趣味嗜好性の高い商材は、越境ECとも相性良し
BEENOSグループでエンターテインメント業界(エンタメ業界)のDXや、エンタメ特化のEC構築サービス「Groobee」の運営を行うBEENOS Entertainmentの玉谷です。前回の記事では「エンタメ×越境ECの可能性」をテーマに、エンタメECの特徴や売上・需要を創出する上で欠かせない運用のポイントなどをお伝えしました。今回は、エンタメECに取り組む事業者の実例や今後の潮流について解説いたします。
海外市場において、日本のエンタメコンテンツはアニメやゲームといったジャンルを中心に人気を集めています。趣味嗜好性の高いロングテール商材は、世界中の顧客にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があるため、エンタメは越境ECと相性が良く、流通に結び付きやすいジャンルです。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で増したEC需要は越境ECについても例外ではなく、市場規模は2024年に6.39兆USドルに達すると見込まれています。
ライブやコンテンツのオンライン化が秘める可能性
新型コロナウイルス感染拡大は、音楽、演劇、お笑い、伝統芸能、イベントなどエンタメ業界におけるさまざまなコンテンツのオンライン化を加速させました。2020年1月から12月のライブ・エンタテインメント(音楽・ステージ)市場規模は、前年比82.4%減の1,106億円(ぴあ総研調べ)と大きく打撃を受けていますが、2020年内の有料型オンラインライブの市場規模は推計448億円と短期間で大きな成長を遂げています。
たとえば、コロナ禍にある男性アイドルグループが開催したオンラインライブでは、同時視聴者数が500万人を突破。公演100回分以上の売上を記録し、話題となりました。会場のキャパシティに左右されず、「インターネットでつながる世界中の人」が観客になり得る点は、オンラインならではの利点と言えるでしょう。
世界市場を見てもエンタメコンテンツのオンライン化は加速しており、音楽・ゲーム・出版・映像などのデジタルコンテンツ市場は成長を続けています。
エンタメコンテンツのオンライン化は、さまざまなコンテンツやタレント、アーティストに恩恵をもたらしていると言えます。実は、日本国内で「海外人気がある」と可視化されていなくとも、SNSなどを通じて海外ファンからの認知獲得を実現しているケースは存在します。
たとえば、GroobeeではSNSを通じて海外に多数のファンを持つ女性タレントや、TikTokをきっかけに海外で認知度が向上したアーティストなどのEC構築・運用支援も行っています。インターネット起点でブレイクした方々が、さらなる支持獲得、売上の柱を作るために越境ECに挑戦しているのが実情です。