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ECzine Day 2024 Autumn

2024年8月27日(火)10:00~19:15

今さら聞けないEC知識

コロナ禍でトラブル急増?通販の返品に関する現状と3つの対策

 通販は自宅で欲しいものを選んで届けてもらえるとても便利なシステムです。しかし実際に商品を手に取っていないため『思っていたよりも○○』『サイズが合わない』『カタログやテレビで見たのと印象が違う』など、ギャップが生まれることがあります。通販の返品は販売元やサイトの運営会社によって規定が異なるので、しっかりと理解してから利用をしないとトラブルに発展することも少なくありません。コロナ禍で急増したといわれる通販の返品に関するトラブルの現状と、有益な対策について分かりやすく解説します。

コロナの感染拡大が原因?通販の返品トラブルが急増している現状

 経済産業省が2021年に発表した消費者相談の概要では、通信販売に関する相談が最多で、2年連続で増加していることが報告されています。

 通販の返品トラブルが急増している現状をご紹介しましょう。

外出制限が影響した?通販の利便性が仇に

 新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変化しました。

 度重なる緊急事態宣言の発令により、外出自粛ムードが一気に高まったからです。

 気軽に買い物や外食にも行けない状況は、インターネットを利用して買い物ができる通販の需要を大きく伸ばしました。

 通販の利便性やメリットばかりを重要視し、デメリットや知っておかなければいけない知識がないまま買い物をする人が増えたことは、通販の返品トラブルに大きく影響しています。

サブスクリプショントラブルの増加

 通販の需要増に付け込んだ定期購入=サブスクリプションに関するトラブルも増加しています。

  • 一度だけ購入したつもりが定期購入契約だった
  • 定期購入契約を解約するための連絡先が繋がらない

 定期購入契約を解約するのに高額な手数料を請求されているなどのトラブルが非常に増えているのです。

 また他には『偽物が届いた』『商品自体が届かない』『返品に対応してもらえない』などのトラブルも報告されていて、なりすましECサイトのような詐欺サイトが増加していることも原因として考えられます。

高齢者を標的とした悪質業者の台頭

 ネットリテラシーの低い高齢者を標的とした悪質業者も通販の返品トラブルを生んでいます。

 通販をあまり利用したことがない・規約を全て読み込むことが難しい・相談するなどのアクションを起こしにくいなど、高齢者の弱点を悪用し、さまざまな手法で商品やサービスを販売しているのです。

 SNSで口コミを確認するなど、防衛手段を持っていないことが弱みとなって付け込まれているという現状も見逃せません。

通販の返品に関する基礎知識

 通販の返品トラブルを生まないためには、返品に関する基礎的な知識を得ておくことが重要です。

 返品に関する規約は事業者によって異なりますが、共通する重要な基礎知識を3つ解説します。

返品できない商品やサービスがある

 通販で購入した商品やサービスには、返品できないものがあることを知っておきましょう。

  •  一度でも着用した洋服やアクセサリー(試着は除く)
  • 通電した家電
  • 解約期間が過ぎた定期購入の商品やサービス

などは、ほとんどの事業者で返品は不可とされています。

 商品やサービスを購入する際に、キャンセルや解約、返品に関する規約を必ず確認することは非常に重要です。

返品は事業者側によるサービスであり購入者の権利ではない

 返品は事業者側によるサービスの一環です。

 購入者の権利だと勘違いしてしまうと『どうして返品に対応しないんだ』という姿勢になってしまいます。

 また返品の際の送料負担や梱包方法などにクレームをつけるケースもありますが、多くの事業者は規約に必ず記載し、購入時にもホームページなどで確認ができるように工夫をしています。

 返品は購入者の権利ではないということを理解しておかないと、無用なトラブルを生む原因になるので注意が必要です。

クーリング・オフ制度は通販には適用されない

 クーリング・オフ制度は、通販には適用されません。

 通販は無理に購入を勧められたわけではなく、自分で購入手続きを取る=購入することを了承しているとみなされるからです。

 特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、申込みまたは契約の後に、法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間(※)内に、無条件で解約することです。(※)訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。

引用:特定商取引法とは 特定商取引法ガイド|消費者庁

 クーリング・オフが適用できないという相談は非常に多く、経済産業省も注意を呼び掛けていますが、通販を利用する際には知っておきたい基礎知識といえるでしょう。

通販の返品トラブル・3つの対策とは?

 通販の返品トラブルを起こさないため、または起きてしまったときの対策を知っておくことは、トラブル回避につながる重要なポイントです。

 通販の返品トラブルに有効な3つの対策をご紹介します。

1・返品に関する特約を確認する

 利用する通販サイトの返品に関する特約を確認することは一番重要なポイントです。

 通販業者は、インターネット上のサイトや通販のカタログ内に、返品や交換の条件である『返品特約』を明示することが法律で義務付けられています。

 また商品やサービスの購入確認画面にも返品に関する条件を書かなければいけません。

 安易に購入する前に、必ず『返品特約』を確認することは、返品トラブルを防ぐためにもっとも有効な対策です。

2・相談窓口を知っておく

 悪質な詐欺サイトなどの被害に遭った場合は、相談できる窓口があります。

名称 電話番号 受付時間
消費者ホットライン 188 年末年始(12/29~1/3)を除いて原則毎日利用可能

国民生活センター
平日バックアップ相談

03-3446-1623

10:00〜12:00・13:00〜16:00

(※土日祝・年末年始を除く)

通販110番(JADMA) 03-5651-1122

10:00〜12:00・13:00〜16:00
(※土日祝・年末年始を除く)

※インターネットからの相談も可能
消費者相談室 相談フォーム

最寄りの警察署 ♯9110

平日:8:30~17:15
(※地域により異なる)

 あまりにも悪質で被害が大きい場合などは、専門家への相談をおすすめします。

 各自治体の無料法律相談の窓口や、国が設立した法的トラブル解決の総合案内所である法テラスで相談が可能です。

 相談回数が限定されることもありますが、無料で相談に乗ってくれるので、ぜひ各自治体の窓口を利用してください。

3・悪質業者を見抜くポイントをチェック!

 残念ながら、通販業者の中には悪質な業者が存在します。

 悪質業者とのトラブルに遭わないためには、自分の利用しているサイトを見極める目を持つことも重要です。

  • 返品特約の記載がない
  • 支払い先の口座名義が個人
  • 支払方法が振込のみ
  • 連絡先の記載がない
  • 住所が実在しない
  • 連絡先が携帯番号のみ
  • 不自然な日本語や文字化け
  • 価格が相場に比べて安すぎる

などの項目に該当するようであれば、悪質業者である可能性が高いです。

 また近年ではなりすましで個人情報を盗む詐欺サイトなども多く、ネットリテラシーに自信がない場合は、何度もチェックポイントを確認する慎重さが求められます。

通販の返品はあらかじめ規約の確認を!

 通販の返品トラブルは、消費者側の知識を深めることで防衛できることが多いものです。

 通販は利便性が高く、誰でも手軽に利用できるメリットがありますが、利用時の注意点をしっかりと押さえておく必要があります。

 返品特約の確認を必ず行い、キャンセル・交換・返品にどんな対応をしているのかを理解した上で購入するというプロセスを忘れないようにしましょう。

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この記事の著者

EC研究所(イーシーケンキュウジョ)

ECについての情報を調べ、まとめてお届けします。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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https://eczine.jp/article/detail/11977 2022/11/20 00:00

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