レオニス伊藤圭史さんが語る「次世代EC、勝者の条件」
伊藤さんは、オムニチャネルを「購買行動の変化に対応することによる衰退防止と機を活かした成長を狙う取り組み」と定義。スマートフォンの登場により、明治時代からAmazonまで続いた「単一チャネル」ですべての購買行動が終わるショッピングスタイルから、複数のチャネルを横断してショッピングを楽しむ「オムニチャネル型」に移行しているとした。
新しいオムニチャネル型の購買行動は数年内に主流となり、2012年段階で32兆円が、2017年には55兆円の市場に急成長するという。
米国のオムニチャネル型EC最新動向として、実店舗への来店客にもECでの購入を促すMacy's、2014年7月には5,500万米ドルを調達しさらなる成長を狙う、在庫を持たないBonobosを紹介。ECのみの事業者については、adidas、kate spade SATURDAY、テスコなどがブランド認知等を目的に期間限定で、実店舗のポップアップストアを展開していることをあげ、ぜひ挑戦してほしいと述べた。
日本のオムニチャネル型EC最新動向としては、ネットで予約し、実店舗で接客するスタイルのコメ兵をピックアップ。客単価は店頭のみと比較して、オムニチャネル型は5倍にもなるという。また、URBAN RESEARCHのアプリを使った事例も紹介。コーディネートを配信することで、店員の販売力がレバレッジを効かせているとのこと。
また、ネットで買って実店舗で受け取る「クリック&コレクト」が成否を分ける要因になるという。ヨドバシカメラの24時間受け取り、楽天の宅配ロッカー、LOFTのセブン-イレブン受付を紹介した。
以上見てきたように「次世代EC、勝者の条件」は、「オフライン」と「チャネル」にかかってくるという。取り組むポイントはそれぞれ、以下のとおり。
オフラインの力を活かす
- 集客
- 接客
- ブランディング
- 配送 など
チャネルの力を活かす
- 接客拡大
- 統合CRM
- マーケティングオートメーション
- DMP
- 配送網 など
最後に伊藤さんは、短期的な焦点としてはID統合やチャネル整備など仕組みの整備となるが、中期的には「運営」が重要になるとし、運営なきオムニチャネルは破綻する、として講演を締めくくった。