コロナ禍のエンタメ業界 オンライン化の動きを読み解く
BEENOSグループでエンターテインメント業界(エンタメ業界)のDXや、エンタメ特化のEC構築サービス「Groobee」の運営を行うBEENOS Entertainmentの玉谷です。当連載「一歩踏み込んで掴む オンライン海外市場」では、これまで何度か日本のエンタメコンテンツの海外人気に触れてきました。
日本国内のエンタメ市場はこれまで右肩上がりに推移してきましたが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症の流行による打撃を受け、市場規模が大きく縮小しました。
ステージでのイベントやライブの現地開催が難しくなったことで、エンタメ業界のオンライン移行は必然的に加速。外出自粛の働きかけにより在宅時間が増えたことも加味され、近年はオンライン配信によるエンタメ鑑賞、観劇などが一般的になりつつあります。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置(まん防)が解除されて以降、リアルイベントの開催は回復傾向にありますが、今後こうしたイベント類を配信でも鑑賞するスタイルが完全になくなることはないでしょう。
なお、一般社団法人 日本動画協会が発表した「アニメ産業レポート2021」によると、2020年のアニメ配信売上は前年比135.8%に伸長。今やテレビアニメ市場をも上回る水準となっています。ジャンルにもよりますが、エンタメ全体で見ればオンライン配信などで鑑賞する文化は今後もさらに伸長すると考えられます。
こうしたオンライン化の潮流はエンタメ市場のあらゆる面に波及しており、ECも例外ではありません。巣ごもり需要によって飛躍的にECの利用シーンは増加し、アフターコロナにおいてもその流れは不可逆であると考えられます。越境ECにおいても影響は大きいと言えるでしょう。そこで今回は、エンタメ業界のEC運用、DX推進に携わる立場から「エンタメ×越境EC」をテーマにお伝えいたします。