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ECzine Day 2024 June

2024年6月6日(木)10:00~17:40(予定)

ECzine Day 2022 Winter レポート(AD)

マーケティングにも効果的なAmazon Pay活用 BASE FOODなど成果につなげた好事例を紹介

 2015年に提供を開始し、すでに10万以上のECサイトで導入されている決済サービス「Amazon Pay」。Amazonの登録情報を利用し、あらゆるECサイトで容易な決済を実現する同サービスの魅力は、顧客に快適な購買体験を提供するだけに留まらない。顧客・EC事業者双方を不正取引の被害から守ることに加え、新規顧客獲得効率やコンバージョンレート改善など、EC事業者にとっては効率的なマーケティングツールとして作用する可能性を秘めたサービスと言える。2022年12月1日開催の「ECzine Day 2022 Winter」にて、アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay 事業本部 本部長の井野川拓也氏が登壇。Amazon Pay活用で得られるメリットについて、導入事例を交えながら解説を行った。

Amazon Pay伸長率の高い日本 導入サイト数は10万以上に

 近年、日本でも注目を集めるビジネスモデル「D2C」。ブランドの世界観を丁寧に作り込んだ上で、「共感」を軸に顧客を獲得し、ファンとともにブランドやビジネスを成長させる点が大きな特徴だ。井野川氏はこうしたD2Cブランドや市場の成長に欠かせない要素として、「共感獲得」と「買いやすさ」の2点を挙げた。

アマゾンジャパン合同会社 Amazon Pay 事業本部 本部長 井野川拓也氏

 続いて井野川氏は、こうした要素への理解を深めるきっかけとしてAmazonが考える「ビジネスの本質」を紹介。「地球上で、お客様を最も大切にする企業であること。」という同社のビジョンに触れた上で、こう続けた。

「創業者ジェフ・ベゾズ氏は、『Amazonのビジネスの本質とは、モノを売ることではない。私たちのビジネスの本質は、お客様の購買決断を助けることにある』と述べています。当社のビジネスは現在、Amazon.co.jp内で提供する『Amazon直販(メーカー・卸企業向け)』『Amazonマーケットプレイス(販売事業者向け)』と、事業者様のサイトに提供するAmazon Payの主に3つから構成されていますが、いずれもより快適な購買体験を叶えるため、一貫した思想を持って展開しています」(井野川氏)

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 Amazonアカウントを取得しているユーザーであれば、誰でもすぐに利用できるAmazon Pay。導入済のECサイトで、購入時にAmazon Payを選択し、Amazonアカウントでログインすれば氏名、住所、電話番号、メールアドレスの入力を行わずに購入が完了する点が大きな特徴だ。

「当社は、売上を追うためにAmazon Payを提供しているわけではありません。Amazonをすでに利用するお客様が、Amazonのサイト外でも簡単・安心にお買い物ができるようにするため、つまり良質な購買体験を提供するためにサービスを展開しています」(井野川氏)

 井野川氏は、導入を検討する事業者からよく寄せられる売れ筋や顧客データ取得についての質問に触れながら、さらに解説を進める。

「Amazon Payにおいて、当社はあくまで決済手段の提供に徹しています。そのため、各EC事業者様の売れ筋や顧客データ取得は行っておりませんので、ご安心ください。お客様のクレジットカード情報や個人情報についてはAmazon側が管理するため、Amazon Pay導入により事業者様側の管理工数が増えることもありません」(井野川氏)

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 2015年のサービス提供開始から7年が経過しているAmazon Pay。導入事業者数は2万社を超え、Amazon Payを使って決済ができるECサイト数は10万以上にのぼる。

「Amazon Pay導入事業者様のジャンル、カテゴリーは多岐にわたっています。日本は利用率の伸長がとくに大きい国であることから、お客様の個人情報取扱に対する意識が高いこともうかがえます」(井野川氏)

使いやすいECサイトの条件は? Amazon Pay活用が顧客にもたらす4つのメリット

 Amazon Payを導入するEC事業者の多くは、「お客様の利便性を高めることを目指している」と語る井野川氏。「Amazon Payが、ペインポイント解消の手助けになることは間違いない」とした上で、このように続ける。

Baymard Instituteが2018年に行った調査によると、ECサイトでお客様が離脱する理由は『会員登録が必須だった』『購入までのプロセスが複雑』『クレジットカード情報を入力したくない』『返品条件が満足できなかった』『選びたい支払い方法がなかった』『クレジットカードが使えなかった』など、さまざまです。お客様に快適な体験を提供するには、こうした背景を踏まえて購入プロセスの簡素化と安心感を打ち出す必要があると言えるでしょう」(井野川氏)

 続いて井野川氏は、Amazon Pay導入によりECサイトを利用する顧客が享受できる4つのメリットを紹介した。

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「ひとつめは、Amazon IDひとつで購入が完結する『利便性』、ふたつめは基本情報の入力を省略できることによる『スピード』です。空き時間や移動時間など、ちょっとした隙間時間にスマートフォンから欲しい商品を購入できるのは、購買機会を創出する上で非常に魅力的と言えるでしょう。

 3つめは、Amazonマーケットプレイス保証の対象となることで生まれる『安心感』です。カード情報の新規入力も不要となるため、個人情報記入をできるだけしたくないと考えるお客様にもAmazon Payは有効に作用します。4つめは、Amazonの還元プログラムを利用できるという『お得感』です。Amazon Payでの購入時にAmazonギフトカードを利用した場合、Amazonプライム会員には1%の還元を行っています」(井野川氏)

