500円で送料無料」といわれたら、「またの機会にしようかな」と諦めてしまいませんか? 「あと500円」と「あと2,500円」の印象は、かなり変わりますよね。もし、単品通販やSKU数が少なく、売上の大半を占める売れ筋商品が存在するお店の場合は、その商品価格を軸に決めても良いでしょう。
②購入金額、配送先を問わず定額を設定するケース
こちらは送料無料ラインを設けず、「全国どこでも●●円」と訴求するケースです。お客様にとっても非常にわかりやすく、お店側にとってもアピールがしやすいため、多くの自社ECはこの方法を選んでいるのではないでしょうか。
一律料金を設定する際は、本来かかる送料よりも少し安めの価格を設定するケースが多いです。お客様からすると購入金額が高くなる=購入のハードルが上がるため、バランスを見て決定しましょう。