 Amazon Payでは、決済の体験向上にも継続的に取り組んでいる。2022年10月には、Amazon Payを利用したECサイトでの支払いに、株式会社Paidyが提供するあと払いサービス「ペイディ」が追加された。

「より幅広いお客様に『使いやすい』と思っていただけるサービスを目指し、日々アップデートを続けています」(井野川氏)

スムーズな会員・メルマガ登録導線を作り、新規顧客獲得にも貢献

 Amazon Payは、EC事業者の課題解決にも貢献する。井野川氏は、販売事業者へのメリットとして「新規顧客の獲得」「コンバージョンレートの改善」「不正取引対策」の3点を挙げた。その上で井野川氏は新規顧客の獲得について、フューチャーショップ、ecbeing、アイピーロジックの3社による調査データを見せながら、次のように語る。

「ECサイトに新規来訪したお客様が会員登録プロセスに進まずゲスト購入する際、Amazon Payを決済手段に選ぶ割合は40~50%にのぼっています。また、Amazon Payで決済した後に会員登録に至った割合は60~80%です」(井野川氏)

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 さらに井野川氏は、Amazon Pay導入・未導入店舗を100店舗ずつ抜粋し、新規会員登録数増加率を比較したデータを提示し、「65%もの差が現れた」と解説。Amazon Payが新規会員獲得の大きな後押しとなることを示した。

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「また、Amazon Payは会員登録だけでなく、メルマガ購読促進にも貢献します。導入事業者様の多くは、決済時に会員登録とメルマガ購読の両方が完了するようチェックマークを設けていますが、これをわざわざ外すお客様は全体の1~2割程度と非常に少なくなっています。Amazon Payで決済し、購入完了と同時にそのまま会員登録、メルマガ購読をしていただけるケースがほとんどと言えるでしょう」(井野川氏)

導入前後でコンバージョンレートが2.5倍以上増加 Amazon Pay活用事例を紹介

 ここで井野川氏は、Amazon Pay導入事業者の声と新規顧客獲得における効果を紹介。ひとつめは、ベースフードの事例だ。

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「ベースフード様は、Amazon Pay導入から1ヵ月で新規顧客を2.14倍に、コンバージョンレートを2.5倍以上に伸ばしました。新興ブランドでも、決済の安全性を担保することで非常に良い成果を得ることができます」(井野川氏)

 ふたつめに紹介されたのは、公益財団法人日本ユニセフ協会の事例である。

「日本ユニセフ協会様は、若年層へのアプローチ強化を目的にAmazon Payの導入に至りました。スマートフォンでスピーディーな決済を実現したことで、支援者様の負担軽減につながっています。Amazon Payを利用した寄付は増加傾向にあると聞いています」(井野川氏)

 販売事業者へのメリットとして挙げられたコンバージョンレートの改善について、井野川氏はAmazon Pay導入・未導入店舗を100店舗ずつ抜粋して月間注文件数の増加率を比較したデータを示し、コンバージョンレートの改善率に28%もの差が見られたと説明。事例として、パソコン・家電類を扱うディーライズと、クラフトビールの製造・販売を行うFar Yeast Brewingの事例を紹介した。

「ディーライズ様は、スマートフォンでのコンバージョン率向上が課題の中、Amazon Payの導入を決めました。Amazon利用者との親和性が高いと推測して導入した結果、導入後のコンバージョンレート40%超を達成し、今では同社で利用率が最も高い決済手段となっています。

 なお、Far Yeast Brewing様からは『Amazon Pay導入直後に入った注文の決済手段がすべてAmazon Payであり驚いた』といった声もいただいています。現在、同社の決済のうち、約50%がAmazon Pay支払いとなっており、Amazon Payの導入前後3ヵ月の売上は1.5倍に伸びている状況です。Amazon Payが同社のECの伸長に貢献したと言えるでしょう」(井野川氏)

 不正取引対策について、井野川氏はアイロボットジャパンとコメ兵ホールディングスの事例を紹介した。それぞれの担当者からは、次のような声が寄せられている。

アイロボットジャパン担当者の声

 導入の決め手は、利用率の高さと導入済のECサイトからの良い評判、不正取引対策もできているという観点からです。高額商品が多いのですが、導入後、当初想定していた決済比率を上回り、多くのお客様にご利用いただいています。

コメ兵ホールディングス担当者の声

 扱う商材がブランド品で、転売など不正取引のターゲットにされやすく、安全かつスピーディーなオンラインでの決済方法を探している中、検討したのがAmazon Payの導入です。導入後、不正取引に関する確認作業が軽減されました。また、Amazonマーケットプレイス保証の対象となり、実質的にチャージバックのリスクをゼロに近づけることが可能です。

 不正取引対策について、井野川氏は「3Dセキュアを実装する場合、決済フローの煩雑化によるコンバージョンレートの低下は避けられない」とした上で、こう補足した。

「不正注文を阻止することと、お客様目線で買いやすさをどう担保するか。この両立は、EC事業者にとって非常に大きなポイントと言えます。Amazon Payは、そのどちらも両立、実現できる決済手段です」(井野川氏)

 井野川氏は、最後に改めてAmazon Payが販売事業者に提供するメリットに触れた上で実装までの流れについて次のように語り、セッションを締めくくった。

「前出した新規顧客の獲得、コンバージョンレートの改善、不正取引対策といったメリットから、Amazon Payは単なる決済サービスではなく、マーケティングにも貢献するサービスであると言えるでしょう。すでに多くのECカート事業者様、ソリューションプロバイダ様とパートナー関係を結び、皆様のECサイトでも比較的容易にAmazon Payが導入できる環境を作り上げています。ぜひ興味のある方は、導入をご検討いただければと思います」(井野川氏)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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